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第13話〜まだまだ俺達の夏は終わらない〜

『イヤッホーイ』


〜ザバーン〜


今回もビキニのお姉さんがいっぱいですね。


そう、俺とリョータと匠の男三人でプールに来ている。


「なぁ…なんで舞とか連れてこないんだよ」


プッ、リョータったらご機嫌ななめだね。


『だって前回でみんなの水着姿見ちゃったしい〜今日の気分はお姉さんって感じだしぃ〜』


「なんだそれ!俺はもっと…あ、いや…」


『もっと何?舞ちゃんの水着姿を見てたかったのかな〜?』


「うっせぇ!そんなんじゃねぇよ!!」


初々しい奴だな、顔を真っ赤にしちゃって。


俺達は中学生以上しか入れない深いプールのパラソル下に荷物を置いて水着に着替えた。


ここなら人が以外に少なく喫煙所なのだ。


…え?


うん、まぁ今時の高校生なら煙草ぐらい当然でしょ?


「あ〜ヤニ切れだケロ〜」


ほら、隣のケロケロ言ってるギャルも高校生なのに煙草を…ん?


ケロケロ…?


「あ!タクミン達も来てたの!?」


「おぉ☆正美じゃん」


…くそ、なんで正美がいるんだよ。まさか舞と友美ちゃんも?


「マイチとトモミンは今日いないケロよ?ウチの中学生の頃の友達の水唏ミズキといっしょに来たんだケロ〜☆」


「はじめまして、水唏です」


結構可愛いな、少し長い髪は綺麗なストレートで目がパッチリしてる。正美の友達にしてはそんなにギャルじゃなさそうだし肌も白い方だ。


「んじゃみんなでウォータースライダー行くケロ〜☆」


「おぉー!」


なんでこうなんの?


今日は綺麗なお姉さんをナンパするつもりで来たのにぃ〜…。



〜ザアァァー…バーン!〜


速っ、ってか長っ!!


ここのウォータースライダーは三種類あって、俺達は1番高い所に来ている。


頂上から下までは真っ直ぐなストレートでスピードもかなりのものだ。


しかし…俺はなんでリョータと二人でいるの?


なんで匠は女の子と下で待ってんの?


「あああ明、ふふふ震えてるぜ?」


『いや、これは怒りで…あれ?もしやリョータ君。ウォータースライダーは苦手なのかな?』


「馬鹿な事言ってんじゃねぇ!俺はMAX75キロ出るんだぞ!」


『じゃあ、賭けやろうぜ!先に下着いた方が勝ちね☆負けた方は罰ゲームで、もみじだかんな!』


もみじ…それは背中にパァンと平手打ちを食らわして手形がもみじのようになる事からそう呼ばれている。


「…え?いや、それはちょっと…」


『監視員さん、笛を』


〜ピー〜


『しゃあぁぁぁ!!』


「う…うわあぁぁぁ」


勢いよくすべり落ちる俺達。速度を上げるため、空気抵抗を受けないように顔は上げずに寝そべる。鼻に水しぶきが入り少し痛いが我慢だ。


「ひいぃぃぃぃ」


隣のレーンからはリョータの悲鳴が聞こえた。


結果は言わずとも俺の勝ちだった。


『リョータ…ビビリすぎ』


〜パァン〜


「いってぇぇ!この野郎」


怒っているが背中には、くっきりと俺の手形がついているため情けない姿である。


『ん?もう一回やる?』


「当たり前だ!負けたままで終われるか!」


リョータは負けず嫌いだから乗せるのが簡単だな。


『じゃ、負けた方は翼ね☆』


翼…それは両手で平手打ちを食らわす事で二つの手形が翼のようになる事からそう呼ばれている。


「え…それはちょっ…」


〜ピー〜


『しゃあぁぁぁ!』


「展開早過ぎぃ…」


ってな感じで一時間以上繰り返し、結局リョータは一回も俺に勝てず、背中は新・耳ぶく〇みたいに手形でみっちりだった。



「明君って速いんですね☆水唏もすべりたぁ〜い」


匠とゲロゲ〜ロは二人で昼飯を買いに行ってしまったので俺と水唏と新・耳ぶ〇ろの三人でパラソルに戻っていた。


『いやいや、相手が弱すぎるだけだよ。弱い者イジメしたって笑い話にもなんないしね』


「明…てめぇ」


「お待たせだケロ☆はい、みんなの分」


匠達がみんなの飯を買ってきてくれたが、その前にやらなくてはいけない儀式がある。


『俺が足をもつから、リョータは手を…』


「了解…」


〜ガシッ〜


「ん、なんだい?二人共、僕の手足を持って…ハハハ、これじゃ身動きができないや。ちょっと…!ねぇ!!」


「なんで俺様があんな怖い思いしてんのにお前は女と!」


「まさか君達は僕をプールに投げるつもりなのかい?」


『いくぜリョータ!せーの…』


〜ポイ〜


〜ヒューーー…〜


〜ュゥーーー…〜


「長い長い!どんだけ投げてんだよ」


〜………ベチャ〜


「投げる方向…逆だろ…」


『テヘ☆うっかり明でした♪』


さて、儀式も済んだし飯でも食うかな、匠の分まで。


「ちっ、煙草切れちまった…ちょっと買ってくるわ」


『リョータ、それなら俺のマルメンやろっか?』


「メンソールなんか吸えるかよ、男は黙ってセッターだろ」


『あぁそうですか!いってらっしゃい!!』


ったく…すぐリョータは気取るんだから。やっぱ口だけ達者な奴だぜ。


〜ブーブブブブーン〜


うるせぇな…うわっ、なんて場違いなヤンキーなんだよ。フェンスの外側では原チャリをノーヘルニケツで走り回っている奴らが六人くらいいた。


あれじゃ今から来る人達に迷惑だろ…警備員は何やってんだよ!


『プールに入る金もないってか?あんな事してて親に悪いと思わないんかねぇ』


「なんか恐ぁい…」


『大丈夫だって水唏ちゃん。さ、飯も食ったしプール入ろうぜ』


「そうだケロ〜ほら、行くよタクミン!」


「お…おう」


その後俺達はプールに入ってビーチボールを匠に当てたりだとか、匠のゴーグルをカチ割ったりだとか、ビーチボールを匠に当てたりだとか、ミカンを匠の頭の上に乗せたりして遊んだ。


「いや、俺可哀相すぎでしょ!?」


『…にしてもリョータの奴遅いな。あいつ方向オンチだったっけ?』


「タクミン、迎えに行ってあげなよ、ウチと水唏で待ってるから」


「そだな…行くか、明」


『お…おう』


俺はこの時、なぜか嫌な予感が走った。


何もなければいいが…。

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