1話 神との遭遇
色々あって勢いで書きました。
反省はしていません。
朝、朝か。
朝!?
今何時だ?
目覚ましは!?
携帯は?
ってここはどこだ?
俺の部屋じゃない。
「やあ、おはよう。佗坐六三郎君」
!?
「うんうん、まあ普通は警戒するよね」
なんだこいつは?
なぜ俺の部屋に?
いや、ここは俺の部屋じゃないな。
くそ、わけがわからん。
「混乱してるとこ悪いけど、そろそろ落ち着いてほしいかな。他の人の所にも行かなきゃいけないからね」
落ち着けと言われてもな。
落ち着ける状況ではないな。
「そうかい? 君が思っているほど君は混乱していないよ」
……。
「というか君、それやめなよ」
「は?」
「普通はこうだろうっていう形に自分を合わせること」
!
「君、最初からそんなに混乱していないでしょ?」
!?
「目覚めて直ぐに周囲を確認していたし、自分の部屋じゃないことを認識して、すぐさまどうすればいいか考えていたでしょ?」
な。
「携帯も時間も本当は二の次だったんじゃない?」
「……」
「個性を求められながら、違いを見せて目立つことが許されない、なんていう面倒くさい時代に生きてるんだし、しょうがないのかな?」
「……」
「どう? 落ち着いた?」
「ええ、お陰様で」
「うんうん、能ある鷹はってやつだね。大丈夫、今こそ、その爪を見せる時間だよ」
どう言うことだ?
「うーん、時間もないし話を進めようか。君なら大丈夫だよ」
根拠のない買いかぶりだな。
「根拠ならあるさ。なんせ僕は神だよ」
……。
普通なら、くだらないの一言なんだがな。
「まあ、信じる信じないは君の自由さ」
さっきから、口にしていない言葉まで通じてるってことは俺の心が読めてるのか?
「そうそう、だから声に出さなくても考えるだけで会話ができるよ。便利でしょ?」
神かどうかは置いても、普通のおっさんではないか。
「多分そうだろうね。さて、話を進めるよ。はい、これ押して」
ボタン?
「無駄に警戒しないでよ。これ押さないと、君、部屋に帰れないし」
はあ、この状況だ。
押すしかないんだろ。
「そうそう、飲み込みが早くて助かるよ」
夢なのかなんなのかわからないが、それ以外の選択肢が見つからないからな。
「そう? 僕を殴り倒すとかもできるでしょ?」
その選択肢はない。
俺の滅多に働かない勘が今は辞めろって言ってるしな。
「あはは。それは滅多に働かないんじゃなくて、働く必要がなかったからだよ。今まではね」
なるほどな。
そして今は働く必要があると。
「うんうん、そういうこと。ということで、はいこれ押して」
……。
「はい、よくできました! ルーレットスタートだ」
ルーレット?
「はい、出ました!」
な、眩し。
「じゃ、僕は次に行くよ。これからチュートリアルが始まるから頑張ってね」
は?
「言っただろ? 君が今まで押さえつけていた力を、隠していた爪を使うときだって」
なにを言っている?
「神からの贈り物ってことさ」
?
『さあ、時代に虐げられ、氷河の下に閉じ込められた混沌達よ、大いに暴れるがいい!』