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シシ狩り!〜自分の正義を貫いた結果、パーティを追放されたけどまあいいか!俺は自分の夢を信じて突き進むだけだ!〜  作者: 青山喜太
幻想英雄譚編

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第106話 逃走中

 ──ここはどこだ。


 ドンキホーテは目を覚ます。

 何もない白い空、白い大地で。


 ──……える……が……


 誰かの呼びかけがドンキホーテの耳に入った。


 ──誰だ


 ドンキホーテは聞き返す。だれだ俺を呼ぶのは。


 ──ああ、やっと届いた。


 ──あんたは?


 ──私は、ローザ


 その言葉と共に、ドンキホーテの目の前に女が現れる。さっきドンキホーテが殺した魔女だった。


 ──ここはあの世か? あんたがいるってことはそういうこったろ?


 ──違います、貴方はただ眠っているだけ。私がこの夢に呼んだのです。魔法を使って……ね。


 ──そうか、俺に復讐しにきたってわけか……なら……いいぜ。


 ドンキホーテは白い大地に膝をつき、そして腕を脱力させる。そしてたった一言、少年は言った。


 ──殺せよ。


 あんたにはその権利がある、と言わんばかりの自暴自棄な言葉にローザは笑う。そして言った。


 ──あなたが私の最後の相手でよかった。


 ──は?


 ドンキホーテは意味がわからずそう返す。


 ──後悔をしているのでしょう? 私を殺したことを。


 ドンキホーテは何も答えない。なぜならどう答えたところでまるで許しをこう言い訳にしかならない。

 そんなことはこの母たるローザにとって無礼に当たる行為だとドンキホーテは思っていた。

 未来を奪った相手が、家族を仲を裂いた男が、弁明をする余地などない。

 そう思うが故にドンキホーテはただ手に力を込める。


 ──もし、後悔しているならひとつだけ頼みがあるのです。


 ──……何だよ。


 ローザの提案にドンキホーテは、耳を傾けた。今更自分などにできることなどたかが知れているのではないか。そう思いながらもドンキホーテは、少年はローザを見た。


 ──どうか、私の子供達を助けてあげて


 ──────────────


「それが、ローザさんの願いだ」


 ドンキホーテはそう締めくくる。ドンキホーテ達は今、馬車に乗っていた。遠征隊の馬車のうち一つだ。

 それを駆りドンキホーテはカインたち三兄妹をある場所へと、向かっていた。


「騙されるか!」


 カインは馬車の中で叫ぶ。疲れからスヤスヤと眠っていたチャルはその声で起き、辺りを見回した。長女のマーシーはそれを見てチャルにもう少し寝ているように促している。


「お前は母様を殺した!」


「……ああ、そうだな……じゃあどうする? 俺を殺すか?」


「馬車は手に入った! そうさせてもらう!」


 カインは手のひらに火球を作り出す。それをドンキホーテは気にもせずに馬車を操舵していた。


「待ってカイン!」


 カインの凶行にマーシーは制止しようと声を張り上げた。


「邪魔をしないでください姉様! もう無理にコイツの口車に乗る必要は──!」


 すると、ドンキホーテは鎧に付属していたポケットからとあるペンダントを取り出し、掲げてみせた。


「それは……!」


 カインにはそのペンダントに見覚えがあった。母、ローザのペンダントだ。なぜそれをドンキホーテが持っているのか、ドンキホーテは言う。


「これは、ただのペンダントじゃない、ローザさんがあんた達を安全な場所まで導いてくれる……らしいな、あんた達の方が知ってんだろ? その安全な場所ってやつ」


 そう言ってドンキホーテは再びポケットにそのペンダントをしまった。


「俺もその場所に向かっている、信じられないならそれでいい、でも、このペンダントを持ってきたのはローザさんから任されたってことは事実として知っていてほしい」


「カイン……」


 ドンキホーテの説明に、マーシーも納得した。何よりもこれから先カイン一人にこのことを任せるのはあまりにも過酷すぎる。利用するべきだ、できる者は全て。

 そう考えたマーシーはカインに矛を収めるように諭した。

 諭されたカインは不服ながらも納得して火球を収める。


「……不穏な動きがあれば、殺す……!」


「…………それでいいさ」


 こうしてドンキホーテとカイン兄妹を乗せた馬車は悪路を進む。


「ねぇ様」


 末っ子の妹チャルがマーシーに問う。


「なぁに? チャル?」


「もうだれも死んじゃわない?」


「……ええ、大丈夫よ、もう、大丈夫」


 マーシーは馬車の中、そう答えるしかなかった。



 ─────────────


 ──ダン!────ダン!


 静寂を裂き銃口から弾丸が間隔を開けて空中に発射される。

 弾を発射した男は崖の上でホゥと息を吐いていった。ライフルをどうやら撃っていたようだ。


「ルーティン終わり」


 男はそう呟いた。


「行く準備はいいのかね?」


 そんな空砲を撃った男の後ろから現れたのはローブに身を包む、金髪の男、シーライ神父だった。


「神父」


 男はシーライ神父に対して軽く挨拶をした後、神父を他所にライフルの清掃を始めた男に対して、神父は問う。


「準備はできたのかね?」


 男は答える。


「ええ、ルーティンも終わったので」


 神父は。「そうか」と言った後を振り向き歩きながら男に伝えた。


「私は負傷者の手当てに戻る、君はドンキホーテの追跡を先んじて頼むよ──」


 シーライ神父は最後に男に振り返って言う。


「──魔弾の射手、ジミニー・グレイラン」

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