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【旧】アミィ  作者: ゴサク
五章 後輩のメイドは超弩級!?
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久しぶりの高月博士です!

 事故現場の検証が終わり、俺達はようやく解放された。ひっくり返ったタクシーについては口裏を合わせて岩につまずいたことにした。

 さすがにメイドアンドロイドがタクシーをひっくり返したと言っても信じてもらえないだろうからな。


 暴走したアンドロイドについては、あのあと木の下に落下し、その衝撃で機能が停止し、その場で倒れていたのを警察が回収していった。

 これについては、正直にことの顛末を話して、後日紫崎とメリーさんが警察署に出頭するということで落ち着いた。


 俺達は先程の事故の余韻も冷めやらぬ中、喫茶店で気を鎮めていた。皆の顔は、一様にさっきの事故のことを考えて動転している。


「しかしさっきの事故は肝を冷やしたな……」


 いつもやる気の無さそうな紫崎も、さすがに今回の件には参っているようだ。コーヒーを頻繁にすすりながら、顔を青くしている。


「いや、メリーがいてくれなかったらと思うとゾッとしますね。それにしても、メリーの目がハッキリ開いたのは僕も初めて見ましたよ」


 確かに、メリーさんの目が開いたのを見たの初めてだったな。怒った猫のような細い瞳に金色の眼球、あの目で睨まれたら結構怖いぞ。


「先程は助けて戴いてありがとうこざいました、メリーさん」


 アミィはメリーさんに助けてもらったお礼をする。あんなことがあったもんだから、やっぱりアミィのテンションはいつもよりやや低めだ。


「実はわたしも無我夢中だったので、さっきのことはよく覚えてないんですよねぇ~ あの時はとにかくアミィちゃんを守らなきゃって思って……」


 それに比べて、メリーさんはいつも通りのほわんとした物言い。肝が座っているというか、何も考えていないというか。


「さて、ちょっとは落ち着いてきたかな? それじゃあ紫崎君とメリーさんに話しておきたい事があるんだけど」


 俺はメリーさんに感染しているであろうウイルスについてかいつまんで話した。紫崎もメリーさんも大まかな内容については解ってくれたようだ。


「まぁ、現状問題が無いようであればそこまで深刻に考える必要は無さそうですね。とはいえ、さっきみたいなことが頻繁に起きるようだとそれはそれで困るんですけど」


「わたしは、これから先坊っちゃんを強く抱き締め過ぎないか不安ですねぇ~」


「だから抱き締めなくていいってのに! それよりメリー! 今後は仮に今日みたいなことがあってもあんまりやりすぎるなよ! 何度も警察の厄介になるのは御免だからな!」


「それはそのときの状況次第ですが、坊っちゃんがそう言うのであれば気を付けますねぇ~」


 よし、このやり取りの様子なら紫崎も何とか大丈夫そうだ。どうやら、メリーさんの癒し系オーラは伝染するらしいな。


「悪いんだけどメリーさん、ちょっとしゃがんでくれないかな? さっき説明したウイルスの不活性化の為の処置をするからさ」


「はいは~い」


 俺はメリーさんの首の後ろにチップを差し込んだ。よし、これでひとまずはメリーさんについては大丈夫だろう。


「もし何か問題があったら連絡をくれよ、俺から高月博士に連絡してみるから」


「しかし、先輩も凄い知り合いが居たもんですね……」


「まぁ、色々あってね。それじゃあ今日の所はこれでお開きかな?」


「そうですね、さすがに今日は疲れました。まぁこれからも時間が合えばメリーの相手してやって下さいよ」


「次の機会には昌也も連れてきたい所なんだけどね。ちなみに紫崎君は昌也のことはどう思ってるのかな?」


 紫崎は目を閉じて、あごに指を当てながら答える。


「そうですねぇ、ちゃらんぽらんな感じの人ですけど悪い人じゃなさそうですよね。機会があったらゆっくり話してみたいです」


 なるほど、特段嫌われている訳でもなさそうだな。これなら何かしらきっかけさえあれば問題なさそうだぞ。


「それじゃあ昌也には上手く伝えておくよ」


「お願いします」


「それじゃあ、また会社で」


「今日はお食事を奢って頂きありがとうございました! 紫崎さん!」


「いやいや、その分先輩に返してもらうからね」


「それじゃあ、また遊びましょうね? アミィちゃん♥️」


 俺達はそれぞれ自宅への帰路についた。紫崎も言っていたけど、何だかどっと疲れてしまったな。


 …………


「ただいま~」


 俺達は部屋に戻ってきた。気疲れもあったので、今日の夕飯は弁当にした。


「さて、今週はどうかな……よし、大丈夫みたいだな」


 俺はメールチェックを済ませ、アミィに話しかける。


「アミィ、明日は高月博士の所に行くよ」


「久しぶりですね……今回、高月博士のところに行くのは、もちろん例の件のためですよね?」


「あぁ、これでもっとアミィの今の状況が詳しく解るかもしれない。それと、これから二人で平穏に暮らしていける方法もな」


 俺はアミィが夢を見た日に、高月博士に連絡を取っていた。日程がなかなか合わなかったのだが、ようやく調整が上手くいったみたいだ。

 アミィの夢の話。ひいては紅い髪の女性の話。謎は深まるばかりだけど、明日に望みをかけて、今日は晩飯を早々と済ませて早く休むことにした。

ここまで読んで頂き有り難うございます!

もし気に入って頂けたら、感想、評価、ブックマーク等宜しくお願い致します!

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