はじめまして! アミィです!
この度は私の小説にアクセス戴き、誠にありがとうございます( ´∀`)
素人なので内容に粗が目立つかとは思いますが、お時間がございましたら、ひとまず話の区切りがつく7話までお付き合い戴ければ幸いです(´ω`)
それでは、どうぞお楽しみくださいm(*-ω-)m
『アンドロイド』。それは、俺達人間のように思考し、その思考を元に自ら行動することができる人造機械生命体。
もちろん、まったく人間と同じって訳にはいかないけれど、意志疎通なんかはもちろん問題ないし、なんならアンドロイド独自の価値観に、人間が学ぶ点も多い。
そんな背景もあって、今となってはアンドロイドはあらゆる分野、あらゆる場所で人間と肩を並べて存在し、人間と共に生活を営んでいる。
見た目だって、建築や土木作業に従事するような、大型のアンドロイドを除けば、パッと見では人間とアンドロイドの区別がつかないほどだ。
それに、これも人間とまったく同じとはいかないにしても、アンドロイドにも日常生活におけるあらゆる権利が保証されていて、その権利の行使は、アンドロイド本人の意思に委ねられている。
とはいえ、『アンドロイドとは、人間に対する奉仕者である』なんて名目上、どうしても主従関係はついて回るけど、基本的にはアンドロイドの不始末は持ち主が精算しなければいけない都合上、アンドロイドを粗雑に扱うことはなんのメリットもないのだ。
ごくごく一部の人間は、アンドロイドを消耗品のように考えていたりするらしいけど、今の時代、そんなことをおおっぴらに言おうものなら、それこそ世間から白い目で見られるような世の中だ。
ここまで来たら、アンドロイドはもはや『第二の人類』と言ってしまってもいいだろう。人とアンドロイド、長所と短所を補いながら持ちつ持たれつってわけ。
そんななか、最近、ちまたではとある新型の家事全般特化型の女性型アンドロイド、通称『メイドアンドロイド』とやらの普及が進んでおり、街を歩けば、ヒラヒラのメイド服をまとったアンドロイドをよく見かけるようになった。
そんな光景を毎日のように見てしまうと、メイドさんガチ勢の俺としては眼福な反面、やっぱり『自分もメイドさんにご奉仕してもらいたい』という欲求を抑えられなかった。
遠い昔に存在し、機械の発展と共に廃れてしまった『メイド』という職業。古い漫画やアニメでしかお目にかかれなかった俺の憧れが、時を経てこの時代に顕現したのだ。
そんなわけで、俺はついにメイドアンドロイドを購入することを決心したのだ。もちろん安い買い物じゃなかったけれど、どうせ独り身で趣味もたいして無いし、貯金も無いことはないから、思いきってローンを組んで買ってしまった。
アンドロイドである以上デザインや声、体格に至るまで自由自在、特に、愛玩的な側面が強いメイドアンドロイドの拡張性は、他の目的で雇用されるアンドロイドとは一線を画す。
もちろん、俺も自分の欲望のまま、予算の許す限りカスタムしまくった。自分好みのメイドさんにあれやこれやお世話してもらえるなんて、本当にいい時代になったものだ。
そんなこんなで、バッチリメイドアンドロイドの注文を済ませ、あれこれ妄想しながら日々を過ごし、ついに今日という日を迎えたってわけよ。
メイドさんの到着予定時刻は今日の15時。現在時刻、15時38分53秒。あまりに待ち遠しくて、俺は玄関で正座待機中。正直、30分近く正座している自分を疑問視もしたけど、ここまで来たならこのまま待機だ。
そして、いよいよその時がやってきた。玄関の外からチャイムの音がし、そのすぐ後になにやらゴトゴトと音がした。
ようやく来たかと、俺は勢い良く立ち上がろうとした。が、俺の足は思った通りに動くことはなかった。
「ぐわぁああ!!」
まさかの事態、いや、違うな。これは必然の事態、慣れない正座なんかをしたもんだから、足がしびれてその場で悶えながらすっ転んでしまった。
何をやってるんだ、俺。早く、宅配員が不在票をぶちこむ前に立ち上がらなくては。まあ、こんなにドタバタしておいて不在もなにもないもんだけどさ。
何とか小鹿の様に立ち上がった俺は、足に力が入るのを確認して、部屋のドアを開け、宅配員から結構なサイズの荷物を受け取った。
やや足をプルプルさせている俺を、配達員は怪訝そうな目で見ていたけど、これからのことを考えればそんなことはどうでもよかった。
…………
俺は縦長の大きな段ボールを、バランスを崩さないようにリビングまで運び、ゆっくりと床に置いた。よし、これからはお楽しみの時間だ。
「さて、それでは、これより開封の儀に入ります」
俺は自分しかいない部屋で、特に意味のない宣言をしながら、段ボールを継ぎ目に合わせてカッターナイフを入れる。
当然、中のメイドさんを傷付けないように、慎重に、慎重に、慎重に。そして、ついやってきたメイドさんとのご対面の時、俺のテンションはかつてない程高まっていた。
そして、キレイに切断された段ボールを観音開きにする。すると、そこには真っ白な緩衝材に包まれた少女型のメイドアンドロイドが横たわっていた。その姿はまるで純白の雪の中で静かに眠っているようだ。
「……ビューティフル」
無意識に声が出た。それほどまでにそのメイドさんの姿は俺の心を鷲掴みにした。そのメイドアンドロイドは、おかっぱ頭で髪は艶やかな青色。
その透き通るような青はまさに地中海のオーシャンブルーだ。実際、メイドさんの髪の毛はグラスファイバー製だからやや透明感がある。
メイドさんといえばおかっぱ頭、これだけは譲れない。これは昔読んだ漫画の影響が強くって、俺のなかではもはやメイドさんとおかっぱ頭はイコールだ。
身長は140センチ程のちっちゃいメイドさんだ。サイズ的には目一杯小さい素体をカタログから選んだ。しかし、開発者も需要というものを解っているもんだと感心するな。
『ちっちゃいことはいいことだ』
唐突だけど、これは俺の人生哲学。誰にも曲げることはできない俺の生き方であり信条だ。
『大は小を兼ねる』なんて言うけれど、そんなことはない。小さいからこそ素晴らしいものは間違いなく存在する。
さて、ここで断っておきたいのが、俺はいわゆるロリコンであり、それを自分でよく解っているということだ。
ロリコンは何も恥じることじゃない、要は肝心なところで自制ができるかの問題だ。
まあ、それはそれとしてだ。俺はメイドさんの顔に釘付けにされていた視線を下に向かってスライドさせる。
その肌は、段ボールに詰まっている緩衝材に負けないほど白く、そのきめ細かさといったらまるで眠りに落ちた白雪姫。触ったら雪のように溶けてしまいそうだ。
服はもちろん王道を往くクラシカルなメイド服。メイド服といえばこれ一択だ。最近は様々なアレンジを加えたメイド服があるようだけど、俺に言わせればあんなものは邪道だ。シンプルイズベスト、素晴らしい言葉だと思う。
これぞ、まさに、俺の理想のメイドさん。カスタムはパソコン上でアレンジしたから少し不安もあったけど、俺の好みそのまんまだ。
嗚呼、有無を言わさず今すぐ抱きつきたい。このサラサラの髪を優しくなで回したい。なんならそのまま昇天してもいい。
しかし、それは正しきロリコンの姿ではない。ロリコン界には『イエス・ロリコン・ノー・タッチ』というソース不明の鉄の掟が存在するのだ。
俺は逸る気持ちを抑えながら、緩衝材の上に置かれた取扱い説明書を広げる。とにかく、まずは起動をしないとお話にならない。俺はそのまま取扱い説明書をパラパラとめくる。
「え~っと、取り敢えず、起動はっと……」
取扱い説明書をめくり始めてほんの数ページ、一番始めにやることなだけに、すぐに目当ての記述を見つた。
『起動スイッチは胸のみぞおちにありますので、ご主人様の手で目覚めさせてあげてください。もちろん、スイッチを押す際は優しく、ですよ!』
ほう、この客層を見据えた記述、なかなかやりおるな。それにしても、いきなりメイドさんの腹部をまさぐるのはちょっと気がとがめるな。しかし、ここで引いちゃあ男じゃあない!
さっき俺は『イエス・ロリコン・ノー・タッチ』とキッパリ言ったばかりなのに……スマン、ありゃ嘘だった。人生にはやむを得ない場合もあるってもんだ、切り替えていこう。
「それでは、御免!」
俺はメイドさんの胸元をまさぐるためにメイドさんに歩み寄る。やましい気持ちはない、これは仕方のないことなんだ。もう一度自分に言い聞かせる。やましい気持ちは、ないんだ。
俺がメイドさんに顔を近づけると、ほのかにバニラとミントを混ぜたような清涼感溢れる香りがした。そして、まさぐる手からはもっちりとしつつ、すべすべとした手触りを感じることができた。
それにしても、アンドロイドとはいえ、ここまで女の子の近くに顔を近づける機会なんて無かったし、ましてや服の下をまさぐるなんて生まれて初めてなもんだから、新鮮な感覚にちょっと戸惑ってしまうな。
ちなみにメイドさんのスリーサイズはバスト72、ウエスト52、ヒップ77。この数字の出展については、あまりにマニアックだからここでは伏せる。
スリーサイズってのは何もデカければいいってもんじゃない。いや、むしろ小さいからこそ感じることが出来る『侘び』の精神って奴があるってもんだ。
そして俺は起動スイッチを説明書通りに優しく押下する。すると、甲高い起動音と共に、メイドさんが目をゆっくりと見開いた。
俺の目に写るのは、深いブルーをたたえたくりくりおめめ、その輝きはまさにサファイア…… 嗚呼、堪らんぜよ。
「よいっしょっと!」
開口一番、メイドさんはそう言って、段ボールから体を起こし、二本足で立ち上がり、体に付着した緩衝材を払い終え、こちらを向いてニッコリと笑いながら言葉を発した。
「はじめまして! ご主人様! 私は『MID-0796型 アミィ』と申します!」
メイドさんの淡いピンク色の唇から発せられるその声は、大量のサンプルボイスから選び抜いた、甘えるようなソプラノボイス。
これからは、この声で毎朝起こしてもらえるのと考えるだけで耳が幸せでとろけてしまいそうだ。
「ご主人様のお名前を入力してください!」
「俺の名前は響 恭平!! よろしく!!」
俺はメイドさんから促された通りに名を名乗る。これで俺は正式に『ご主人様』になった訳だ。
「はいっ! これにて正式にユーザー登録完了しましたっ! これから末長く宜しくお願い致しますっ! ご主人様っ!」
これが、俺と『一人目』のアミィとのファーストコンタクト。主人とメイドとしての契約を結んだ瞬間。
さあ、今日が俺の人生の再スタートだ。俺は目の前に笑顔で立つアミィを眺めながら、これから始まるアミィとの共同生活に希望を膨らませた。
ここまで読んで頂き有り難うございます!
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