第7話 目指す場所は、食料の枯渇
それでもやはりソラちゃんとしては行って欲しくないようで、私のことを心配してくれてるんだなんて自分に都合の良いように捉えたら怒られるだろうか
「危なそうだったら諦めて戻ってくるね」
少し拗ねたようなその表情に私はついソラちゃんの頭に手をのせていた
昔、誰かにしたように
のせてから振り払われるかもと覚悟したがソラちゃんはおとなしく頭を撫でられているだけだった
「……本音を言えばあまり行っては欲しくないですが、あなたがそう決めたのなら従いましょう、出来るだけ近くで待っていますからもし何かあれば……これを吹いてください」
ソラちゃんは自分の首にかけていた笛のようなものがついたペンダントを外して頭を撫でていないほうの手に握らせた
「……これは?」
「犬笛です」
「え、犬笛?」
犬笛ってあの犬にしか聞こえない音が出るっていうあの?
「ぎりぎり私に聞こえる周波数に設定してありますので聞こえたら助けに行けます」
「あ、ありがとう」
なんでそんなもの持っているんだろうとかまぁ思うところがないといえば嘘になるがソラちゃんの真剣な表情に突っ込むことは出来ず受け取って首にかけた
「ですが絶対に気をつけてくださいね、あなたは、死んでしまうのだから」
最後にそう呟いた彼女の瞳は揺れていて
私を通して別の誰かを見ているようだった