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27話 踊らにゃそんそん

 まずは竜だな。

 出てこい!


 ……。

 …………。

 出てこないな?


「ロクサブロウどうしたのじゃ」


「いえ、使い魔を呼ぼうとしたのですが」


「ふむ、お主、使い魔に名前はつけたのか?」


 名前?


「どうやらつけていないようじゃな」


「名前がないと呼び出せないものなのですか?」


「うむ、なぜかは知らんが、名前をつけてやらぬ限り、使い魔を呼び出すことはできぬのじゃ」


 なるほど。

 名前、名前か。

 よし、決めた。


「こい、茂助!」


「おわおおおお。ロクサブロウ、いきなり呼び出すでない。心臓に悪いのじゃ!」


 こっちの世界でも心臓なのか。

 そういえば体のパーツの呼び名は普通に一緒だな。

 よくよく考えると、色々な物の呼び名も一緒だ。


「ロクサブロウ」


 いや、確か自称神が自動で翻訳されていると言っていた。

 ならばそう聞こえるだけで、違う発音をしているのか?

 翻訳できない言葉が出てきたときが楽しみだな。


「ロクサブロウ、集中するのじゃ!」


 そうだな。

 今はそれどころではなかったな。


「この状況で上の空でいられるとはの。どんな精神をしとるんじゃ」


 確かに。

 全く恐怖も焦りもないのは不思議な感じだな。


 ん?


「どうした茂助? そんなに顔を擦り付けられると、ルンダルナ先生が落ちてしまうぞ」


「本当じゃ、こんな高さから落ちたら死んでしまうのじゃ」


「いや、ルンダルナ先生。あなたも教会送りになるだけでしょう」


「それでも怖いし、痛いのは嫌なのじゃ」


 それもそうだな。

 っと、いつまでも遊んでいられないか。


「茂助、あの巨大な魔獣一体はお前に任せる」


「あの巨体でなんという速度じゃ。無茶苦茶な」


 もう巨大魔獣に取り付いたか。

 あれだけの巨体なのに動きが早いな茂助。


 ……。

 巨大魔獣と竜の取っ組みあいか。

 まるで怪獣映画だな。


「ロクサブロウ、後の三体はどうするつもりじゃ?」


「一体はこちらが押しているようなので、取りあえず放置します」


「ふむ、では後の2体の所へいくのか? しかし、お主一人で何をする?」


「それは見てのお楽しみという事で」


「なにか勝算がありそうじゃの」


「あくまでも可能性でしかありませんが」



 右の魔獣には炎の人と風の人。

 左の魔獣には氷の人と雷の人。

 遠方からの確認だが彼女達のお陰で戦線が持ちこたえている。


 あの四人の力。

 うまく支援できれば、あの程度の魔獣なら乗り越えられるはず。


 !?


 なぜそんなことが言える?

 だが、確かに倒せるという確信がある。

 これも茂助を取り込んだ影響なのか?


「どうしたのじゃ、ロクサブロウ」


「いえ、自分の思考が自分のものでないようで」


「どうやらあの竜は頭もいいようじゃな。あれだけの力に頭脳とは」


『後は君の資質もあるけどね』


 自称神!?


『ああ、忙しそうだがら一言だけ。今の君の状態は特に問題がある訳じゃないから安心してよ。ただ君の使い魔と君が凄く相性が良かっただけのボーナスみたいなものだよ』


 一言が長い。


『あはは。まあそういうことだから、遠慮なく暴れるといいよ。同じ阿呆なら踊らにゃそんそん、だよ』


「ロクサブロウ!」


「申し訳ありません、ルンダルナ先生。少々雑音が聞こえただけです」


「は?」


「それでは、阿呆同士躍りにいきましょう!」

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