表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

秋の終わりに

作者: 鼎ロア
掲載日:2021/11/10


私は、一人。

彼氏もいなければ男の人との関係もない『喪女』だ。

男と一緒にいたい。

だからいろんな出会い系アプリ、サイトを漁った。


私が32歳になって『楓蔦黄(もみじつたきばむ)』時期、私はとうとう諦めた。

もう無理だと思ってしまった。

たくさんの出会い系アプリに手をつけてきたがまったく進展はない。

恋愛だけに意識が向いていてしまい、仕事にもついていない。

こんな私に腹を立てたのか両親は私を家から追い出す始末だ。


だから、私にはもう、無理だった。

今となっては男を思うだけで気分すら悪くなって来る。

どうにもできないこの辛さは私を蝕んで行く。

毒が体を回るようにどんどん、どんどんと侵食していくのだ。


とうとう住む家もなくなったある日、腐れきっていた私に男の子が前に立った。


「お姉さん、なんでお姉さんはそんなにダメダメなの?」


まるで私を知っているかのようにその子は話しかけてくる。

「なによ、子供には関係ないわ」


その子を押しのけて進もうとする。

するとその子共は再び私の前に立ち塞がった。


「お姉さん、僕が助けてあげようか?」

その瞬間、その子がとてつもなく悪に見えた。

表情では光っているが中に入ると暗くなってしまう。

そんなオーラがその子から放たれていた。


「なによ、子供には心配されるほど私は落ちぶれてなんかいないわよ」

先ほどまでと同じような口調になったが、わかりやすく強く言った。


「お姉さんは今を逃すとこのあとどうすることもできない。そうでしょ?」

「もし君に助けを乞いたとして君になにができるの?…………君みたいな子供が、一体私になにをもたらしてくれるの?」


するとその子は不適に笑う。

今までの明るいオーラが消え去り中にあった邪悪なオーラが外側に出てきていた。


「僕はね、子供じゃないんだよ」

するとその子は手を伸ばす。

どんどん、どんどんと腕は伸びていき、ついに子供の手が地面に垂れていた。


「な、なによ」

怖くなり一歩下がる。

怖い、怖い。

そういう恐怖心が体を震わせていた。


「ねえお姉さん。僕と契約してよ」

すると何もない空間からペンと紙が出てくる。

「それにサインして。そしたら僕がなんでもお姉さんの願いを叶えてあげるよ」


非現実的な言葉が私の耳には届いた。

(これにサインすれば願いが叶う……?)

どうしようもない状況に置かれていた私を、地のどん底に落ちていた私を、この契約書にサインするだけで変わる。

そう、気づいた。

私はなにも考えず、ペンを手に取った。

そして契約書にサインする。


「これで願いを叶えてくれるの?」

「うん、もちろん!!

それじゃあ、願いをどうぞ?」


答えは、もう決まっている。

散々な人生を送ってきたんだ。

こんな人生なら、


「──私の人生をやり直させて」


そうお願いする。

すると子供は手を前に出す。

細長い腕が少し宙に浮き、垂れた腕が地面から離れる。


「ハハ、いいじゃない、僕がその願い叶えてあげるよ」

次の瞬間その手からブラックホールのような暗闇が写る。

その暗闇は私を包み込み、やがて視界は真っ暗となった。


さようなら私の人生。

──そしてはじめよう、私の人生。



「まあ、君は記憶を失うからこれからも同じ人生を歩むんだけどね。

だってお姉さんの願いは“人生をやり直したい”、そういうことだもんね?」



最期にその言葉と子供の笑い声が聞こえ、意識は途絶えていった。


Thank you for reading!

お題は「楓蔦黄」、「喪女」でしたあ。

実はイベント内で書ききれなかったんですよね、はい。(20分内)


ちなみに最初はこの物語だとハッピーエンドにするつもりだったんですけど、やっぱりバッドエンドにしました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 素晴らしい作品ですね! ☆5個つけさせて頂きました。 これからも頑張って下さい! 応援してます。
2021/11/10 19:29 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ