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転生錬金術師は楽しみたい  作者: ルケア


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責任の所在

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 1時間もかからずに、殲滅できた。こっちの被害は0である。シルエンディールとエキドナに頼った討伐も無し。完勝だな。


 ただなあ。レベルの割には弱い。こっちがしっかりと対策をしていったのもあるし、こっちが格上というのもあるんだけど、弱すぎる。もうちょっとこう、何とかならなかったのか?


 レベルで言えば、150を超えていたのかもしれない。けど、その実力を発揮させることも無く終わってしまったからな。


 いやまあ、相手の実力を出させないようにするための作戦だったとはいえ、何とも簡単に終わってしまった。簡単すぎて、これで良いのかって感じだったんだよな。


 もうちょっと頑張ってくれよ。指名手配になるくらいなんだからさ。抵抗が厳しいって感じで、苦戦をするくらいで丁度いいんだよな。全く苦戦をしなかった。


 それだけ俺たちが強くなったという事でもあるんだけど、なんだかなあ。もうちょっと、こう、な? あるじゃないか。全く歯応えがない。


 そんな様にクランメンバーを育ててきたのは俺だけど、ここまで楽勝になるとは。色々と策を練って居たんだけどな。砂嵐を克服するやつが居ないとは思わないだろう?


 その程度の目潰しくらい対策していろよとは思う訳で。環境要因は潰すのが普通だぞ? 砂嵐や霧なんてものは、真っ先に対処しなければならない環境だ。それの対策がなっていない。


「全く。とんだ茶番だったな。楽勝過ぎてどうにかなるかと思ったぞ」


「楽勝で良いじゃないですか。シルエンディールとエキドナの力を借りなかったのですから、それで良いとは思いますよ? それに、怪我もしませんでしたからね。まだまだ私たちはやれると言う事を示せたとは思います」


「それはそうなんだけどな。もうちょっと苦戦してくれないと、対人経験が積めないだろう? こんなにも楽勝になるとは思わなかったし。環境を攻略するくらいはしてくれないと。魔境でもあるんだからな? 砂嵐の環境とか。それの装備も無くてどうするんだと言いたい」


「……普通は対策していないのではないですか? そういう魔境には行かないのが普通だとは思いますけど。対策が必須の魔境に行かないといけないのであれば、装備くらいは持っているとは思いますけど、行かないのであれば、要らないじゃないですか」


「まあ、普通の冒険者であればそれで良いんだけど、盗賊は対人戦がメインになってくるじゃないか。今回みたいに襲撃側が環境を用意してくる事は想定しておかないとだな。簡単にやられてしまう訳で。もうちょっと対策を取っていてもおかしくないんだが……」


 PKやPKKの鉄則だぞ? どんな環境でも戦えるようにしておくのは。特にPKなんてPKKから追われるんだ。環境を作り出すことなんて平気でやってくるんだよ。罠を使ったり、魔道具を使ったりして、環境を作り出すことは出来る。


 俺みたいに魔法特化の奴とかも出来るしな。PKを狙うだけならここまで大規模な魔法は必要ないし。出来るか出来ないかで言えば出来るんだ。だったら、対人戦を考えないといけない盗賊団は、環境への装備は必須になるんだよ。


 もうちょっと楽しめるのかと思っていたんだけどな。拍子抜けである。数は多かったけど、それだけだからな。……今で627人目のインベントリを漁った所だ。まだまだ死体はあるので、どんどんとインベントリを漁っていくんだけど。


「しかし、ここまで貯め込んでいるとは思いませんでしたね。余裕で5年くらいは暮らせるだけの食料がありますよ?」


「負けると思っていなかったという事だろうな。狙われる側が負けるなんて当たり前の事ではあるのに、負けを想定していなかったんだからそうなる。食料に関しては、取れるだけ取ってきたんだろう。こっちが確保したから売りには出すけど」


「……農村の支援に回したりはしないのですか?」


「しない。それだと俺たちの影響力が大きくなりすぎるから。俺たちがここの町を拠点にしているのであれば良いけど、そうじゃないなら影響力は極力残さない方が良いんだ。そうじゃないと貴族の統治に邪魔にしかならない。こういう事は割とよくあるだろうから、覚えておいた方がいいぞ。農民には有難がられるが、貴族からは怨まれる。面倒な事をしてくれたってな」


「そうなんですか……。何かした方が良いのかもしれないと思っていたんですが、しない方が良いんですね?」


「しない方がいいぞ。その方が全員の為だ。何かあった時に、ここに駆けつけるのであれば良いけど、そうじゃないのであれば、影響力を残さない方が良い」


 下手に救いの手を差し伸べると、それを当たり前だと思う人が出てくるからな。クレマグリッドの町の周辺の村にならそういうことをしても構わないが、俺たちはフルーディアの町に所属している訳ではない。支部があったとしてもやるべきではないな。本拠地の周りだけで十分だ。そういう影響力工作というのはな。


 変に大きなクランが手を差し伸べた結果、その支援なしでは生きられないってなると困るんだよ。自立はして欲しい。よくある事だが、災害が起きて、被災した人が、避難所から帰らなくなるという現象に近いものだ。


 支援されて当たり前。助けられて当たり前という風になってしまうと、それはもう人ではない。一種の魔物だ。害しか出てこなくなる。


 だから、可哀そうと思っても、全力で助けることはしない。最終的には自立してもらわないといけないから。盗賊被害なんて、災害と一緒だ。支援を当てにする様な事になったら、それは俺たちの責任になってしまう。貴族としては、面倒な事になったと思うだろうな。


 アウスラリアが優しいのは解るが、こういうことは非情に考えないといけない。優しさが毒になることもある。考えて行動しないと、あれもこれもと助けていたら、自分の体が足りなくなってくる。


 そして、一番怖いのが、被害者が出ている遺族である。どうして助けてくれなかったのかという話になってくるからな。助けられるかどうかなんて解らない。それだけど、助かった人が居たらどうする? なんであの子は助かったのに、うちの子は助けてくれなかったのかと、怨むようになってしまう。魔物化してしまう。


 ギルマスも解っているから、助けられた人も全員殺せと言ってきたんだろうしな。俺が遺品になりそうなものを漁っているのも、下手に遺品を届けると問題が出てくる可能性があるからだな。


 人の生き死にがかかっていると、どうしてもな。優しさが毒になることもある。


「もしも、遺族に死ねと言われて、アウスラリアは死ねるか? 手を差し伸べるのであれば、そのくらいの事を言われる覚悟で居なければならない。優しいのは美徳ではある。けど、冒険者をやっている以上は、そういう事で死ぬのは御法度だろう?」


「そう……ですね。そこまで要求してくる遺族がいるのかどうかは、正直なところ解らないのですが、死ねと言われて死ねるほど、私は聖人ではありません」


「そういう事だな。助けられる人を助けるのは良い事だ。……全員助けられるのであればな。1人でも取り零すような事があれば、その様な責任問題になってくる。俺たちは悪くないとしてもだ。遺族としては、誰かに責任を取らせないと気が済まないって奴らも出てくる」


「難しいですね……。状況的にあり得ないとはいえませんし。助かった人も殺すのはそういう事もあるからなのですね」


「……それもあるが、彼らが俺たちを怨むこともあるからな」


「……助けられたのにですか?」


「どうしてもっと早く助けてくれなかったのかと、怨む可能性もある。その怨みは正当なものではない。が、理屈で判断してはいけない。感情の問題だからな」


 助かった人も、どうして早く助けてくれなかったのかと怨むことになる。助かって良かったねとはならない可能性があるんだよ。人の感情とは解らないものだから。絶対が無い事だから。だから、そういう可能性の芽は摘んでおかないといけない。


 こういう問題は、問題が起きてしまえば、ハッピーエンドはあり得ないんだ。そもそも盗賊団を作り出さない様な環境を作らなければならない。


 それは俺たちの仕事じゃない。それは貴族がやるべきことなんだ。そういう事に首を突っ込んで、身動きが取れない様な状況になってしまうのを恐れないといけない。

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