規格外女
その後も、エルメルマータのおかげで敵に襲われることなく、奈落の森を抜けることができた。
「信じらんないわ……奈落の森を損失ゼロで抜けるなんて……前代未聞よ……」
「えへへ~♡」
エルメルマータが、なんだか嬉しそうに笑っている。
「センちゃんとえるを褒められたから~♡」
自分を褒められて嬉しいのはわかる。だが、わたしを褒められて嬉しいのは……まあ、友達であるわたしが褒められたら、それも嬉しいということだろう。
「日が暮れてきたし、野営するわよ」
確かに日が傾いている。思ったより進まなかったのは、戦闘後にモンスターの死骸を回収していたせいだろう。
「土地瞬間移動」
しゅん、とわたしたちはその場から消え……アインの街へと帰ってきた。
「ふぁー、つかれたですぅ~。お風呂ぉ~♡」
のんきなエルメルマータとは対照的に、イオが愕然とした表情を浮かべる。
「ほえ? どーしたの?」
「……いや、話には聞いてたわよ。転移スキル持ちがいるって。聞いてたけど……でも、やっぱり……なんというか、信じられなくて……」
「信じられないもなにも、今も飛んできたじゃあないですかぁ~」
イオが大きくため息をつく。
「……そうなのよね。転移スキル持ちに、生きてる間に出会えるなんて思ってもなかったわ……」
「そんなレアなんですぅ~?」
「レア中のレアよ。呪符など使わず、自力で、しかもノーリスクで使えるスキルなんて……聞いたことないわよ」
まあ、土地神の加護自体がレアな加護だから。
「さ、温泉~♡」
「あんた出発する前も入って、また入るの?」
「何度入ってもいいものなのでぇ~」
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