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電脳戦線黙示録~War of The Apocalypse~  作者: Win-CL
エピローグ 『今日はなにをして遊ぼうか』

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エピローグ

 オンラインMMORPG【War of The Apocalypse】で起きた騒動から、一ヶ月の時が過ぎ――

 やっと、再開の目途が立ったと公式から発表された。


 [ベアトリーチェ]の暴走による一時的なログイン不可状態も、表面上は突如のゲームシステムの不具合として処理され――

 長期メンテナンスと、大量のお詫びアイテムの補填という形で収束していた。


 ――お詫びのアイテムなんて、どうだっていい。

 少なくとも、自分達は。


 全員が、この時を待ち望んでいたのだ。


 告知からの二週間を、悶々とした気持ちで過ごし――

 メンテナンス明けの瞬間にログインできなかったのは少し残念だが――

 帰宅して早々にログインする。


 いつも通りのロビー。

 これまでと変わらない地獄街の風景。


 見慣れた世界がこうして広がっているだけで、感慨深いものがあった。

 自分達が守った街並みが、そこにあった。


 だけど――それだけが(・・・・・)目的じゃない(・・・・・・)


 もっと重要なことがある。

 確かめなければならないことが。


 メンテナンス期間終了日の告知と同時に――

 追加アップデートの内容も語られていたのだ。


 現界の一部に新しいエリア――というより、街が追加されたらしい。

 それに伴った専用ダンジョンも。


 フレンドはまだ誰もログインしていない。

 十分経っても、二十分経っても誰も入ってこない。


『……先に様子を見るぐらい、問題ない……よな?』


 逸る気持ちを抑えきれず――

 現界へと向かうことにした。


――――


『…………』


 そこには――

 メンテナンスが明けた直後だというのに、他のプレイヤーが大勢いた。

 あちらこちらで、メッセージが飛び交っている。


 その中でも、一際賑やかなのが一組。


「ひ、ひどい……! ひどいよ弟くん!」

「いや、まさか一緒に登録して陣営が分かれるとは……」


 天使が一人に、悪魔が二人。

 初期アバターということは、このメンテナンス明けから始めたのだろう。


「まさか、妹ちゃん……。これを機に、弟くんとキャッキャウフフしながらダンジョンを回って……!?」

「べ、別に好きで回るわけじゃないし!」

「落ち着けよ姉さん。確か陣営が違っても、パーティ組んでダンジョン攻略できるんだろ?」


 永続的な非戦闘エリア――

 天使と悪魔が、(わだかま)りなく交流できる場所。


 今後のイベントは、専らここで行われるらしい。

 年末の時のような盛り上がりがそこにあった。


『凄い人だな……』


 少し進むとその街の中心に出る。

 中心に噴水が設置されている、小さな広場だった。


 その噴水のすぐ傍で――

 沢山のプレイヤーに囲まれた、[ベアトリーチェ]の姿が。


『あ――!』


 こちらに気づくなり、駆け寄ってくる。

 翼は相変わらず、白と黒の斑のまま。


『……羽は元に戻ってないのか?』

『次のアルマゲドンが終わるまではこのままだ!』


 どうやら、バグが残っているというわけではなく――

 単に、直すのが面倒なだけらしい。


『…………』

『…………?』


 服の裾を引っ張って、こちらを見上げてくる。

 すっかり癖になっているようだった。


『……いらっしゃい? おかえり?』

『……どっちでもいいけど。あえて言うなら“おかえり”……かな』


 ちゃんと笑えているだろうか。

 涙で歪んでないだろうか。


 そう――

 帰ってくることができた。

 この、WoAに。


『そうか! おかえり、[グラシャ=ラボラス]!』

『――あぁ、ただいま』


 …………


「おい、あの馬鹿がいたぞ」

「先にログインしたんだったら、普通ロビーで待ってるよねぇ?」

「ねー? サービス再開したんだから、みんなログインするに決まってんじゃん」


 広場の入り口を振り返って見ると――

 そこには、よく見た顔が並んでいた。


 ――[ЯU㏍∀(ルカ)さん]、[ケルベロス]、[シトリー]。


「へー、ここでもエモーションは普通に使えるんだლ(╹◡╹ლ)」

「年越しイベントと同じで、スコアは加算されないんじゃないかな」

「そもそもNPC(人間)が少ないですけど……」


 たった一ヶ月半の間なのに――

 とても懐かしく感じた。


 ――[ブエル]、[ダンタリオン]、[括木(くくるぎ)]。


「いいのいいの! 盛り上がることに意味があるんだからヽ(≝∀≝)ノ」

「……誰だ、こいつ連れてきたの」

「私がログインしてきたときに、ちょうどロビーにいてさぁ……」


 きっとすぐに、他の奴等も入ってくるだろう。

 それだけのことなのに、何よりも幸せなことだと思う。


 ――[ベリアル]、[アスモデウス]。


「それじゃあ――、ここでゲリラライブ開催!ヽ(•̀ω•́ )ゝ✧」


『ふふっ……』

『……どうした?』


 思わず笑いがこみ上げてきた。

 こちらを見上げて尋ねる[ベアトリーチェ]に、「何でもない」とだけ答える。


『……相変わらず、騒がしい奴等だよな』


 だけど――

 この騒がしい日々が、何よりも大切なものなんだと。


 自分は、自分達は知っているから。


「行こう――」


 [ベアトリーチェ]の手を引いて、歩きだす。




 さぁ今日は――



 なにをして遊ぼうか――




(了)


『電脳戦線黙示録~War of The Apocalypse~』

 最後まで読了、ありがとうございました!


 全七十三部。約二十三万字。

 半年近く連載を続けたこの作品も、これをもって完結です。

(気が向いた時に少しずつ手直ししたりしていますが)


 エピローグには、友情出演(?)として――

 みぺこさんに許可を頂いた上で

『ある日、三流アマチュア小説書きが書いた物語の主人公にされた件 』から

 弟くん、お姉ちゃん、妹ちゃんに出演して頂きました。


 これまで読んで頂いた皆様に

 ブックマークを頂いた皆様に

 キャラクターをお貸し頂いたみぺこさんに


 一層の感謝を持って、お礼の言葉を申し上げたいと思います。

 本当に、ありがとうございました!


『○WoA 設定等 物置○』にはこの作品の設定の紹介、

 あとがきでは連載中に消えた設定だったり。そして番外編などなど!

 ラジオはまぁ……気が向いた時に更新します。


『○【後日談】ヒメウツギ・ヒストリヰ○』は

 文字通り本作の後日談です!

 主人公が変わっているので、別作品として投稿しています!


 すぐ下には作品の評価欄があります。

『おもしろかった』、『普通だった』いろいろあるでしょうが

 どんな評価でもお待ちしております。

 ぽちぽちと気軽に押してもらえれば幸いです。


 何か気になること、伝えたいことがあれば

 一言でも感想書いてもいいのよ!!

 しっかり読んで、しっかり返したいと思います。


 それらが終わりましたら、是非是非!

『○WoA 設定等 物置○』

『○【後日談】ヒメウツギ・ヒストリヰ○』からどうぞ!

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