第14話〜やっぱり男は黙ってセッターでしょ〜
「えっと…うわ!なんだよ、セッター売り切れかよ!しょうがねぇ…外の自販機まで行くか」
…ん?
おう、俺はリョータだ。今回は俺視点でやってくぜ☆
プール内の自販機に煙草を買いに来たんだけど売り切れでした、ってノコノコと帰れねぇしな…外の自販機まで行くしかないか。
「すいません、自販機行きたいんでちょっと外出てもいいっスか?」
「ああ、別にいいぞぉ」
なんてやる気のない警備員なんだ!!
ここのプールの警備大丈夫か?
〜ブーブブブブーン〜
うわ、場違いなヤンキー発見。ってかなんか注意しろよ、警備員!!
「ねぇねぇ俺達、今お金なくて困ってんだよねぇ〜ちょっと貸してよ」
最悪だ、絡まれた!
相手は六人か…ヤバイな。原チャにノーヘルニケツって激アツだなこいつら。
全員ほぼ髪色が変だぞ?
赤とか金とか紫とか…ってか学校とか行ってんのかこいつら、歳はタメか一個上だな…。
「シカトこいてんじゃねぇぞコラアァ!」
なんて考えてるうちに徐々に口調が悪くなるヤンキー達。
「ちょっと面貸しな☆ヒャハハ」
〜木に囲まれた場所〜
ったく…うぜぇ奴らだ…。
「くっ…うぉぉ!」
〜ドグッ!〜
…よし、あと四人。
「おい、こいつ強いぞ!いいね…楽しいねぇ!!」
こいつら、狂ってやがるぜ…。人を殴って快感を得る連中か…。特にこの連中のリーダー格の男は体型がいい、昔ボクシングあたりをやってただろう肉体美だ。
「遊びはおしまい☆…抑えろ!」
そのリーダー格の男の合図と共に残った三人が同時に飛び付いてくる。
「俺の体にしがみついていいのは…舞だけなんだよ!」
一人は払ったが二人に腕と足の自由を奪われた。
「へへ、素直に金出せばいいのものを…くらえ!」
〜ドグ〜
「ぐはっ」
リーダー格の男の正拳が俺の溝にヒットした。
「おらおら!!」
一撃で立てなくなった俺は袋だたきにあってしまった。
最初に倒した奴らも回復して、六対一のまさにピンチである。
「おい、もう終わりか?」
「悪りぃな…俺はMなんだよ…」
「くたばれ!!」
やられるっ!!
〜ガシッ〜
『てめぇら…何やってんだ?』
明と匠か…ナイスな奴らだぜ。
『まっ、食後の運動だな』
「気をつけろよ明!そいつ、格闘技をかじってるぞ!」
いくら俺に勝った明でもこの人数相手じゃ無理だ、絶対勝てない!
「心配すんなってリョータ、君は知らないだろうけど…明は…」
『うぉぉぉぉ!!』
「明は一年前、リューファの…元ヘッドだった男だ」
リューファのヘッドだと?
確かピークだった頃が一年前、明が住む地域一辺を脅かした伝説の族のヘッドが…明?
「匠、本当か?それ…」
「あぁ、今はもう引退したけどね。ある事件が原因で…。だから明はこういうヤンキーを許さないんだろうな」
へっ、安心したのか…?
気が…遠の…い……
ーーーーーー。
「はっ!」
『お、気がついたかリョータ』
「ここは?パラソル…?お前!一人で六人も!?」
『まあ…余裕でしょ☆今みんなでジュースでも買ってくるって言ってたから、もうちょい寝とけって』
明が元ヘッドか、まさか六人相手に勝つとは…。
『ほらよ、煙草切れてんだろ?やるよ』
「マルメンか…ちょうどスッキリしたいとこだった」
たまにはメンソールも悪くねぇな。
「明…お前、元…」
『それ以上は言うな』
「あ…あぁ、悪い。あと…ありがとな」
『おう☆』
やはり何か過去にあったのか、つついて確かめる気はないが…
「あ、リョータンが起きてる☆もぉ〜ダメじゃない、煙草買ってる所を警備員に捕まっちゃ!」
「…え?いや、俺はヤンキーに…」
『全くだよ、リョータったら警備員に絡まれちゃって必死で謝ってたもんな☆』
「は?…え?」
訳も分からず戸惑う俺に明と匠が目で合図をしてきた。
(さっきの事は内緒だぞ!)…と。
「あ…いや、ハハハ。そぉなんだよ、俺って童顔だからかなぁ〜ハハハ☆」
明はヤンキーとかに異常なコンプレックスらしいものを持ってたっていい。
明の過去に何があったかはどうだっていい。
ただ、ずっと友達でいられるなら…
それでいいんだろう。