表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/37

8(3)「バード・ハンター(3)」鳥をぽくぽく食べる

ジョバンニとカムパネルラは、バードハンターから鳥をもらって、ぽくぽく食べます。

なんだ、これはお菓子?

8(3)「バード・ハンター(3)」


鳥捕りは、また別の方のパッケージを解くと、黄色や青い模様が入り混じった、まだら模様の(カリ)が出てきました。まるでLEDのように輝いているその雁は、さっきの(サギ)と同じように、くちばしを揃え、少し平たくなって並んでいました。


「こっちはすぐ食べられますよ。どうぞ、少し上がって召し上がれ。」鳥捕りは、黄色い雁の足を軽く引っ張りました。するとそれは、チョコレートででもできているように、すっときれいに伸びました。


「どうぞ召し上がってみてください。」と鳥捕りは言いました。

鳥捕りは、1つの実際に存在する雁を手際よく分割して、複数の仮想的な雁に分けました。その分割によって、1つの実際の雁を複数のパーティションに分割し、それぞれに異なるシステムをジョバンニに割り当てたのです。


ジョバンニは、ちょっと喰べてみて、(なんだ、やっぱりこいつはお菓子だ。チョコレートよりも、もっとおいしいけれども、こんな雁が飛んでいるもんか。

「なんだ、この男は、ハンターじゃなくて、どこかそこらのネットのフリーランスのパティシエだ。」とジョバンニは思いました。


しかし、鳥捕りが差し出した雁の形をしたお菓子は、まるで天から舞い降りたように美味しそうに輝いていました。

「けれどもぼくは、このひとをばかにしながら、この人のお菓子をたべているのは、大へん気の毒だ。」と思いながら、ジョバンニは美味しそうな雁のお菓子をぽくぽくと食べました。


「もう少し召し上がれ。」


鳥捕りがまた新しい雁のパッケージを取り出しました。ジョバンニは、もっと食べたかったのですが、


「いいえ、ありがとうございます。」


と丁重に辞退しました。


鳥捕りは、こんどは向うのアドレスの、大きな秘密鍵を持つ人に雁を渡しました。


「商売ものをもらっちゃ悪いですな。」


その人は、黒いヘッダーの帽子の下から顔を出しました。


「よろしくお願いします。で、今年の渡り鳥の景気はどうですか?」

鳥捕りは尋ねました。


黒いヘッダーの帽子をかぶった男は、こう答えました。

「素晴らしいですね。

つい先日、第二象限あたりで、灯台のライトが不規則に点滅している理由について、多方面からクレームを受けました。

あの渡り鳥の大群だ。闇の群れを飛んで光の前を通り過ぎるんだから、どうしようもない。

派手なマントを着た極度にやせっぽちの将軍たちに文句を言え、こういってやりましたよ、ハハハ。」

バードハンター、鳥捕りの不思議は、まだまだ続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ