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辺境伯領に着きました。
馭者のおじさんに、お礼を言ってお別れ。
とりあえず、今日はもう宿を探さないとね。
それにしてもこの町、王都と違って半獣タイプが多いわね。
つまり顔が犬で、そこから下が尻尾の生えた人間。
暫く町を歩いてみたけど、やっぱり私みたいな人型の人が少ない。
人間にイヌミミと、尻尾が生えているタイプね。
中には二足歩行の犬が服を着ているのもいるし、酷いと四つ足で服を着た犬にしか見えない人も……
そのうえ、ほんとにただの犬に服を着せて、散歩している人とかまでいて、獣人なのかただの犬なのか判別出来ないのが多くてもう訳わかんない!
ここで生活するのたいへんかも……
皆んなどうやって見分けてるのよ~。
明日になったら、リュウ様に会うのにピッタリの服を買って領主館に行かないとね♪
(後日…)
くっ!コレは…まさかこういうオチだなんて、考えつかなったわ。
憧れのリュウ様が…リュウ様が…半獣タイプの獣人だったなんて~!
しかもこの人、白犬は白犬でもアヌイーじゃなくて、違う犬種の人でしょ~!!
しかもおっさんじゃん!
「え~と、カイ家のキクカ嬢のご紹介でいらしたサクラさんですか。
実はこの子の世話を頼みたいんだが。」
そう言ってリュウ様が、私に紹介してくれたのは柴犬の子犬。
「えーと、この方は?」
なんかやな予感が……
顔を引きつらせながら聞いてみる。
「俺の愛するアヤメたんだ♡」
やっぱり~!




