すごい温泉
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
「で、虫除けの温泉にでも、私たちを浸からせたってわけ?」
馬車の中にて。
長時間走っているのに虫が寄ってこないことに、イオは気づいたようだった。
「でもでもぉ、温泉ってぇ、一つにつき、一つの効能だけじゃなかったですぅ?」
「そのとおりです」
「でもでも、えるたちは魔物除けの温泉にしかつかってないですよぉ?」
たしかに、その通りだ。
「じゃあ一体どうやってんのよ?」
「馬車の幌に、ですよ」
「! なるほど……この馬車の幌を、湯につけたってことね」
「そういうことです」
虫除けの温泉の効果が、この幌に付与されている。
つまり、魔物除けは体に、虫除けは馬車に。 一つずつ丁寧に効果を重ねているのだ。
「…………」
「どうしちゃったんですぅ? イオちゃん?」
「……改めて言うけどさ、セントリア、あんたの温泉って破格よ」
「ほえほえ? そんなの今に始まったことじゃないですぅ~?」
エルメルマータが胸を張ってドヤ顔をキメる。
「姿を変えたり、魔物を避けたり、すごい効能ばっかりなのは前から分かってたけどさ」
「じゃあなんで今さら驚いてるんですぅ?」
「そこじゃないのよ。セントリアの温泉の“本当のヤバさ”は、魔道具を誰でも作れるってとこよ!」
――ほう、気づいたか。
「魔道具を、誰でも?」
「そう。誰でも。温泉に道具をつけるだけで、ね」
「でもでもぉ、魔道具って……専門のひとが、ちゃんと作るものでしょぉ?」
「そのとおり。大きく分けて二通り。
一つ、付与術師が道具に魔法を込めるパターン。
二つ、錬金術師が術式を刻んで、効果を発動させるパターン」
「後者が難しすぎですぅ。術式ってなにぃ?」
「呪文、魔石、結晶化した魔力……そういうのを組み込んで、道具自体を特殊なものに変える仕組みですね。
言い換えれば、“魔法をかけた道具”か、“道具そのものが魔法になる”かの違いです」
イオが、じっ……とわたしを見てくる。
言いたいことはわかっている。
(どうしてそんなこと、あんたが知ってんの?)
――簡単な話。【びにちる】をやり込んでたからだ。
「……セントリアの言う通り。魔道具づくりには、知識も技術も必要。
けど、あんたの方法なら、温泉にひたすだけで完成する。知識も、技術も、いらない」
子どもだってできる。冒険初心者だってできる。
“ただのお風呂”に見えて、実際は世界のルールをぶっ壊してるのだ。
「……やっぱり、只者じゃないわね。セントリア」
イオの目が、少しだけ変わった気がした。
あきらかに、「ただの元悪女を見る目」じゃなくなってきている。
一方、エルメルマータは――
「やっぱり温泉! 温泉はすべてを解決する! ってことですねぇ~!」
……説明を、何一つ理解していないようだった。
まあ、いいけどね。
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