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電脳戦線黙示録~War of The Apocalypse~  作者: Win-CL
第二章 継がれる物

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2018年 3月末 閑話

「シトリィィィィィィィィィ!!」


 深夜、思わずパソコンを前にして、大声を上げてしまう。


 一人暮らし用のワンルームマンションの一室。知り合いに『まるで“巣”だ』と言われたことのある、狭い狭いリビング。12畳はあるらしくて、入居し始めの頃はそれなりに広いとは思っていたのだけれど――南北側の壁が両方とも本棚で埋まっていれば、誰だって狭く感じるだろう。


 ……本当なら全面本棚にしてもいいぐらいなのだけれど。掃き出し窓と入り口が埋まってしまっては不便だからと、仕方なくこの状態で留めているわけで。


 そんな自宅の中で、一人怒りの声を上げたのには理由がある。二十分前、WoAからログアウトした時に遡るのだった――






 アルマゲドンが終わってから翌日までの間はメンテナンスでログインが不可となる。今回のメンテナンスでは、どういった要素が追加されるのだろうかと、何か更新があるか確認しに公式サイトを開いたときのこと。


 ――サイト内に用意された掲示板の、その一つが偶然目についた。


 基本的に、内容といえばギルドの勧誘やフレンド募集。あとはゲーム中に撮られたSS(スクリーンショット)や、動画などなど。多種多様な目的に合わせて立てられる板の中で――この時期限定で、特に進行速度が速いものがあるのだ。


 そして最新のスレッドのタイトルには、アルマゲドンの文字。


「もう、今回のアルマゲドンについて立ってんのか……」


 ログアウトしたのは、[o葵o]と話していたためアルマゲドンが終わって少ししてからだけど――それにしても、異常なまでの閲覧数とコメント数である。


『暇な奴が多いな……ん?』


 そのスレッドの山から、見慣れた名前を見つける。


 プレイヤーID自体には、あまり馴染みがないが――キャラクター名が[シトリー]となっていた。全体の様子を自陣から写したSSが数枚に、最後に動画が一つ。


「忙しいとか言ってたくせに、後方支援ばかりで暇だったのかよ……」


 どうやら中身はアルマゲドン中の戦闘を撮ったものらしい。天使四体を相手取り、大立ち回りを演じているのは――……っ!


「こ……れは……」


 ……他でもない、自分だった。


 一応、編集をしているのだろう。晒し行為にならないラインまで抑える為に、名前には修正が入れられていた。――が、なぜかユニット名が丸出しである。


 天使達からの猛攻を避け続け、耐え続け――ギリギリの戦闘をしている悪魔の頭上にはっきりと浮かぶ〈今日のわんこ同盟〉という文字。


「……果てしなく格好悪い……!」


 ……ユニット名は、晒し行為の対象に該当しないらしい。案の定と言うべきかコメントの矛先は、戦闘の内容からこのユニット名へと目標を変えてゆく。


『なにこのゎんこつょぃ』   『わんこ(大嘘)』

    『今日のわんこwwwwww』

         『この同盟に入らなきゃ(使命感)』

『ねぇ、にゃんこ同盟はないの!?』

                『わんことはなんだったのか……』

    『↑ヴァプラ、ハウレスで組めばいいんじゃね(適当』


「…………」


 もう一度、動画をよく見る。相手側のユニット名の表示はきっちり隠されているあたり、間違いなく狙ってやっていた。


「シトリィィィィィィィィィ!!」


 次に出会ったときには、真っ先に決闘を申し込んでやろうと。そう、心に誓ったのだった――


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