3話 人間語と魔術
俺が生まれてから大体一年が経ち...一歳になった。
この国の言語もだいぶ覚えてきて、両親の言ってることもちょっとずつわかるようになってきた。
最初は全くわからなかったが...日本語と共通点があることに気づいてからは覚えやすくなり、徐々に覚えられた。
ママやパパとからかうように呼ぶと素直に喜んだようで俺もなんだかいい気分になる。
言語がわかったおかげで俺の新しい名前や、この国のことなどがわかった。
どうやら俺はノアと言うらしい。
父親はイーサン、母親は???という名前だ。
そしてどうやらここは魔法都市ココというらしい。
.............................そうだ、俺は気づいてしまった。
本当にここは異世界だったんだ。
何度も異世界転生でハーレムむふふを妄想したことがあるが本当に異世界転生できるとは...!
『神様よ!ありがとうッ!』
魔法都市というだけに人々の生活は魔術に依存しきっている。
火をつけるのも魔術、風呂も魔術。
まあ地球の人々が便利な電気やガスを頼りにしているのと同じ感じだ。
何度も愛しのマミーが魔術を唱えて火をつけていたところを見たことがある。
俺もいつか魔術を扱える日がくるんだろうか?
そして俺の異世界ライフは魔術だけじゃない!
ただで美女の乳を吸えるのだから最高だ。
まあ母親だからか体が赤ちゃんだからか知らないが全く興奮はしないし勃ちもしないけどな。
前世の俺が今の俺を見たら羨ましすぎて発狂して襲いかかってくることだろう。
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〈数ヶ月後〉
俺はすくすく成長して順調だ。
最近はやっとハイハイができるようになり、家のいろんなところに探索しに行っている。
今日はパパンの部屋らしきところに入る予定だ。
ドアを開けることができないので今までは入ることができなかったが今日はいつもと違い、少しだけ開いているのでそこから入った。
初めて見るパパンの部屋は相当散らかっており、本などが五冊ほど床に転がっている。
散らかっているけど前世の俺の部屋ほどでもないがな。
本に近づこうとした瞬間、後ろから足音がし、ママンが近づいてきた。
「もうノアったら、ダメじゃないの。勝手にお父さんの部屋に入ったら。どうやって入ったのかしら。」
入っちゃいけない部屋だったのか。
「ママ、ごめんなさい」
「いいのよ。ノアは素直に謝って偉いわね。」
頭をなでられた。
親っていうのは素直に謝れば許してくれるものなんだよな。
前世の親も...そうだった気がする。
それよりこの本はなんなんだろうか。
いっそのこと聞いてみるか。
「ママ、この本なに?」
「ん?ああ、この本はね。お父さんが魔術学校に通ってた頃に使っていた魔術の教科書よ。その頃にお母さんはお父さんと知り合って恋に落ちたのよ。懐かしいわぁ」
ほーん。この世界にも一応学校はあるのか。
学校...嫌な思い出しかないけど魔術学校か...。
学校に行かせてもらえるかどうかわからないけど家は以外と貧乏ってわけでもなさそうだし...。
魔術、楽しみだなぁ。