由宇の責任の取り方
全員部活に参加が義務付けられた学校の部活動に馴染めない4人が繰り広げる部活動。
長かった罰ゲームの話も終わり、後は部室前に陣取る写真部と新聞部の合同変態同盟を駆逐するだけ。
由宇にはすでに腹案があった。
3階から2階に降りて、部室の前に着いた由宇が彼らに言い放つ。
「諸君。交渉をしよう。」
「居たぞ!奴だ!取り囲め!!」
「よし、良いぞ。出来たらもっと近くまで寄ってくれ。内密に話がある。」
「その前に、あの美少女の素性を話すか、東海林さんを解放するかをここで宣言してもらおうではないか。なぁ諸君!」
「「「「その通りだ!!」」」」
「まあ待て。司を自由に言い聞かせる事は俺にも出来ない。だが、司の昔の写真ならば提供しようではないか。スキャナーで取り込んで、印紙にカラー印刷となるがな。」
「ちょっと待て!今より協議する!!」
「こちらも時間があまり無い。5分以内でお願いする。」
新聞部写真部が小さな輪になって協議をしている。
結論は割と早く出た。
「中学校の入学式の写真だ。まさに幼女と少女の端境期。あるか?」
「うむ。確かあるはずだ。明日必ず用意する。今日の所は解散してくれないか?」
「担保が欲しい。」
「漢の約束だとしか担保は出来ない。」
「漢か……まぁ良いだろう。一度だけお前の事を信用する。だが、約束を破った時には写真部と新聞部が合同で、お前を学校に居る事が出来ないようにしてやるから覚悟しろ!」
「あぁ。その位の覚悟が無ければ漢の約束とは言えないな。」
その約束を信じて解散をする漢達。
由宇は、部室の外から中に声を掛ける。
「おーい。奴らは帰ったぞ。今なら部室から出られるぞ。」
「ほら晶くんもいつまでも泣いてない!立って。帰るよ。鶴っちもね。」
部室の扉が開いて三人が出てくる。
司はセーラー服を着ているし、晶も制服を着ていた。
「俺としてはもう少しセーラー服のままでも良かったのにな。」
「嫌です!もう二度と着ませんからね!!」
「晶、それはあきらめろ。司なら自分が着せたい時に着せたい服をお前に着せるだろう。」
「栗戸さん。その時は助けてよね?」
「ぐヴぁぅぁ!晶、その上目遣いは危険だ。危ない世界へと俺をいざなうな!!」
「…由宇、変態…」
こうして、四人は帰路についた。
司と由宇は同じ家へと帰っていく。
二人の両親は隣同士、共に仲良く、共に共稼ぎ。
子供の頃から二人は寝る寸前まで同じ家で暮らしている。
帰るなりアルバムを引っ張り出す由宇。
「なあ司。アルバムってこれだけだっけ?」
「そうでしょ?あたしの家にあるのも同じ写真のはずよ。常に二人一緒に写っているんだから変わらないでしょ。」
「そうか。じゃあ、これで良いか。」
由宇がスキャナーで取り込んだのは司の中学入学写真。
『○○中学入学式』の看板が建つ校門前で撮った一枚。
小学生と中学生の狭間と言う、一瞬の輝きを放つ司がブイサインを決めて写っている。
ちょっと奮発して印画紙へと今日部室前に居た変態の人数分をカラー印刷する由宇。
完璧に条件通りの写真だ。
ただし、隣の由宇と腕を組んでいなければ……
次回更新、この写真が更なる騒動を引き起こす。