21話 クラスメイト
「さあ、皆のもの。今日も楽しい魔法の授業じゃ」
……。
毎日魔法の講義なんだが。
まあ、ベースが魔法なだけで、所々に複数の要素がはいっているようだが。
「レガレス先生」
「なんじゃ」
「毎日魔法の講義ですが、魔法以外の事は学ばなくてもよろしいのでしょうか?」
あの犬耳の男の子、いつも斬り込んでいくな。
「よいのじゃ」
「ですが」
「そもそも妾は魔法しか知らんからな」
「それでは他の戦い方は」
「しらん」
「そんな! それじゃあ、斧しか使えない僕は」
「学ぶべきことは教えているのじゃ、少しは頭を使え」
……。
あんたはブラック企業の教育係や上司かよ。
「ルンダルナ先生」
「なんじゃロクサブロウ」
「今の話は、例えば昨日の授業での、魔獣1体に対しての複数人での戦闘のお話の事でしょうか?」
「その通りじゃ。確かに妾は魔法の話しかしていないが、その際に他の要素を持つもの達の動きも説明したはずじゃ」
「私のような初心者ではその要素という部分がまだ理解しきれていないので、教えていたできたいのですが」
「なんじゃ?」
「先ほど彼が言っていた斧というのは、昨日のお話だと、どの位置にいる方に近い動きになるのでしょうか?」
「そうじゃなぁ。あの時の戦場であれば、あの大剣バカの動きじゃな」
大剣バカ?
誰の事だ?
「大剣ということは……ジョナクリスファー様ですね。わかりました、ありがとうございます!」
ジョナなんとかさんも有名なのか?
だが大剣バカで理解されるとは。
良くも悪くも有名ということなのかもしれないな。
「あなたも、えーと」
「ロクサブロウ・タザといいます、どうぞよろしくお願いいたします」
「あ、えっと、ぼ、僕はシルシル・ワスタナンといいます。ありがとうございますタザさん」
「いえ、気にしないでくださいワスタナンさん」
こういう人とのやり取りはなれてるしな。
しかし、ルンダルナ先生は、あまりものを教えるのに向いていない気がするが。
この人の元で、何かに挫折する人が出ていないことを祈るばかりだな。
「いえ、本当に助かりました! それと僕のことはシルシルと呼んで呼んでください」
「わかりました、シルシルさん。私もロクサブロウで構いませんよ」
「……」
?
「その、出来ればシルシルと」
は?
「……」
はぁ。
「わかりました、シルシル。これからもよろしくお願いいたします」
「はい!」
「うむうむ、よきかなよきかな」
……。
ヤカン。
「おべ」
「せ、先生!?」
「またあのヤカンか! 妾に喧嘩を売るとはいい度胸じゃ!」
ヤカン
「うべ。妖精なのか精霊なのか知らんが、もう勘弁ならんのじゃ!」
ヤカン
「ふん、そうなんども」
ヤカン、ヤカン
「な、一体いく、ぶぼ、ぶばぁ!!」
「せんせーい!」




