第1話 理不尽な死
投稿始めます。
—とある雨の日……いや待てよ俺引きこもりだから雨とか関係ないか。
外では雨がポツリポツリと音を奏でている。
道路のコンクリの間に入ったホコリを濡らし雨の日の独特な匂いをだしていた。
まぁ俺には関係のない事だが。
俺は30代のおっさんだ。家の中で特にやることも無くネットに生きている。ここだけが俺の生きがいだった。
趣味はゴルフなどのおじさんじみたものではなく、アニメを観る事や、ラノベを読むことだった。
新作のゲームももう全クリしたし。
特にみたい動画とかも更新されてないし。
やりたい仕事もないし。
いやこれは言い訳に過ぎないか。
そんな中で隣にある本棚に俺は手を出した。前から気になっていたラノベがあったのだ。
買ってはいたが読んでいなかった。1巻が注目されていて買ってあったので俺はそれを読むことにした。
やがて2時間もした頃には読み終わっていた。
非常に面白かった。どんな話かと言うと、宇宙から来た謎の感染体に対し、特殊能力を持った主人公が立ち向かうという在り来りな物だった。
しかし非常に面白かったのだ。
2時間、仕事など3分で飽きてしまう俺にすればものすごく長い時間だ。
それだ夢中になれたのだ。
俺はどうしても続きが気になりパソコンを開きネットで調べた。
「続編出てんのか……買いに行くか……」
ネットを見ると2巻、3巻の感想が書きこまれていた。
俺はゆっくりと立ち上がると横にかけてある黒いパーカーを着た。
俺はラノベの続きを買いに久しぶりに外に出た。
歩きなれてないニートの足は外へ出ることを拒絶するかのように重かった。
「外は雨か……」
俺は雨雲で覆われた空に1つため息を零しながら言う。
早く買って帰ろう。
歩いて3分程のところにある本屋に向かった。
そんなに近くに本屋があるのは非常に良かった。下手にネットで買って時間がかかるよりこっちの方がよっぽどいい。
ただし人と喋ることになってしまうが。
まぁ別に俺は人と話せない訳じゃない。
実際親や兄弟に「働け」と言われる時に上手く流している。
俺の話術は変なところで上がっていたのだ。
歩いているとあと少しのところで信号に引っかかってしまった。
目標の本屋は目の前に位置している。もうすぐに見える距離だ。
都会という訳でもないこの地には車はあまり通ってない。
道路交通法に違反しても余裕で渡りきれる自信がある。
運動神経は悪くはないと思う。勉強のできない俺は学生時代は運動部だった。
だが今のこの情けないくらいに巨大化した体では走ることすらままならないのだ。俺はちゃんと信号を守っていた。
その時、
「うっ……なんだっ」
激しい目眩に襲われた。後頭部ら辺からトンカチで叩かれたかのような痛みが全身に走る。
非常に気持ち悪い。
平衡感覚も失い始めた。
《ハックション》
「気持ち悪い…オ゛ェェェェェ」
体が激しくふらついている。
ふらつく体はゆらゆらと揺れ道路へ向かう。正直意識が朦朧として道路に出てることに気付けなかった。
トラックがこちらへ向かってる事も。
視界は半端ないくらいぼやけている。
《君が僕のぉ……》
少女の声が聞こえる。というか、脳に直接響くようだ。
この目眩に加えて幻聴まで聞こえだしたのか?
「兄ちゃん危ないっ!」
どこからか低いおっさんの声が聞こえる。
目眩がさめ始め視界が元に戻りつつあるその時、大きなクラクションの音と一緒に鈍痛が上半身を走る。
どうやらトラックに跳ねられたらしい。痛い……とにかく全身が痛い。
トラックは減速をしていたようだが俺が急に飛び出したが為にぶつかってしまったのだ。
俺は遠くの地面まで飛ばされ転がった。
跳ねられた俺はしばらく道路の端を転がった。
丸く肥えた体はよく転がった。
減速し仰向けの状態になる
意識はまだある。
不幸中の幸いかどうやら即死は免れられたようだが、死んでもおかしくない。
こんなに痛みが伴うなら即死の方が良かった。
そう思えるほどに辛かった。
《おぉー新しいスキルだね。『物理耐性』?だって》
また少女の声が聞こえる。この声は一体なんなんだ。
正直うるさい、邪魔だ。
《そんな事言うなよー。ん?また新しいスキルだー。『環境効果無効』だって》
なんで心を読んでやがる。いやそんなことを考えてる暇はない。
今はとにかく痛みを堪えるのに必死だった。
「誰か救急車!早く呼べ!」
おっさんの声が場に響く。
おっさんありがとう。嬉しいよ。
俺も・・・くそ力が入らない。
周りの悲鳴やらは少しずつ消えていく。
《また新しいスキルだ!『身体能力強化』だって…》
その瞬間から背中に熱さを感じた。
熱っこれ血か?こんな熱いんだな。
失血していた。血液は自分が思っているよりも高温で肌を焼くように温めた。
《すごっ『炎属性耐性』だって…良くわかんないけど》
まだ何か言ってやがる。くそ頭も回らない。
元より頭は使える方ではないがそれでも回らない。
こんな状況になって嫌な妄想ばかり繰り返してしまう。
《おっ『思考加速』もゲットだって》
くそ時間がもうない早く助けてくれ。
いやこれ助かるか?
いくら時間があっても無理なんじゃないか?
そんな考えが頭をよぎった。
出来ることなら時間を戻したい。家にいる時の時間まででいい。……いや欲を言えば学生時代まで戻したいが無理だ。せめて……せめて………………。
ふふっ、後悔ばかりだな……。
《ん?これは珍しいね『時間の管理者』だって》
さっきからこいつは何言ってやがる。
本当に幻聴しか聞けなくなったか……。
くそ意識がもってかれる……。
俺は自分の意識が失われているのを感じた。
失血による酸素不足で思考できてないのだろうか。
それとも純粋にパニクっているのか。
それすらも分からない。
意識を保ち続けろ!…
それだけが今の目標だ。
俺は絶対に死にたくない。
まだやり残したことが沢山あるからな。
《おっ?なにこれー……『意識拡張』だって…どういう意味だろ》
さっきから少女がうるさすぎる。頭が回らないが何か言ってるのは分かる。
くそ息が上手くできない…動けない…意識が…
《おっ!『生存能力強化』と……『座標認識』だってどういう意mΔ》
「死に…た…く………あ…」
《こ◆も♯アだね。えーっ■…『魂保存』だって》
さっきまではあたりの声はもう聞こえないのに、少女の声だけ聞こえてた。
なのにそれすらも今は聞こえなくなっている。
…完全に何も聞こえなくなった。
俺はこんなふざけた少女の声を聞きながら死に絶えた。
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「ん?ここ…は」
真っ暗で何も無い空間で俺は目を覚ました。
周りには何も無い。自分の存在すらも感じない。
「死んだのか?」
そう思い生前のことを思い出す。
1つあの世界にやり残したことといえば……
「あのラノベの続きが気になるう゛う゛う゛う゛う゛あー未練で きちゃった。はい萎えたー」
彼は小学生のような語彙力ですが、一応30代のおっさんです。
いや30代はまだおにぃさんだと思うのだがな。
俺は何も無い空間で謎の余裕をかましていた。
すると、
《やっほー》
どこかで聞いたような声だ。
楽観的な子供のような声でいて、どこか大人な声。
聞くだけで寒気が走るような嫌な思い出に付き添った声。
「はっ?誰だよお前」
《さっきも一緒に話したじゃない》
俺の疑問に対して少女はそう答えた。
こんな少女と話した覚えは……
「って!、お前かぁぁぁ!!! 」
この声の主は死ぬ寸前ずっと何かを話していた少女だった。
「お前ずっとうるせぇよ!」
《酷くなーい?》
「てか車に跳ねられる前からなんか言ってたよな?」
《君に呼ばれたからね》
「呼んでねぇよ!」
《そんな事言うなよー》
「てかここはどこだよ!お前は誰だよ!」
周りは何も無い真っ暗な空間が続いていた。
ここではなんも感じない。やはり死後の世界なのだろうか。
だとしたらこんな少女と一緒なのは嫌だなぁ。
《ここ?んーどこだろうね…わかんない!》
少女は俺の疑問に対してそう答える。
無能めっ。うるささの割と情報量、質が比例していない。
《そんな事言うなよー》
「だから俺の心の声に干渉してくっ…んn」
その瞬間意識を失った。
意識を失う瞬間ですらその世界では何も感じなかった。
ただ意識だけがスっと吸われるように意識を失った。
2度目の死か?
どちらもだいぶ変な……
理不尽な死に方をしたもんだ。
死んだと思っている俺が目を覚ますのはこの後、異世界に転生してからになる。
いま、異世界の伝説が始まろうとしていた。
第1話をお読みいただきありがとうございました!
これからどんどんと発展させて行きますので良かったら続きもお読み下さると嬉しいです!
良かったらブックマークにでも入れて下さい( ˊᵕˋ ;)
追記
50話まで書くと最初とは全然成長していると感じます
良かったら読み進めて下さると少しづつ文章がマシになって行きますので読んでくださると本当に嬉しいです!
それで気に入ってくれましたら☆での評価やブックマークへ入れて頂くと本当にモチベーションに繋がります!
???スキル
○常用スキル
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』