出発
魔除けをしっかり行った後……わたし、エルメルマータ、イオの三人は出発することにした。
アインス街長、そして、ルシウムが見送りに来てくれた。
奈落の森を突っ切っていくのが、マギア・クィフへと、一番の近道なのである。
「嬢ちゃんまた出かけるのか。忙しいな。少しはやすんでもいいと思うぜ?」
「慣れてるので問題ないです」
気を遣ってくれてるアインス街長。
だが彼は苦笑しながら言う。
「いや、そういう意味じゃあなくてな。ルシウムと長く休んでもいいんだぜって話よ」
「それは……それで別に計画してますので」
新婚旅行を、計画しているのだ。……まあ、それを実行する前に、次の問題が来てしまったのだけども。
「気をつけてくださいね、セントリア」
「はい……ルシウム様」
にこっ、とルシウムが微笑む。
「この件が片付きましたら、ゆっくりしましょうね」
「は、はいっ」
……よし、頑張ろう。
確実に、このミッションをこなすのだ。
「そこは、すぐ解決するじゃあないんですねぇ~」
御者台に座るのは、エルメルマータ。
彼女は馬車も扱えるのだそうだ。
すぐ解決する?
「問題の規模がわからないのですから、すぐに解決できるなんて、言えるわけ無いでしょう?」
「それはそうですけどぉ~」
……なぜ不服そうなんだ、この子は。
「では、お気をつけて。皆さん。イオも」
「はい、いってきます」




