17話 決着
騒ぎの中心にどんどん人が集まってるな。
さっきの奴等が言っていた祭って奴か。
しかし、あの氷やら炎やらはいったい?
何か道具を隠し持っている様子もないし。
自然現象を任意に起こせるのか?
……。
ダメだな、考えた所でさっぱりわからん。
なんにしても巻き込まれるのも困る。
ここを離れるか。
壁?
これがさっきの奴等が言っていたフィールドか?
……。
どうやらフィールドの外に出られないようだ。
ヤカン。
ヤカンは自由にできるようだな。
まあ、だからといって何がどうなるわけでもないが。
さてどうするか。
「この野郎!」
しょうがない。
あのよくわからない現象でも観察するか。
「これで!」
やはり特に仕掛けがあるという感じはしないな。
むしろ、当人から炎や氷が出ている感じだな。
「オレのうたをきけー!」
しかし対象がそこまで早いわけでもないのに、広範囲の攻撃が多いな。
当人達より周囲の被害が尋常じゃないことになっている。
「邪魔!」
四人とも何か安定していない感じがするんだが。
気のせいか?
周囲の被害を見ていると、気のせいとも思えないが。
あれが普通なのか?
なかなか興味はつきないが、野次馬の数が減ってきたな。
あれだけ、派手に爆発やらが起こっていれば当然か。
「くそ、流石にやるじゃないか!」
「それはこちらの台詞ですわ」
「オレのうたをきけぇい」
「疲れた」
四人とも疲れが見えてきたようだが。
「出し惜しみはなしだ。全力でいくよ!」
「仕方がありません!」
「オレのうったをきけー!」
「終わらせる!」
そろそろ決着か?
「焼き尽くせ!」
「すべてよ凍れ!」
「吹き飛べ!」
「消し飛べ!」
……。
なんだこれは?
炎の人は燃え尽きた。
氷の人は凍って砕けた。
風の人は何処かに飛んでいった。
雷の人は消し炭になった。
「終わった、終わった」
「今日も決着つかずか」
「あの四人は相変わらずだな」
「引き分けのオッズが1.1倍とか、賭けにもなんねーよ」
「あの四人て、セラルンダの何処だかの国で結構な立場の人達なんだろ?」
「らしいけどな。まあ、嬢に姫って言うくらいだし、普通の立場じゃないんじゃないか?」
「まあ、俺達には関係ないか」
「だな」
どうやら、いつものことらしいが。
あれがいつものことなのか……。
なんとも騒がしいところのようだな。
さて、俺も学舎とやらに向かうとするか。