地中をも貫く弓
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
神聖騎士であるエルメルマータの魔法矢によって、敵を一掃することに成功した。
わたしたちは、倒した魔物を確認する。
「な……!? 鋼鉄蟻ですって!?」
倒れている魔物を見て、イオが思わず叫ぶ。
……まさか、鋼鉄蟻とは。それも一撃で倒すなんて、エルメルマータは以前よりずっとパワーアップしている。
「ふ……」
本人はかっこつけてニヒルに笑う。
「で、なんでイオちゃんはそんなに驚いてるんですぅ?」
「わかってなかったの、あんた!?」
イオが二重に驚く。
「えるは……ナニもわからない! 基本全部!」
ばるんっ――胸を張った拍子に、規格外の乳房が揺れ…なかった。温泉で縮んでた。
「……こんなアホが冒険者やってたなんて」
「てへー♡」
「ほめてない!」
エルメルマータが、わたしにじっと視線を向ける。解説を求めているのだろう。
「この魔物は鋼鉄蟻といいます。ランクはB……大灰狼と同格です」
「あれ、じゃあそんなにすごくないですぅ?」
モンスターのランクは、基本的にそのランクの冒険者が倒せる強さを基準にしている。
鋼鉄蟻はBランク冒険者――つまり中堅クラスが相手にできるレベルだ。
「鋼鉄蟻がやばいのは、地中に潜んでいるところなのよ」
イオが補足する。
「強さ自体は大したことないけど、地中を自在に移動して獲物を引きずり込み、捕食する……厄介な習性を持ってるの」
「はーえ……それは厄介ですぅ……はえ?」
さすがのエルメルマータでも、ようやく危険性を理解したようだ。
「でもでも、アリさん、いっぱい倒れてません……?」
見渡せば、周囲には鋼鉄蟻の死体がゴロゴロ転がっている。地面には無数の穴が空き、その中にも死骸が詰まっていた。
「エルさんの魔法矢が、地中に潜む鋼鉄蟻まで貫いたんですよ」
「へー」
……へー、じゃない。
「あんたねえ……それがどれだけすごいことかわかってる?」
「わかんねえ……!」
堂々と無知をさらすな、このエルフは……。
「いい? 魔法でも弓矢でも、基本は敵が視認できなければ当てられないのよ」
「ふぇ……? あー……たしかにぃ~……」
元狩人の経験からか、そこは理解できるようだ。
「あ! 地中の敵を、えるどうやって射貫いたんだろ!?」
――やった本人が今さら驚くって、どういうことだ。
「梓弓の力でしょ。前にも言いましたよね? 敵の位置に自動で照準が合うって」
「あ、そっかぁ~。てへ♡ 忘れてたや」
「もお……」
のんきに笑うエルメルマータに、イオが深いため息をつくのだった。
【☆★おしらせ★☆】
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