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29話 氷姫と雷姫

 今度は氷の人と雷の人。


「ちょっと、なにごとですの!?」


「あの二人になにがおこった?」


 ああ、あの炎の竜巻か。

 あれはたしかに少々派手だな。


 とりあえずは氷の人か。

 そろそろ限界みたいだし。


「援護します」


「なにごとですの? それよりもそんなに私に近づくと危険ですわよ!」


「お気になさらず、魔獣に集中してください」


「いわれなくても!」


 氷の人は魔法を使おうとすると体中から魔力が溢れ出ている。

 炎の人と違って無意識に開いている経路がたくさんあるのか?

 溢れ出る魔力が強烈な冷気を纏っているせいで周囲のものをすべて凍らせている。


 それは氷の人自身も例外ではない。

 自分を自分の冷気から守りながら戦うというのは、器用なのか不器用なのか。

 あふれ出る魔力に自分を守る魔力、そして魔法の魔力。


 消費する魔力が尋常じゃないな。

 そして魔力が切れると自分が凍結するか。


 それならば。


 ヤカン3

 冷気を吸い上げろ!


「え? 冷気が消えた?」


「魔法に集中を!」


 ヤカン3

 吸った冷気を魔力に変換。

 氷の人に再補填!


「な!? 魔力が!」


 成功した?

 吸ったものを再補填もできるのか。

 ヤカン拳法何でもありだな。


「あなたは一体?」


「お話は後です! あなたの憂いはこちらで引き受けます、存分に暴れてください」


「なんだかわかりませんが、確かにこれなら」


 氷の拳?

 あのデカ物が吹っ飛ぶとは。

 氷の人も攻撃に集中すると威力が全然違うな。


「素晴らしい! すばらしいでわぁ!」


 次は雷の人か。


「喰らえ」


 雷の人はとにかく放出する魔力が荒れてるな。

 これを制御するのにかなりの集中力と魔力を消費している。

 しかしこの荒れる魔力を制御しきってる雷の人、魔力の扱いは天才的だな。


 ただやはり魔力の消耗は大きいな。

 そして集中力が切れた時に荒れる魔力が自分をも襲うってことか。


 だったら!


 ヤカン4

 彼女の魔法制御に補助を!


「何、これ?」


 魔力の動きから発動方向を読み取って自動で補助か。

 もう何でもありだな。


「制御はこちらで請け負います。攻撃に集中を!」


「あなたは?」


「後で説明します、今は!」


「ん、確かに」


 な!

 落雷!?

 魔獣が黒焦げに。


「すごい」


 こっちの二人も攻撃に集中すると凄まじいな。


「無駄無駄無駄、何度起き上がっても無駄ですわ!」


「消し飛べ!」


 ……。


「のう、ロクサブロウ」


「なんですか、ルンダルナ先生」


「あの魔獣は、何度息絶えているんじゃろうな?」


「さあ?」


 少なくとも黒焦げになったときは確実にそうだろうし。

 もしかしたら拳の連撃でも何度かありそうだな。


「魔核を破壊されるまで再生し続けるというのも、それはそれで大変じゃな」


「そうですね。まあ私たちも何度でも教会で生き返りますし、同じようなものかと」


「じゃが妾達は、生き返ると同時に殴られたり雷撃で黒焦げになったりはしないのじゃ」


「神父様たちに感謝ですね」


 ……。


「それで、何時止めるのじゃあれは」


「さあ? 彼女たちが疲れるまでは止まらないのでは? 私にはあの中に入って止めるのは無理ですよ」


「妾も無理じゃな」


「とりあえず勝ちは確定かと」


「じゃな」


 まあ、勝てば官軍ということで。

 周囲の被害は目つぶってもらえるといいかな?

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