お告げによる婚約1
(ツバキside)
私の名前はツバキ。
薄茶色の毛並みを持つ、アキタ侯爵家の一人娘。
これでもアキタ家の中では白い方なのです。
10歳の時お母様がお亡くなりになり、
12歳の時【北海国】のブリーダー神様のお告げによって、王太子リク様との婚約が決まりました。
同じ犬種同士の結婚を繰り返し、アヌイーの王位継承権を持つ男児の出生率が下がった為です。
私の他にも侯爵家や伯爵家の他犬種の令嬢方もそれぞれの、アヌイーの令息様方との婚約が決まりましたわ。
その令息様方は皆さま、リク殿下の側近候補の方達です。
しかし彼等は他犬種の私達を、受け入れてはくれませんでした。
お城で開かれるお茶会でも、私達を放って置いてご自分達だけで集まっていて、まったくコミュニケーションが取れません。
近づくだけで威嚇して来るのです。
なので私達も令嬢同士一緒にいる事が多くなり、直ぐに仲良くなりましたわ。
そんな中で唯一仲良くされていたのが、辺境伯のキシュウ家のリュウ様とシバ家のアヤメ様。
アヤメ様は小柄な方ですが、刀術や狩りはなかなかの腕をお持ちですの。
辺境伯家にはピッタリの組み合わせですわね。
しかし他の方々はリク殿下とご一緒で、アヌイーの特徴である真っ白なイヌミミと巻尾を持たない私達が、気に入らない様です。
他犬種の私達と結婚して子供が出来ても、我々【北海国】の民は父方と母方、両方の犬種の子供を産む事が出来ますのに、何故同じ犬種にこだわるのでしょうか?
ブリーダー様もきっと、それを踏まえて各家に婚約者をご紹介してくださったのでしょうに……
そしてもう少しで王立学園に入学という14歳の冬にお爺様も亡くなり、婿養子のお父様がアキタ侯爵家を代理で継ぐ事になりました。
残念ながらこの【北海国】では未だに男性しか家を継げないのです。
なのでこのアキタ家を存続させる為にも、私は2人以上の男子を産む必要があるのです。
それ以外にも対策は取ってありますけど。
それなのにリク殿下は私を嫌っています。
このままあの方と結婚しても、大丈夫なのか心配です。
やはりあの計画を実行した方が、良さそうですね。
近いうちにあの人を呼び寄せようと思います。




