Иο1:プロローグ
時は18世紀末、100年戦争という長き戦争で人々は飢えていた。
まず、ことの発端はこの戦争に出向くことにさせられた1人の少女から始まる。
その少女の名はナーバス。神空仏という村に住んでいた。容姿は淡麗であり、ルオは幸せになると皆が思った。
ナーバスが2才になるある時、政府がこの村に訪れ、こう言ったそうだ。
「この子供は次なる神だ。前任からの名前を受け継ぎ、神音ルオと名乗らせろ。そして神となるために、両親から離れさせて暮らさせろ。」
ここからまた分からないことがあると存じる。
神やら前任やら...ただの子供ではないかと。
これはこの世界に伝わる言い伝えである。
『前任の神が死んでから、一年の間に新たなる神が生まれる。右目が赤眼の子供がその神だ。』
歴代の神を思い返してみると、確かに右目が赤眼であった。
他にも特徴があり、その神になったものは世界1の魔術師となるのだ。
そうなることが予想されたため、わざわざ政府が長旅をし、この神空仏に出向いた訳だ。
なんせ100年戦争はその名の通り100年続く、もう既に終わっているが、この時は一番大変な時だったそうだ。
そのため、1人でも多くの戦士が必要であった。
神ともなるナーバスがこの戦いに参戦したら、勝ちは決まりなわけである。
が、しかし、こんな2才の子供では役にたたない。
ナーバス...いいや、これからは神音と呼ぼう...。
神音が戦地へ立つのはこの時から8年先となった。
その8年間は、これから後に明かすとしよう。
時は経ち、神音参戦から2年が経つと、ようやく100年戦争は終幕した。
そして神音は勿論生還し、今神空仏に帰ろうというところである。
この日のために、長老のフローは神衣を戦地の神音に送り、神音はそれに腕をとうし、また村人に会えるのを心まちにしていた。
神音は自分がなぜ神に選ばれているのかを知らずにいた。
そして、彼女はその証を戦地で失っていた。
「みんなっ!!ただいま!」
神音は村につくと、馬から飛び降りすぐさま皆に挨拶をした。
「神音さまっ!!ご立派になられて...僕は感動していますっ。もう12才ですからね...」
彼の名はピーター。
3年間神音の教育係りを勤めていた。
彼はまだ20才であるが、とても優秀な男であった。
「神音さま...わしはもう長くない...早く赤眼を拝ませておくれ...さっ包帯なんて外して」
「ごめんなさいフロー...私、戦争で右目を亡くしたの....。」
この一言で村はざわついた。
当の神音は何がまずいのか分かっていなかった。
「大丈夫よみんな!心配しないで...」
神音が笑顔でそういうとフローは俯きながら呟いた。
「神音...いや、ナーバスは堕ちたのだ...ライエンダーだ!!」
ライエンダーとは堕ちた神という意味である。
この日から、世界で通用する権力を神音は失ったのであった。
同時にすむ場所と絶大的な人気も消え失せた。
そして、すべてを失った神音は政府、100年戦争に恨みを持ったのだった。