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イオ


 ルシウムさまの膝の上に乗り、「パパ」と呼んでいた謎の人物――その正体は……。


「誰なんですかぁあああああああああああああああああああああああ!?」


「お、おちつくですぅ~……」


 エルメルマータが何か言ってる。けど、耳に入ってこない。どうでもいい。

 それより……この女、誰?


 誰なの!?


「へえ……パパ。この女が、新しい“妻”?」


 目を細めて、ニヤつきながら言うその女。……ああ、くそ。パパって呼ぶな。


「ええ、紹介しましょう。【イオ】」


 イオ――。それが、この雌豚の名前らしい。


「彼女はセントリア・ドロ。セントリアさん、こちらはイオ。私の……」


「パパの、大事な人でぇ~す♡」


 ……は、はは。

 ど、どうせアレだろ。自称“パパの大事な人”ってやつだろ……?


「だ、大事な人なんでしゅか……?」

「でしゅぅ?」


 しまった。動揺しすぎて、かんでしまった。

 でも大丈夫。どうせ、イオが勝手に言ってるだけ。


 勝手に言ってるだけだから。

 絶対、そうだから……!


「はい。イオは、私の大事な子ですよ」


「……………………………………」


 目の前が、真っ暗になった。

 もうダメだ……。ゲーム攻略に明け暮れて、愛想笑いのひとつもできない女なんて……捨てられるに決まってるんだぁ~~~~~~~!


「セ、セントリアさんがここまでポンコツ化するなんて……恋愛って、怖いですぅ~」


 いやだ……ルシウムさま……他の女と仲良くしないで……。

 わたしだけを……わたしだけを、大事にしてぇ……。


「で、マジで誰なんですぅ、あなた」


「イオ・ケミストよ」


「ケミスト……?」


「パパの、孫の一人よ」


 「なるほどぉ~……」と、エルメルマータが隣で何か言ってる。

 でももう、頭に入ってこない。理解が、追いつかない……。


「セントリアさん、聞いてましたぁ? トリムと同じく、この方も孫のひとり、ですってぇ~」


「……もうダメ……リスカしよ……」


「セントリアさんしっかりぃぃぃ!!」


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