ダイサンワ
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『忘れないようにね、絶対に出来るって信じる気持ちを――――』
今でも美夜の脳裏には、彼の優しい笑顔と声が甦る――――――。
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紅霞は最後の一文を読み終えるとノートを閉じた。
紅霞はそのノートを返しに、桜緋の所へ行った。
「志太さん」
「あ、はい?」
彼女は声を掛けると顔を上げる。
桜緋はどうやらまた何かを書いていたようだった。
「はい、これ。返すね」
「あ、うん」
桜緋は差し出したノートを受け取ると、机の中に入れた。
「何か感動系で………。少し悲しい話だったね」
「……ユウはね、美夜との約束を破ったのが心残りで、ずっと成仏出来なかったんだよ。………だから、それを謝るまで―――、美夜にもう一度会うまで、ひまわり畑でずっと待ってたの」
桜緋は語る。
「この話のテーマは、タイトルにもあるように『約束』なんだ。約束の重みと、それを受け止めて夢を叶えようって意志を書きたかったの。………何か先輩には『恋愛要素が入ってるよね』って言われたけど、私はそういう風に考えてなかった。言われてみたら『そうかも』って思ったんだよね……」
桜緋はその時を思い出したのか苦笑した。
「主人公が何かに一生懸命な姿を書くのが好きなんだよね。何か元気が出るから。…………だから私は文章を書いてる。自分を励ますために。――――それで、他の人も勇気付けられたら、凄く嬉しいから、文章を書いてる」
そう語る彼女の表情は明るかった。
紅霞はただ思う。
――――この子は本当に書くのが好きなんだなあ…………。
薄紅色の花を見詰めながら、少女は頭に浮かんだ文章を広げていた。
――――『優しい桜』、『舞い降る花弁』。あとは…………。
少女はひたすら、心に浮かんだ映像を描こうと、今日も文章を描き続ける――――――。
Fin
読んで下さった方々、本当にありがとうございましたm(__)m
これでこの「カスミザクラ」は終わりです。
この作品は私が二年前、実際にクラスメイトとした会話を元に書いたものです。
会話の内容は半分は実際の会話と同じです。
クラスメイトに、この「小説家になろう」で初めて投稿させて頂いた「向日葵〜約束の夏〜」という短編を見せた時の会話です。
実際に「向日葵〜約束の夏〜」は先輩から「恋愛要素入ってるよね」と言われました。
………全くそういうのを考えて書いたわけでは無かったのでびっくりした記憶があります。
この作品では「向日葵〜約束の夏〜」の部分は最後のところしか入れていません。
なので興味を持って頂けたなら、ぜひ「向日葵〜約束の夏〜」の方も読んで下さると嬉しいです。
普段は全くこういう作品は書きません。
いつもは連載の「僕等が求めたモノ」のような、シリアスで暗くて重いファンタジーを書いています。
この「カスミザクラ」のような作品は私にとって「挑戦してみよう!」というような作品です。
よろしければ感想など頂けると嬉しいです。
長い後書きになってしまい申し訳ありません。
本当にありがとうございました。




