第11話〜♂!オラ匠☆なんだい?今回は僕が主役かい?〜
「ガバゴボ…ガバゴボ!(助けて…助けて!)」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!
ヤバイよこれ!!
あ、♂オラ匠☆
…明、ツッコミ(助け)に来いよ…。
結局、砂に埋められっぱなしで動けないままみんな帰りやがって!
なんで潮が満ちてくんだよ…。
………息が……できな…
〜一方こちらは例の家族〜
「パパぁ〜夜の海って誰もいないんだね☆」
「…そうだな」
「ママぁ〜来年も絶対来ようね☆」
「……」
「ねぇ、なんでパパもママも泣いてるの?」
「ゴメン…ゴメンな!パパがあの時…あの青年に勝っていれば…」
私はなんと情けない父親だろう。自分の会社での失敗に家族を巻き込んでしまうなんて…。
「あなた…そろそろ行きましょう…」
「…そうだな」
「パパ、ママ…どこ行くの?そっちは海だよ?ねぇ!」
もう死ぬしかないんだ…もう…。
〜ゴツン〜
…ん?
足に何か当たったぞ?
石…じゃない!!
人の頭だぁー!!!
「おい、君!!」
「ガバ…ゴ…ボ(助…け…て)」
「大変だ、何と言う事なんだ!まさか私達以外にも自殺を心見ている人がいるなんて」
「ガバ…ウ(違…う)」
「こんな…生に対する未練を絶つ死に方をできるなんて…!なんと勇敢なんだ…!!」
青年は首だけを砂から出す形になっている。きっとよほど辛い事があったのだろう…。
いざとなって逃げ出せないようにしている青年に対して、私達はなんと情けない!!
迷うのはもうヤメだ!
及ばずながら私もこの青年の隣で一生を終えよう。
〜ザクザク〜
「ガバ…ヌオォォ!!ハァハァ…」
し…しまった!
この青年がまさか横たわって埋まっているとは思わなかった!
どうしよう…せっかく彼が死を決したのに私が助ける形になってしまったぞ!
「あ…ありがとう…ハァハァ…ございます!」
「ゴメンなさ……え?君は死のうとしてたんじゃなかったのかね?」
「まさか!こんな所で死にたくないですよ!でもおかげで助かりました。すっごく苦しかったんですよ」
すっごく…苦しかった?
「いやぁ〜死ぬっていっても溺れ死には絶対したくないですね!」
溺れ死には…嫌?
「生きてて良かったぁ〜」
生きてて…良かった?
「ところで…家族そろってどうしたんです?…まさか」
「はい、家族で死のうと…」
「駄目です!絶対駄目!!世の中もっと良い事ありますって!とにかくほら、潮が満ちて来ました。早く離れましょう」
〜海岸沿いの階段〜
「何があったんですか?一家で自殺なんて…」
私は青年と二人で階段に座り込んだ。
子供と母親は旅館に戻した。この青年との出会いで何かが変わるかもしれん。
その奇跡を信じたかったから、死ぬのは後でもいい。
「き…君の方こそ!なぜ埋まってたんだ!?私達がいなかったら本当に死んでたんだぞ?」
「埋められたんですよ!明って友達に…」
…明?
明…明…明…明……あーーーー!!!
優勝賞金をかっさらった例の悪魔かぁー!!
「私達が死を決意したのも…明という青年が原因だ!」
「な…!明が?明が何かしたんですか!?」
「まぁ…彼に勝っていれば賞金を手にできて…なんとか首が繋がったんだが…。ってか彼は本物の悪魔か?君の事をほったらかしにしてたんだろ?」
「まぁ…あいつの事だし、どうにかなると思っているんでしょうね」
どうにもならなかったら、どうするつもりだったのだろうか…?
「なんとか…あの悪魔に一泡ふかせてやりたいな…」
「そうだ!明はあなた達家族も…もしかしたら僕も死んでると思ってるわけでしょ?だったら真夏の心霊ドッキリでもやりませんか?」
「おお!それは良いアイデアだ。次回が楽しみだな」