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【旧】アミィ  作者: ゴサク
三章 双子の人魚姫
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「姉妹」です!

「私、一人っ子だったんですよ。両親に『私も姉妹が欲しい!』って我が儘ばかり言ってたらしいんです。私は晩年で生まれた子供だったので両親には迷惑をかけたと思っています。それを見かねた両親が私にメイドアンドロイドを買ってくれたんですよ。それが、マリンちゃんです。両親が私に似せてメイドアンドロイドをオーダーしたんです」


 マリンちゃんは夏樹ちゃんの話を聞き、指で頬を掻きながら照れ臭そうに笑っている。

 

「それからはず~っとマリンちゃんにベッタリで育ってきました。マリンちゃんと初めて会った時、私は六歳だったから、その時はお姉ちゃんが出来たみたいで嬉しかったなぁ……」


 夏樹ちゃんは何だか遠くを見るように目を細める。昔を懐かしむ夏樹ちゃんのその顔は、何だかとても幸せそうだ。


「それから数年後に両親が他界してからは、マリンちゃんと二人で助け合ってきました。たまに妙な目で見られることもありましたが、私達は、本当の姉妹です。誰が何と言おうと、それは間違いありません」


 夏樹ちゃんはマリンちゃんの方を向いて、イタズラっぽく笑いながら言った。


「もうマリンちゃんの背も追い抜いちゃったね、今では私がお姉ちゃん……かな?」


「そんな事ないよ! 今でも私がお姉ちゃん!」


 マリンちゃんは夏樹ちゃんの冗談を、手をブンブン振りながら否定する。

 やっぱりさっきの話だと、マリンちゃんがお姉ちゃんということになるのかな。


「ハハハ……」


 確かに傍目から見れば夏樹ちゃんの方がお姉ちゃんに見えるな。しかし夏樹ちゃん、強い()だな。


「これが私達が似ている理由です、面白い話ではなかったでしょう?」


 夏樹ちゃんは微笑みながら俺達に言った。そんな夏樹ちゃんに俺と昌也は軽く弁解する。


「いや、そんなことないよ。それより、昌也が妙な事を聞いて悪かったね」


「あぁ、ホント悪かったよ、ゴメンな、夏樹ちゃん」


「いえ、お気になさらずに」


 アミィは夏樹ちゃんとマリンちゃんを交互に見ながら、何だか感心するように息を吐いた。


「それで夏樹さんとマリンさんはそんなに仲が良いのですね……何だか、いいものですね、姉妹って」


「ふう……」


 キッカさんはあまり興味がなさそうに呆けていた。まぁキッカさんの性格からすれば仕方ないか。


「それはそうとマリンちゃん、あなた、のどを痛めてるでしょ?」


 夏樹ちゃんが真剣な表情でマリンちゃんを見つめながら、ハッキリとした声でマリンちゃんに指摘する。


「!!」


 夏樹ちゃんからのいきなりの指摘に、マリンちゃんは目を見開いて驚いている。


「何で解ったの……? 夏樹ちゃん……!」


 夏樹ちゃんは呆れた表情を浮かべながらマリンちゃんに語りかける。


「何年姉妹でアイドルやってると思ってるの。それに、いつもより口数も少ないみたいだし。とにかく、私もこんな状態だから今の内に直してきなさい」


「あ、ちょっといいかな? その事なんだけど、夏樹ちゃんに話しておかないといけないことがあるんだ」


 俺はライブ会場であった出来事とマリンちゃんの現状について話した。もちろんウイルスの件についても包み隠さず話した。

 変に取り繕うとこれからの提案に支障が出るからだ。現状マリンちゃんが感染しているかは不明だけど、周囲の状況から考えてまずクロだろう。


「そんな……マリンちゃん……!」


 夏樹ちゃんは口を手で覆って涙を浮かべている。それはそうだろう、大切なお姉ちゃんがそんな恐ろしいことになっているのだから、この反応は仕方ない。


「夏樹ちゃん……!」


 マリンちゃんも夏樹ちゃんに寄り添いながら涙を浮かべている。何だか話し出しづらい空気だけどそうも言っていられない。


「あの、二人とも、ちょっと提案なんだけど、念のため一度高月博士に診てもわないかい? 俺、ちょっと色々あって高月博士と知り合いなんだよ。実はキッカさんもマリンちゃんと同じようなことになって、一度診てもらっているんだ」


「高月博士って、メイドアンドロイドを設計した方ですよね? 響さん、そのような人脈をもっていらっしゃるんですね……」


「高月博士って、すっごい人なんでしょ? 何せ私を作った人なんだから間違いないよね。私、会ってみたいかも!」


 俺の提案に、夏樹ちゃんとマリンちゃんは驚いている。やっぱり高月博士の名前を出すとこうなるよな。


「どうかな? 夏樹ちゃん、これが今できる最善の対処法だと思うけど」


 俺の提案に、夏樹ちゃんは二つ返事で了承した。


「解りました。行きましょう、高月博士のところに。マリンちゃんもいいよね?」


「もちろん! 診てもらうのを抜きにしても、高月博士がどんな人か興味あるし! 行こう行こう!」


「解った、それじゃあ俺もついていくよ。昌也はどうする?」


「俺も行く行く! 高月博士に聞きたいことあるし! キッカさんも付いてきてくれるよな?」


「私は特に用事もないのですが、ご主人がそうおっしゃるなら、その様に」


「よし、それじゃあ決まりだな!」


 俺が早速病室から出ようとすると、マリンちゃんが何か思い出したように夏樹ちゃんに話しかける。


「あ、でも、夏樹ちゃん。お仕事の方は大丈夫かな? 確か、直近にサイン会の予定が入ってたはずだけど」


「大丈夫、碓井さんなら解ってくれるよ。それに私もこんなだし、お仕事は碓井さんに言って予定を組み直してもらうよ」


「それじゃあ、俺は早速高月博士に連絡してみるよ」


「私もマネージャーに連絡してみます」


 俺達は連絡先を交換し、病室を出て日程の調整をすべくそれぞれの相手へ連絡した。

 また高月博士には迷惑をかけてしまうけど、頼れるのは高月博士だけだから仕方ないよな。

ここまで読んで頂き有り難うございます!

もし気に入って頂けたら、感想、評価、ブックマーク等宜しくお願い致します!

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