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第25話〜飲んでぇ騒いでイジられてぇ〜

「今日は皆に迷惑をかけちゃってゴメンな。お詫びにこちらでパーティーの準備をさせてもらったよ。…じゃあ、カンパーイ」


「「「「カンパーイ」」」」


と、言うわけで始まりましたよ智則君家パーティーが。


なんかもう豪華な料理が盛り沢山で腹の虫が悲鳴をあげている。今なら獣になれそうだ。


さっそく料理に手をつけようと箸を伸ばした。

が、箸はコロコロとテーブルに転がった。いや、別にそうゆう年頃ではない。


「明、包帯グルグルに巻いてんだから無理だよ」


そう、俺の右手は怪我をした。けど幸い、大事には至らないらしい。


まさか本気で高校生相手に本物の剣使うなんて思わないじゃん。


「ゴメンな明。俺の部下達が…」


『気にするなよ智則。皆戻ってくれて良かったじゃないか』


「それは君達のおかげだよ」


あの後の事は興奮しすぎてよく覚えていないが、プランBは成功したようだ。


部下の人達は降参して、また智則の家来として働きたいと言っていた。


この時代プー(無職)は嫌なのだろう。

意識を取り戻したドクターに俺達は治療をしてもらった。


俺の手の怪我や、わずかながら毒を吸い込んでしまった皆に解毒剤など、適切な処置をしてくれた。


一つ気掛かりなのはユキちゃんだ。騒動の時に既に姿はなく、行方はドクターですら分からなかった。



「なぁ〜にマジ顔になっちゃって?キャハハ、真面目な話は終わりにしよぉょぉ〜」

とか言いながら舞が抱き着いてきた。うん、Cはあるな。


『やめろ舞!…ってか酒くせぇ!!』


テーブルの上にはワインやら焼酎が空いていた。匠もリョータも友美ちゃんも正美も酔っ払ってやがる。


まぁ元から酒飲む予定だったから良いんだけどね。


それにしても豪華なパーティーになりましたね。


「てめぇ明!舞に手ぇ出すなあ〜」


はい、突っ掛かってきましたよリョータが。


『寝てた奴には言われたくないセリフだな…リョータ君』


「まぁまぁ、こんなめでたい席だ。決着はこれで着けなさい」


匠がそう言って俺達に酒を勧めてきた。いわゆる飲み比べと言うやつだ。


自慢じゃないが俺は酒がかなり弱い方だ。ぶっちゃけ勝つ自信がない。


「まずは俺様から飲むぜ!どの酒を飲めば良い!?」

テーブルの上には色んな種類の酒があり、かなり迷う。中には名産物や聞いた事もない名前のラベルがある。

『ん〜…まずはこの辺だろ』


俺はアルコールがかなり弱いチューハイを渡した。


リョータがコップ一杯に注ぎ一気に飲み干す。


「そんなヤワな酒では、この体を酔わす事など出来ぬわ!」


ピキーン…ドゴーン!


うん、たぶん理解できた読者は少ないよね。


「明の酒はこいつだ!」


リョータが出してきたのは…ウォッカ!? しかも割らずに!?


くっ…こいつはきついぞ。ってか順序ってもんを考えろ!


「チャ〜チャチャ〜チャチャンドンゴン☆あなたの事が好きだからぁ〜♪」


俺がコップを持って戸惑っていると皆から一斉にコールがかかった。


これは飲み切らなくては場が白けちまう。


『うぉぉぉ!』


俺は一気に飲み干した。そして酔った。


中学の頃から酒は苦手な俺は酔うと我を忘れてしまうらしい。しかも、後の事は覚えていないという質の悪さだ。


でも俺視点でやるよ? だって話進まないし? ってか俺目立ちたいしみたいな?


『ヒャハハハ!リョータの酒はこれだぁ〜☆』


俺はテーブルの上の酒全種類を混ぜたジョッキを渡した。


『チョメ混ぜDXだ!』


「てめ…ドリンクバーじゃあるまいし、こんな事…」


さすがのリョータ君も戸惑ってるようだね。だって、なんかゴポゴポいってるし変なの浮いてるもん。ホント、俺ってば何混ぜたんだろうね?


しかめっつらをしたリョータだったが、一気に飲み干した。そして吐いた。


「ぬっ…俺様は拳王!拳王は決して、膝など地につかぬ!」


なんてセリフパクっときながら膝がガクガク震えてますよ?


そして知らない読者はキョトンだぜ。


『はい☆ご馳走様が、聞こえない♪』


俺は再びゴチャ混ぜの酒をリョータに渡した。


「え?次は明の番じゃ…」


「「「ご馳走様が聞こえない♪」」」


わぁ☆皆、悪ノリ大好きだね。


「う…うわぁぁ!」


おぉ、飲んだよこいつ。


『はい☆ご馳走様が…』


結局この酒を20連チャンで飲んだリョータは見事昇天。胃に穴が空いてるのに右手を掲げて天に帰って逝きました。


知らない人、そしてパクッてゴメンなさい。まぁ、コメディーですから。


理解したい人は、お金を持ってホールに行って椅子に座ってボタンを押してみな。新たな刺激が君を魅了するはずさ!


でも、十八歳未満の人はパパとママには内緒だぜ!?



「さて明君、そろそろお楽しみタイムといきますか!」


『そうですな匠君』


「王様ゲーム!」


まぁ男女の高校生が集まって酒飲んだら定番でしょ。むしろやらなきゃヘタレでしょ。


「面白いわね、やろうよ、友美、正美」


「え…私こうゆうの苦手で…」


「大丈夫よ、酔っちゃえばどうにでもなるって!」


ふっ…こうなる事も計算ずくさ。舞に勧められちゃ、さすがに友美ちゃんでも断れないだろう。



王様ゲーム…それは数字と王様と書かれたクジを引き、見事王様を引いた人が何でも命令して良いと言われる禁断のゲーム。


もちろんこのゲーム、男女で…しかも酔ってる時にやればムフフな展開が待っている。


身近にクジになりそうな物がなかったのでタバコにペンで数字と王の字を書き入れる。


それぞれがフィルターを掴み…


『じゃあ行くよ。王様だぁ〜れ…』


「待て!俺様もやる…。てめぇら…舞に手ぇだすんじゃねぇぞ…」


本当に場の空気を乱す男だね、リョータ君は。おとなしく寝てればいいのに。


『じゃあ、改めて…王様だぁ〜れだ?』


俺の手から一斉にタバコがそれぞれの手に渡る。


「はぁ〜い☆私が王様!」


第一ラウンドを制したのは舞だった。


俺の数字は2番だ。さて、誰に何を命令するのやら。この瞬間がドキドキですな。


…ん? あっ! リョータの奴、こっそりと舞に自分の数字を教えてやがる!


けー、あい、えす、えす、Kissですか? 皆の前で見せびらかすつもりですか?


「1番の人がー…」


リョータ、ニヤニヤしてるもん。あいつ絶対1番だよ。ってか、こんなの反則だよ。


「王様の足元に落ちたコンタクトレンズを探す」


あれ、Kissじゃない。リョータも

「はて?」

って顔してるよ。


椅子に座った舞の足元をリョータがひざまづいて探す。


「ホ〜ホッホッホ」


舞の突然の高笑い。これには一同、

「そういう事か」

とア然。


まぁ、あれですよ。男を奴隷にした女王様って奴ですよ。


そういえば変だもんね。女の子がいるのに

「王様ゲーム」

って。明らかに男の下心丸見えのゲームですもんね。


さ、リョータの事を指差して腹抱えて笑ったことだし、次行きますか。



再びタバコを回収してシャッフルする。フィルターの部分を手から出し、皆が一本選択。


でもメッチャ、リョータの手に力入ってるんですけど。フィルターから綿飛び出てますけど。そんなに王様になりたいのかな?


今回のイジられキャラは君な事まだ気付かないのかな?


『王様だぁ〜れだ』


どうせコメディーのノリ的に俺がキングでしょ? で、リョータをイジれば良いんでしょ? まかせなさいよ。見なくても分かる…俺のタバコには王の文字が…


「俺がキングだぁ!!」


あれ!? リョータが王様!? ば…馬鹿な。


「まずは明が…」


『いや、おかしいだろ!王様ゲームでなんで名指しなの!?』


「王様の言う事はぁ〜?」


「「「絶対☆」」」


うわぁ〜皆悪ノリ大好きだもんね。今はその笑顔が悪魔に見えるよ。デーモンだよ。


デーモンって言ったらお前スゲェよ?


道端で必死に咲いてる花でも踏み潰すかんね。


「飲み比べじゃ酷い目に会ったからな。どんな事をさせようかな…フフフ」


もぉリョータなんか嫌いだよ。お前なんかデーモンの上をいくサターンだ!


サターンって言ったらお前スゲェよ?


奴はアサガオの前に仁王立ちして朝日を浴びせないかんね!


「あれ?こんな所に偶然にも用意されてたチョメ混ぜDXが?さぁ、飲みたまえ」


『あぁ飲むさ!飲んでやるよチクショー!』


俺は震える手で酒を口に運ぶ。


ドロン…とノド通しの悪い感覚。これはもはや液体飲料ではなく物体や固体の部類だ。


吐き気を押さえ何とか二口目を飲み込んだ所で挫折です。無理ですよ、そりゃ。


もうルールもクソもあるか。こうなったらメチャクチャにしてやるぜ。


『三回戦突入!さあ、早く選べ!!』


「…馬鹿が。クジを持ってる奴に選ぶ権利はない。さっき俺様が掴んだ〈フィルターから綿が出てるタバコ〉…つまり、これが王様なんだよ!」


ニヤリと笑ったリョータが王と書かれたタバコをゲットした。


「よし、俺様が王様♪」


『じゃあ、俺は神様♪』


「なぜ!?ってか神様って何だよ!」


『俺はキングの上を行く存在さ。とりあえず命令、全員酒一気飲みだ!』


ーーーーーーー。



さて、あれからどれだけ飲んだだろうか。一人頭ジョッキ10杯は飲んだんじゃねぇか?


全員顔真っ赤、理性も吹っ飛んでるぜ。


「ハハハハ、明君。世の中は金が物を言うのだよ」


智則もついに素が出たか。ポケットから取り出した万札をばらまき始めたよ。


「キャ☆しゃちょさん凄い〜」


友美ちやん、君は初期設定から今まで清純派女子高生で来たんだよ?


だからそのキャバ嬢みたいな口調とポーズはやめなさい。


「ウヒョヒョ、明、お前の顔ウヒョヒョ〜☆」


リョータ、君に笑顔は似合わないから。キャラ変わりすぎだろ。


まぁ、正美も舞もイジるの面倒だから省略。


匠はいつも同じ髪型だし、いつも同じ服装だし、

いつも同じ顔だもん。つまんねぇよボンクラ。


「いや、顔はしょうがないよね!?」



明日から学校なのに大丈夫かな、こいつら。


ま、これにて智則家編は終了だよ。


「誰と喋ってんのよ、あんた」


…ふ、それはこの神である俺をも凌ぐ、画面の前のゼウスとさ。



そういや忘れてたぜ。俺、酒弱いんだ。


さ、早く終わらすか。ゼウスに俺達の嘔吐物を見られる前…

『ゲェェェェロロ!』

……ゴメンなさい。

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