7話 神の誓い
『さて次はっと。セラルンダへの招待券を一部の人達に配らせてもらってるよ』
この赤い携帯か。
『正解、それが僕からの招待状だよ。受け取った人たちはそこに詳しいことが書いてあるから、後でじっくり読んでおいてね』
着信?
このメールがそれか。
『えーと、あんまりしょうもないこと考えない方がいいかな。色々思惑があるのは構わないけど、僕の気にさわるようなことを考えちゃった人達、次はないよ』
?
『さて、招待状が届かなかったみんなにもプレゼントだ。いま皆の手元に端末を送ったよ。それはセラルンダと一部だけど接触できる、とっても便利な道具だよ』
一部?
『そう、一部。セラルンダに来ることは出来ないけど、セラルンダの物品購入ができちゃうよ。早速画面を開いてみてよ。そうそう、先に招待状をもらったみんなも同じことが出来るから、みんなも画面を見てみてよ』
傷薬壱型に毒消し壱型?
『その二つはセラルンダの基本的な治療薬。怪我や傷なら傷薬、毒物にウイルスや感染症なんかの症状には毒消しが有効だよ。しかもどっちも一ビン飲むだけのお手軽治療』
……。
『そうそう、購入してくれた人からは自動でお金を徴収するから、支払い方法とかは気にしないで。入金が確認できたら、商品は頼んでくれた人の元に即時配送するよ』
随分便利なネットショッピングだな。
『早速使ってくれてる人がいるみたいだね。どうだい? なかなか便利だろ?』
もう試すやつがいるのか。
『それと購入できる数は基本的に一つだけだよ。もちろん使った後は再度購入出来るから安心して。あとは買ったものは誰にも譲渡出来ないから気をつけてね』
転売や盗難、それらにかかわりそうなトラブルへの対策は完璧ってことか。
『端末はまだそれくらいしかできないけど、これからどんどん機能が増えていくから、楽しみにしててね』
これだけでも大変なことになりそうだがな。
『さて、ここらが本題だ』
まだあるのか。
『さっきの薬、壱型ってあったでしょ。さらに効果の高い弐型、参型っていう上位のものがあるんだよ』
画面には壱型の薬二種類しかないがな。
『そう、じゃあそれらの商品はどこにあるのかっていうと僕の領土、セラルンダにあるのさ。もちろんそれ以外にも面白いものがたくさんあるよ』
おいおい、まさか俺達が集めろってことか?
『そういうこと。招待状を受け取ったみんなの活躍が、端末の商品を増やすことになるんだ』
……。
『まあ、それはセラルンダでやれることの一端でしかないけどね。言ったでしょ、この先を見てみたいか?ってさ』
確かに言っていたな。
『招待状を受け取ったみんな、セラルンダは未知と混沌が溢れているよ。時代なんていう勝手な屁理屈で、抑圧された希望も欲望も全て受け入れてくれるずだ』
まるでブラック企業の誘い文句だな。
『あはは、安心してよ。みんなの努力や時間そして命を二束三文で吸い上げるような、くそったれなことは絶対にしない。神が誓うよ』
神の誓いか。
重いのか軽いのか。
『売れるものをどんどん売換金して現実世界でお金持ちになるもよし、新しい街を作るもよし、国を乗っ取って権力者になるもよし、未知の生物を探し求めるもよし、何をするかは君たちが選んでよ』
それがあの戦いの先の世界か。
『ここに来たい人は招待状の入国を選んでみてね。もちろん出入りは自由だから安心して。それじゃあ未知と混沌を大いに楽しんでねぇー』