侵入者対策
マギア・クィフの外壁に穴を開け、中へ侵入した。
「易々入れたですぅ~。楽勝ですねぇ……!」
「……んなわけないでしょ」
イオが杖を取り出す。わたしも拳銃を装備した。
「ほえぇ? どういうことですぅ~?」
「マギア・クィフは魔法国家。外部とのつながりは基本的に絶っている。そんな国が……情報漏洩対策をしていないとでも?」
ワンテンポ遅れて、エルメルマータが気づいたようだ。
わたしたちがいるのは外壁の内側。建物の影から、人影が次々と現れ、襲いかかってくる。
「【氷結】!」
イオが杖先を、あさっての方向へ向け、初級の氷魔法を発動させた。
がきぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん!
周囲一帯が一瞬で凍りつく。まるで北極にでも放り込まれたかのように、氷の大地がどこまでも広がっていく。
「いやあ~……イオちゃんすごぉいですぅ~」
「いやいやいやいや……」
イオが大きくため息をつく。魔力温泉の効果が、早速出ている。
「すごいのは、魔法使いの魔力を強化する温泉のほうだから……。初歩の魔法で、こんな範囲に効果を及ぼすなんて、ありえないから……」
「あえりないことを起こす! それが……センちゃんの温泉なのです! えっへん!」
なぜこの子がえらそうなんだか……。
「センちゃん、ふにゃっと笑ってるです?」
「笑ってません」
親友に褒められて嬉しいのだろうな……。まったく、わたしもエルメルマータのことを、残念だの単純だのと言えなくなってきた。
「んでぇ、イオちゃんが葬り去ったのは、一体どこのどいつなんですぅ?」
「これは人間じゃないですよ。魔法で動く人形……魔導人形です」
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