第4話 攻撃スキル
ズッ…
「《は?》」
大賢者とハモってしまった。それも無理はない。もうほとんど魔力が残っていないため気づけなかった。
魔獣が生きていた。
魔獣は力が入ってないようだか、小刻みに震える体はこちらを向き、目はこっちを捉えていた。
「…大賢者あいつを楽にさせる方法を教えてくれ」
《魔獣に慈悲なんか要らないわー》
こいつの声なんかもう聞こえない振りをしよう。
魔力が回復してきた。
《新しいスキルをゲットしたっぽいよ》
それは朗報だ。
《『切断者』だって。効果は任意のオブジェクトに瞬間的に魔力を飛ばし切断することが出来るっと…》
なるほど今に最適なスキルを手に入れた。
「スキル『切断者』を使用」
スっ ドシャァ…
その音と共に魔獣の首が地面へと落ちた。
『座標認識』のおかげで驚く程正確な位置に魔力を込め切断することが出来た。
魔獣の体はほとんどを魔法元素で構成されているため、血液はあっても、その量は非常に少なく、血液で辺りが濡れることは無かった。
「ふぅ……疲れた」
《本当ですよ》
お前は何もやってないだろ!と突っ込みたい気持ちが
あったが少しだけ情報をくれたため言葉を飲み込んだ。
《スキル『虐殺者』をゲットしたよ。効果はちょっと待ってね》
スキルに自分のやったことを考えさせられるとは……
………。
《スキルの解析が終わったよ。効果は物理攻撃と共に精神的なダメージを負わせることが出来るって》
なんて酷いスキルだ。一応、「大賢者『虐殺者』は封印だ」
《わ…わかったよ》
「っていうか俺自身を解析出来るのか?」
どうせ無能なんだ、結果はわかっt
《やれるけど何もわかんないよ》
ちっ…やっぱりか。期待はしてなかったが。
とりあえずここにいるのは危険だ、町とかまで歩こう。
町なんかあるのか?まぁいいとりあえずこの見渡しの悪い森から抜けよう。
しばらく歩いていると川を見つけた。
「この川をくだろう」
川の周りから文明が発展するはずだ、川を下れば町に出れるはずだ。迷ったら負けだ。どうせ寝なくても食わなくても死なないんだ。
歩こう。
ちょっと残酷でしたかね?
???スキル
○常用スキル
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』
・『切断者』・『虐殺者』