街
夜になったので、土地瞬間移動を使い、アインの街へとやってきた。
「よぉ」
アインス街長が、わたしたちを出迎えてくれた。わたしも手を上げ、宿を用意してもらう。
「…………」
「イオ様、どうしたんですか?」
じろじろとイオがアインス街長を見やる。
「……アインスさん?」
「ん? よく見りゃ……イオじゃねえか」
そうか。イオはルシウム様のお孫さんだし、以前にもここに来たことがあるのだろう。
「なんでアインスさんが、この街に……?」
「そりゃ今、おれはここの街長だからな」
「は……? アインスさんって、アインの村の村長でしょ?」
イオが首をかしげる。
「だから、ここがアインの村なんだってば」
「…………………………は?」
イオが周囲を見渡す。そこは村というには広すぎた。
二階建ての立派な建物がいくつも並び、魔法の街灯が夜の街を照らしている。
「いや、いやいやいや……。これ街じゃん! 村じゃないじゃん!」
「嬢ちゃんが村を開拓して、街にしたんだよ」
イオがわたしを見て、目を丸くする。頭を抱え……そして、はあ、とため息をついた。
「……まじなのね?」
「ええ」
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