第30話〜30話記念!サターンの前兆〜
しゃあぁ! 今回は30話記念と言うコトで全員で〈チョメチョメ島チョメパラダイス〉ってゆう、まぁ用は遊園地みたいなトコに来たんだよね。
リョータ、匠、友美ちゃん、正美、舞、そしてこの明様で智喜の車に乗ってきたのだ。留年したとは言え、ちゃっかり車の免許は取ってたみたいだね。
智則はお留守。ってかぶっちゃけあいつ絡みにくいしキャラ的にいただけないし動かしにくいのよね。
「キャー凄ーいケロ!」
「早く入ろうよ、友美!」
「はい、皆も行きましょ?」
「…はい」
えぇ、そりゃ女性陣はテンションも上がるでしょうね。
でもね、まず智喜の車、軽なのよ? 僕らトランクにブッ詰まってきたんだぜ?
「おーい、行くぞお前らぁ〜」
あの野郎は運転手だからって…
まぁいい。トランク見たらさぞかし驚くだろう。
「おっと、トランクに入れといたお気にのシャツに着替えるかな」
フフフ、三時間ドライブの結晶さ。
「ぬおぉ〜!誰だ!?俺のシャツに嘔吐物ブチまけやがったのはぁ!」
ハハハーざまぁみろ。
センスの古い台詞で悪かったな!
さて、それではボチボチ入園するとするかね。
「行こっ、智くん☆」
「うぅ、シャツぅ〜」
ゲートの前には券売機があり、ナビゲーターに従いチケットを購入しなくてはならない。
〈いらっしゃいませ、カップルで二千円になります〉
あ、友美ちゃんと智喜が先に行っちゃった…。
フン、まぁいいさ。
「ほら、行くわよリョータ」
「く…車酔いが」
〈いらっしゃいませ、カップルで二千円になります〉
つうか入園料がカップルってどうゆう事じゃい。
「タクミン、行くケロよぉ〜」
「お…お〜う」
〈いらっしゃいませ、カップルで二千円になります〉
あれ!? ストーリー上じゃまだあの二人付き合ってないよね?
そして残された俺と…あれ? このイケメンに特定のキャラなし!? 待て待て、俺一人ってどうゆう事だよ!
遊園地で男一人ってどんだけ〜。……泣けてくるぜ。
まぁ良い。とにかく入ろう。
〈いらっしゃいませ。サターンの方は58000Zになります〉
俺サターンか!
ってか何そのゲームみたいな金の単位は!
〈Z…すなわちズーマです〉
原チャ!? ズーマ58000台ってコト?
〈じゃあ円でも良いんですけど…〉
じゃあって何だよ。58000円でしょ。…高ぇよ!
〈どうせ汚い金だべ?〉
機械の分際で何こいつ!
荒らす者は高いってか。ハッ、面白い。どうせ汚い金じゃ。くれてやるわい!
……俺、ホントに主人公なのかな?
ようやく入園できたものの、すでに財布はカラッポだぜ☆ まぁ、入園料でフリーパスだから遊ぶ分には問題ないさ。
休日だけあってアトラクションには結構並んでいるな…。
おっと、先頭グループにリョータと舞発見!
はいはい、ちょっと失礼しますよ。
「ちょ…明!ちゃんと最後尾に並びなさいよ!」
『固い事言うなよ、なぁリョータ?』
「あ…あぁ」
ん? 絡みが薄い…そうか! 今俺らが並んでいるのは地上100メートルから急行落下の絶叫マシーンだ。
リョータはウォータースライダーごときでビビる奴だもんね。
ってか、女より男の方が絶叫系ダメだって言う奴が多い気のせいかな?
ちなみに俺大好き。
男は黙って絶叫でしょ、みたいな。
ついに俺達の出番が回ってきて、椅子に腰掛け、安全レバーを下ろす。
あれ? ちょ…俺の安全レバー緩いってかカチッて鳴らないんですけど…。
おい、ちょっと待て! まだ上がるな…レバー! 俺のレバー壊れてるから!!
そして一番上まで到着。はい、僕これから死にます♪
〈スリー…〉
あぁ、死へのカウントダウンだ。
〈トゥー〉
俺の人生短かったなぁ〜。
〈ガコン!!〉
ざけんなぁ!!
安全レバーがない俺は落ちた振動であっという間に外に放り出される。
…って言ってる場合じゃなぃよ!
ヒヤァアァあアァァ!!
落ちる堕ちる墜ちる!!
オチてますよボク!
はい、でも浮きました☆
だって僕サターンだもん♪
サターンは空飛べるんだもん☆
おぉ!? マジか!? 俺飛べたのか!?
…チッ、地上に戻った舞は気絶したリョータの心配して俺がいない事に気付いてねぇや。
もういいもん。
お、今度は観覧車に並んでる智喜と友美ちゃん発見!
ちょっくらサターンしてくっかな♪
はいはい、ちょっとすいませんね。
『よぉ智喜!』
「何だよ明、ちゃんと並べよ!」
「そうですよ!…てゆうか…一緒に乗るんですか?」
あーいたたたたた。
そうですよね、友美ちゃんは智喜と二人っきりで観覧車に乗りたいんですもんね。サターンなんて邪魔ですよね。
こんな可愛い子にこんな迷惑そうな顔されるとオヂサンまいっちゃうよ。
『ハハハ、まさか。二人の邪魔はしないよ。友美ちゃんは二人っきりが良いんだもんね?』
「え…いえ…別にそうゆう意味じゃないですけど…」
『ところで智喜…』
「んあ?」
『この前ナンパした子とどうなった?』
「ハァ!?ちょ…ナンパなんてしてねぇよ!」
『おいおい、智喜がナンパしたいって言ったんじゃーん。お持ち帰りしたの智喜だけだぜ?』
「バッ…何言ってんだお前!」
「智くん…どうゆう事?」
「誤解だ友美ぃ〜」
ハーッハッハッ。
お前ら記念日迎えずに別れろ!!
さぁ〜て、匠達はどこかな♪?
俺はピョンと大空に羽ばたいた。
そうです、コメディー…いや、チョメディーは何でもありなのです。
お、いたいた。
何だよ、園児が見るような戦体ヒーローショーなんか見てるよ。
ちょっと空から見ようとするかな。
〈グハハハ、それではチョメマンが来る前に人質を用意しようかな〜?〉
ステージの上から悪役のオッサンが客席まで降りてきて、人質を探しているようだ。
キャーとかウワーとか騒いだり、中には泣いちゃう子までいるよ、可愛いね子供は。
〈よし、人質は貴様にしようかな!〉
「ア…アチキの事!?」
はい、お約束。人質は匠でした。
つかアチキって何だよ。
ステージまで連れて行かれた匠は凄い恥ずかしそうだった。
〈皆、大変よ!このお兄ちゃんを助けるために、大きな声でチョメマンを呼びましょう!せーの…〉
〈〈〈〈チョメマーン!!〉〉〉〉
会場の子供達が一斉に叫んだ。なんかこうゆうのって純だよね。
〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈今行くぞ!〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉
カッコ多っ!
ってかメッチャいっぱいチョメマン出てきたんですけど!
うわぁ…あれリンチだよ。悪役速攻でやられてんじゃん。
〈人数が多い方が勝つ!〉
正義の味方がその決め台詞ダメだろ!
「あ…ありがとーう…チョメマン…」
匠がお愛想で笑ってあげてます。
でもこれじゃあ面白くありません。彼には本当に死を覚悟する緊張感を味わっていただきましょう。
私はそう考え、気が付くとステージに飛んで行きました☆
『グァーハッハッ!』
匠を抱え、宙に浮く。
子供達は人が空を飛ぶのを目の前に大喜びだ。
「ママー、あれどうやんの?」
「ワ…ワイヤーアクションよ!」
空気の読めるママさん、ご協力感謝します。
〈お…おい、こんなの台本にないぞ!?〉
〈ってか何で飛んでんだよ…〉
〈…ど、どうする?〉
複数のチョメマンはかなり焦っている。当たり前だ。
『ハッハッハッ。どうするチョメマン。こいつをこの高さから突き落としてくれようか!』
俺はさらに高度を上げた。
「明、何の冗談だよ!」
『いや…なんかノリで飛べるようになったからさ、ノリで盛り上げようと…』
「お前ノリで殺す気か!」
「今回ばかりは、あなたがやってる事はノリだけじゃ済まされませんよ、明君」
俺達の前に突如現れたのは、可愛いらしい女の子だった。ツヤのある綺麗な緑色の髪は肩にかかり、透き通るような白い肌、パッチリ二重で瞳の色が赤かった。
俺と同様、浮いている。
『誰!?』
「はじめまして、私の名前はエン・リューファ。天使です」
天使? あぁ〜…ついにこの小説もそっち系の話になってしまうのか…。
まぁ作者も一般高校生ってだけじゃネタなんてねぇよチクショォ! って嘆いていたし仕方ないか。
「あ、心配ありません。次回で最終話ですから」
『何ぃぃーー!!??』