表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【旧】アミィ  作者: ゴサク
七章 オレは進のお姉ちゃん
81/154

ネットサーフィンです!

 俺とアミィで夏樹ちゃんと会ってから数日が経った。それからは特に変わったこともなく、前にも増してアミィと一緒に過ごす時間を楽しんでいた。


 朝はアミィに見送ってもらい、昼はアミィが作った弁当を食べ、夜は一緒に夕食を作る。俺はもうアミィ無しではいられない体になってしまっていた。


 主人とメイド、建前上はそんな関係だけど、実際はもう恋人みたいなもんだ。

 数ヶ月前にアミィと出会った頃にはここまで密な関係になるとは思ってもいなかった。


 俺は、そんなアミィにちょっとした恩返しをしたいと考えていた。いや、恩返しと言うより、先日の罪滅ぼしなのかな?

 具体的な内容は、夏樹ちゃんとマリンちゃんと一緒に食事したときのことを考えていて、思い付いたんだ。


 そんなことを考えながら、俺は食器を洗うアミィをキッチンで眺める。アミィがことごとく食器を割るもんだから、食器は全てプラスチック製か金属製のものになってしまった。


 俺の愛用のマグを割ったときのアミィの慌てようは今思い出しただけも笑いが込み上げる。食器を洗い終えたアミィをリビングに呼び、俺はアミィに話をしてみる。


「アミィ、ちょっといいかな?」


「何でしょうか? ご主人様」


「アミィは、メイド服以外の服が欲しいとか思わないかな? ほら、この夏樹ちゃんとマリンちゃんとで出掛けたとき、ふと思ったんだ」


 そう、マリンちゃんを見て、神が降りてきたんだ。アミィにメイド服以外の服を買ってあげる。これだ、何で今まで思い付かなかったんだろうか。


 海水浴場に行ったときに水着を買ってあげたことはあったけど、アミィだって女の子だ、もっとおしゃれをしたいに決まっているじゃないか。そんな俺の言葉を聞き、アミィが慌てて手をバタバタさせる。


「い、いえ! そ、そんなこと! 考えたこともないです! はい! ありませんありません! ホントですよ! ご主人様!」


 この解りやすい慌てよう。やっぱりアミィも俺と同じようなことを考えてたんだな。どれ、面白そうだから、ちょっとイジワルしてみるか。


「あ、そうなんだ。それならいいんだ。ゴメンな、変なこと聞いて。それじゃあ、今日はもう寝ようか、アミィ。片付け、お疲れ様」


 俺はアッサリと引き下がる。するとアミィはモジモジしながら俺の方をチラチラと見る。


「えっと……あのぉ……ご主人様……私……やっぱり……」


 ここまで俺の予想通りの反応をしてくれるとからかいがいがある。でも、あんまりイジワルするのも可哀想だな。俺はアミィにちょっと大袈裟に笑いかけながら、話しかける。


「ハッハッハッ! ゴメンゴメン、アミィ。アミィだって女の子だもんな。今まで気づいてあげられなかった俺のほうも悪かったよ。よし! それじゃあ、次の休みにアミィの服を買いに行こう! 何でも好きなものを買ってあげるからさ!」


 俺の言葉を聞いたアミィは、少し申し訳なさそうにする。


「でも……やっぱり、悪いですよ……私、ご主人様のメイドですし……それに、メイドがメイド服以外の服を着て歩くのは、変じゃないですか?」


 アミィも食い下がるな。これはもう一押し、俺から言ってあげるか。


「アミィだってこの前見ただろ? マリンちゃんの私服姿。俺は、アミィにもあんな風に普通の女の子みたいに、おしゃれを楽しんで欲しいんだ。それに、前に約束しただろ? 『二人きりのときは遠慮しない』ってさ。俺だって、アミィのかわいい私服姿が見たいんだ。だから、な?」


 俺の言葉に、ようやくアミィも折れた。


「はい、それでは、お願いします、ご主人様! 本当のことを言うと、私もマリンさんみたいな格好、憧れてたんです! お気遣いありがとうございます、ご主人様! やっぱり私、ご主人様のこと、大好きです!」


 そう言って、アミィが俺に抱きついてきた。アミィに抱きつかれる感触は何度味わってもいいもんだ。

 少し膨らんだ胸が押し付けられる感触。もっちりとしたアミィの体全体を感じることができる……堪らねぇぜ。


 いかん、久しぶりに妙な気分なってしまった。俺は煩悩を振り払い、アミィの頭を撫でる。


「よし! そうと決まったらまずは前準備だ!」


 俺はパソコンを立ち上げ、女性用の服を扱っているサイトを表示させる。とりあえず大まかに事前にどんな服がいいか見ておこうって訳だ。


「アミィ、こんなのはどうかな?」


「わあ! いいですね! でも、私の体格では、これはちょっと着られませんね……」


「それじゃあ、これはどうかな?」


「ご、ご主人様! これ、子供服じゃないですか!」


「似合うと思うけどなぁ~ 俺は好きだぞ、何でかは解らないけど」


「ご主人様? 何だか目が変ですよ? どうされたのですか?」


「いや! 何でもないよ! アミィ! いやぁ、危ない危ない……」


 俺達は小一時間ほどネットサーフィンを楽しんだ。初めての経験だけど、それだけでも結構楽しいもんだ。

 一通り方向性を絞り終え、俺達はネットサーフィンを終えた。見た感じなら、予算的にも何とかなりそうだぞ。後は、実際にアミィに試着をさせてから決めるとしよう。


「それじゃあ、そろそろ寝ようか、アミィ」


「そうですね、それでは、お休みなさいませ! ご主人様!」


 俺は、今日ネットサーフィンで見た服を着たアミィを想像しながら眠りについた。まぁ、アミィならどんな服を着てもかわいいに決まってるんだけどな。

 久しぶりの二人きりでのデート。次の休日が楽しみだ。

ここまで読んで頂き有り難うございます!

もし気に入って頂けたら、感想、評価、ブックマーク等宜しくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ