6話 異変
いつもの天井だな。
しかし、えらく疲れる夢だった。
とりあえず携帯の目覚ましを……なぜ携帯が二台ある?
こっちの黒いのは俺の携帯。
もう一台の赤いのは?
赤い携帯が鳴ってるな。
画面になにかが……。
なにかの動画か?
こいつは……。
『やあ、みんな。昨晩はゆっくり眠れたかな』
自称神。
どうやらただの夢ではなかったようだな。
『みんなの手元にある見慣れない携帯は、僕からの贈り物だよ。これからの世界でとっても役に立つ道具だから大切にね。まあ、壊そうと思っても壊せないと思うけどね』
これからの世界?
どういうことだ?
『あ、そうそう。普通の携帯と同じようにも使えるから、アプリや電話帳なんかのデータを移しておくといいよ。壊れない、盗まれない、失くさないとセキュリティ抜群だからオススメだよ』
そんなことはどうでもいい。
これからの世界ってのはなんだ?
『せっかちな人が何人もいそうだから話を進めようか。でも、ここからはこの世界の人達にも聞いてほしいから、ちょっとまってね』
この世界?
一体何をするつもりだ?
『よし、これでいいかな』
テレビとPCの電源が勝手に?
『おはよう、地球の皆さん。ああ、場所によっては今日はとか今晩はかな』
自称神。
ディスプレイだけじゃ飽きたらず窓にまで。
ここまでやれるってことは、地球の皆さんってのもあながち嘘じゃないのか?
使ってるのは日本語だけどな。
『ああ、心配ご無用。言語の違いなんて僕には問題にもならないから』
ああ、そうかよ。
流石だな自称神。
『さてさて。いきなりこんな挨拶とか、みんなビックリしてるかな? でもねこれからもっとビックリしてもらうからね』
前置きはもういい。
話の続きを。
『はあ、本当にせっかちな人がいるね。もう少し情緒とかを楽しめばいいのに』
また、別の機会にな。
『はあ、まあいいや。おしゃべりしてる間に準備完了』
地震?
『うーん、ちょっと揺れちゃったか。まあ、島一つ増やしてあれくらいなら問題ないでしょ?』
島?
『さて、いま僕の治める世界、セラルンダの一部をこの世界に出現させたよ。領海侵犯も領空侵犯も、まあ覗き見くらいなら放っておくけど、あんまり調子にのってると許さないよ。その時は容赦なく大元から叩き潰すからね』
さらっと物騒だな。
しかし、島か。
また、厄介なことを。
『厄介なのはこっちの世界の人達。それも上の方でワイワイやる人たちだけでしょ。そういうのが好きな人たちで勝手にやるといいよ。僕には関係ないことだしね』
はあ、まあその通りか。
勝手にやってくれって感じだな。