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神様、私、かわいくなりたい♡

作者: 大熊 なこ

「私、かわいくなりたいの。彼氏にもっとかわいいって言われたいの。」

 今日も少女は、お月様にお願いをしました。

 月の神様はこのことを知って、彼女を綺麗にしてやってくださいと、彼女の細胞に伝えました。

 彼女の細胞は、

「月の神様からのお願いなら仕方ない!」

 そう言って一生懸命、彼女が可愛くなるように働きました。

 翌朝、目を覚ました少女は、鏡を覗いてビックリ仰天、加工した後のようにかわいくなっていたのでした。

 彼女は、今日もまた、かわいくなりたいとお願いしました。

 雲の神様がこれを聞き、彼女を美しくしてやってくださいと、筋細胞にお願いしました。

 筋細胞は、

「雲の神様からのお願いならば叶えるしかない!」

 そう言って、彼女の筋肉を動かし動かし、彼女の顔は昨日の何倍も美しくなりました。

 少女は、次の日もまた次の日もそしてまた次の日もお願いにお願いを重ねました。空の神様、夜風の神様、夜露の神様……。色々な神様が彼女の願いを叶えていきました。

 そして、ついに、デートの日。

 彼女は、誰もが振り返るほどの美しい少女になっていました。

「あ、健人くん〜!おまたせ!」

「え、君、誰?」

「私だよ!愛美!」

「君は僕の知ってる愛美じゃないよ。仮に君が愛美なのだとしても、僕はあの顔がすきだったんだ。じゃあね、バイバイ。」

 彼は、去っていきました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そりゃそうなっちゃうよね……。 でも彼よ! キミは顔だけが好きだったのか!?
[良い点] ありとあらゆる神々に愛されて、健人くんには愛されなくなった、という。 たとえどれだけ多くのものに恵まれたとしても、それが、本人が望むものとは限らない──という感じでしょうか。 非常に上…
[良い点] >月の神様はこのことを知って、彼女を綺麗にしてやってくださいと、彼女の細胞に伝えました。 こういう文章がすんなり出てくるところ、大熊さまの感性の恐ろしさを感じました(*´ω`*)
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