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温泉と悪女と、ちょっとの尊敬




 馬車に揺られながら、わたしはイオと話をしていた。

 そう……彼女は理解しているのだ。温泉がもたらす“可能性”について。


魔道具マジックアイテムを、誰でも簡単に生成できる。これ……本当にすごいことだわ」


「そうですね。ただ……弱点も存在します」


 一瞬、イオが首をかしげる。

 だがすぐに、合点がいったようにうなずいた。


「永続しないのね」


「はい。特に、非生物は」


「生物は……なるほど。パパみたいに不可逆の変化を起こすけど、非生物だと、そうじゃない。温泉が乾けば、効果が切れるのね」


「…………」


「なによ」


「いえ。頭の回転が速いお方だなと思いまして」


 弱点があるとだけ言っただけで、そこまで読まれるとは。


「別にたいしたことじゃないわ。ただ、温泉で魔道具マジックアイテムが作れるのに、何のデメリットもないんだったら、とっくにあんたのところは大金持ちのはずでしょ? でもそうなってないってことは、売れない理由があるってことじゃない」


「おっしゃるとおりで」


 ……じっと、イオがわたしを見つめてくる。


「どうしたんですか?」


「……ちょっと見直したのよ」


「?」


 言葉が足りなさすぎて、イオの真意はよくわからなかった。


「ふえぇ~……。二人の会話、レベル高すぎて、追いつけないですぅ~。さみしいですぅ~。かまってほしいですぅ~」


 エルメルマータが不満をこぼす。子供かこいつ……。


「後で代わってあげますから」


「代わらなくていいですぅ。隣に座ってほしいですぅ~」


「はいはい」


 わたしはエルメルマータの隣へと移動する。

 そのとき――イオが、小さくつぶやいた。


「……温泉効果が効いてる状態で、魔道具マジックアイテムとして人をだまして売ることもできるのに、そうしない……か。ずいぶんと、噂と違うのね、あの悪女」

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