第38話 エピローグ
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
……帝国での一件から数日後。
わたしはケミスト領、領主の古城に居た。
ここ数日、色々ありすぎた……。
正直かなり疲れていた。なので、朝からゆっくり湯に浸かってる。
「お疲れじゃあないの」
獣人姿のふぇる子が隣に座っている。
彼女もすっかりお風呂好きになっていた。この風呂に入ると毛皮がかゆくならないからだそうだ。
「疲れましたよ、ほんと……」
「わかるわ。犯罪ギルドの連中相手に、大立ち回りしたんだものね」
「そっちはどうでもいいんですよ……。そっちは……はぁ」
敵なんて排除すれば、それで終わりなのだから。
わたしの疲れの原因は……別にある。
テンラク王子と、コビゥルだ。
あの二名には、本当に困らされた……。
帝国では、あの二人のせいで、かなり嫌な思いをさせられた。
「もう二度と会いたくないですよ……」
「ふぅん……」
ふぇる子は実にどうでも良さそうだった。
……それはそうか。
この子、暗殺者達を無力化したあと、一人でさっさと帰ってしまったから。
人間社会のいざこざなんて、まるで興味ないのだろう。
羨ましい。
わたしもフェンリルになりたいわ。
「む? ねえセントリア、なんか人が大勢こっちに来るわよ」
「は……? 人が……? この女湯にですか?」
「うん。ぞろぞろと。一人はあのコージョとかいう女ね」
コージョ……。
ああ、レイネシア皇女のことか。一体どうしたっていうんだろう。
なんにせよ、レイネシア皇女が来る……ということは、着替えて出迎えしないと。
わたしはタオルを身につけた状態で、湯船から出る。
「それでふぇる子。レイネシア皇女たちは後どれくらいで来る?」
「どれくらい? もう来てるわよ」
「……な!?」
そういうのはもっと早く言ってほしいんだけど?
露天風呂に、タオル姿のレイネシア皇女が現れた。
「セントリアさーん♡」
「れ、レイネシアさま……」
レイネシア皇女が笑顔でこちらへやってきて、抱きついてくる。
「会いたかったですわ♡」
「ど、どうも……しかし、どうしたのですか? 温泉に浸かりたいのでしたら、言ってくれれば土地瞬間移動で迎えに行ったのに」
すると……。
「ここが噂の!」「美人になれる温泉があるって本当ですの!?」
……大量の、若い女の子達が、レイネシア皇女の背後から現れたのだ。
「は? ど、どちら様……」
「あ! セントリアさまだ!」
ワッ……! と女子たちがわたしの前に集まってくる。
「こないだの活躍、凄かったです!」「凜々しくて素敵でした!」
きゃっきゃ、と女子達が笑顔で言う。えっと……。
「この娘たちは、こないだのパーティに参加した貴族の令嬢たちですわ。皆さん、あなたの活躍、そして美貌を間近で見て感動したそうですの♡」
「…………」
……なんだか猛烈に嫌な予感がした。
「それでね、わたくし聞かれたんです。セントリアさんが、どうしてあんなに凜々しくも美しいのかと」
「な、なんでソンなこと聞くんでしょう……」
「若い女の子が最も興味あるのは、美容! ですもの! あと陰口も少々」
……嫌な予感が、確信に変わった。つまり……この場にいる貴族令嬢たちの目的は……。
「わたくし、答えましたの。ここの温泉の、素晴らしさを!」
ああ、やっぱり……。
貴族令嬢たちの視線がわたしの髪や肌にそそがれる。
「聞きましたわよ、入れば髪の毛がつやっつやになれると!」
「肌荒れが一発で治るって本当ですの!?」
……皆が目を輝かせている。先ほどレイネシア皇女が言ったとおり、みんな美容……綺麗に見られたいって思いは共通してるようだ。
「それでわたくし、皆さんを連れて、ここへやってきたんですわ。だめ……でしたか?」
……まあ、いいか。貴族の令嬢たちがここを気に入れば、ケミスト領にたくさんの人たちが来る。
そうすれば、領地の財政が潤うだろうから。
「いいえ、どうぞ、お入りくださいませ」
「ですって! さ、皆さん入りましょう!」
令嬢たちが我先にと、風呂に入っていく。
「きもちぃい~♡」「温かくて本当に心地よいですわ~」
「すごい! 肌がもうぷるぷる!」
「髪の毛がまるで宝石のように輝いてますわー!」
風呂場からふぇる子がやってくる。
「なんか、あんた変わったわね」
「そうですか?」
「そーよ。だって、前は温泉のこと、他人に口外しないようにしてたじゃあないの」
確かに。
外にこのことがバレたら、利用しようとする、悪い輩がやってくるって思った。
だから、温泉のことは黙っていようと思っていたはず。
「なんか心境の変化でもあったわけ?」
「……そうですね」
前の私は、悪用しようとする悪い連中がきたら、その相手をするのが面倒だと、思っていた。
でも……今は違う。
たくさん人が来れば、領地が賑やかになる。
領地の財政が潤えば、ルシウムさまが喜んでくれる。
だから……。
「セントリアさん。恋してるんですわね!」
「は、はぁっ? な、なんですか急に……」
うふふ、とレイネシア皇女が笑う。
「帝城でのパーティでお見かけしたときよりも、美しく見えますわ! 恋してるからでしょうっ!」
「い、意味わかりませんよ……」
恋? 恋ってなんだ?
誰が誰に……?
「綺麗に見えるのは、温泉に入ったばかりだからです」
「うふふ♡ そういうことにしておきますよ♡」
では、といってレイネシア皇女が温泉へと向かう。
わたしは脱衣所で髪の毛を乾かし、服を着替えて、風呂場を後にする。
わたしの足は、領主の部屋へと向かっていた。
「あれ? ルシウムさま?」
ルシウムさまはいらっしゃらなかった。……ちょっとがっかりだ。
いや、がっかりってなんだろう。
「おや、セントリアさん? どうしたんですか?」
「ルシウムさま、と……こ、皇妃さま」
ルシウムさまが皇妃さまを引き連れてきたのだ。
……デジャヴ、という単語が頭をよぎる。
「どうして、皇妃さまがここに?」
「実は皇妃さまがお友達をつれて、このケミスト領の温泉に来たいらしく、相談を受けておりました」
「そ、そう……」
親子そろって口の軽い人たちだ……。
「セントリアさん、どうしましょう」
「良いと思いますよ。人がたくさんきたほうが、領地が賑わいますし」
そうすれば、あなたも喜んでくれるだろうから。
「では、そのように進めますね。って、どうしたんですか? セントリアさん。顔が赤いです」
「お風呂上がりだからですわ」
「そうですか、風邪を引かないように、温かくしてくださいね」
胸の中に暖かな気持ちが広がる。
この人がそばにいて、その優しさを間近で感じているからだろう。
「ありがとうございます、ルシウムさま。……愛してますよ」
知らず、そんな言葉が口を突いた。
彼は少し目を丸くした後、近づいてきて、わたしを優しく抱きしめる。
「私も貴女を愛してますよ。セントリアさん」
かくして、【びにちる】世界の悪役令嬢に転生したわたしは、婚約破棄&追放された先で、素敵な旦那様と巡り会えたのだった。
【★大切なお願いがあります★】
これにて第1章は完結となります。
書き溜めのない状態から、約二週間で10万文字を書き切れたのは、皆様の応援あってこそでした!
ありがとうございました!
二章についてですが、現時点でまだ決まってない状況です。
なので一旦、このタイミングで完結扱いにさせていただきたく思います。
できればすぐにでも続きを書こうとは考えているので、ブックマークは、どうかそのままにしておいていただけますと幸いです!
そして、ここからが本題です。
僕の、個人的な話しになってしまうのですが、この作品で、日間総合1位をとってみたいのです!
そして、一章を完結した
今日が、本作における、一位を取る最後のチャンス!
そこで!お願いがあります!
「第二章以降も読んでみたい!」
「面白かった! 続きが気になる!」
「もっと主人公たちの活躍をみたい!」
と思っていただけましたら、
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