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何とか騎士団に潜り込む事に成功したけど、私に割り振られた最終的な仕事は騎士団の洗濯婦。
洗っても洗っても終わらない……
最初は良い雰囲気で、皆んな優しくしてくれていたのにイベント通りにドジっ子で、料理の乗った皿を何枚か落として割ったら、調理場の人達にもの凄く怒られたの。
「料理の乗った皿を落として何枚も割るなんて!」
「テメェ…態とやっただろ!
バレないとでも思ってたか!!」
「役立たず!料理と皿の弁償代はお前の給料から引いとくからな!」
「ちくしょう!このままじゃ間に合わないぞ!」
「仕方ない!休みの奴と従騎士で手の空いている奴らも呼んでこい!!」
「材料費いくらかかると、思ってんだよ!!」
「おい!いつまでそこに突っ立ってる!?
サッサとお前が落とした料理と皿を片付けろ!!」
「返事は!?」
「は…はい!」
嘘…なんでこうなるの?
アラシ様が来て助けてくれるんじゃなかったの?
《サクラの借金が増えました。大銀貨8枚。》
えっ!?何…今の声?
まるで、ゲーム内でスキルを覚えたり、レベルが上がった時に流れるアナウンスみたいな声!
ガシャン!
ビックリして、またお皿を落としてしまった。
《サクラの借金が増えました。銅貨5枚。》
ヒッ!?
「ちょっと、アンタやる気あんの?」
「アラシ様の紹介だから、仕方なく雇ってやったのに、邪魔にしかならない。
悪いけど、他に移ってくれ!」
こうして、私は騎士団の調理場を追い出された。
嘘でしょ?
コレじゃ騎士団の胃袋を掴む、イベントが出来ないじゃないの!
注:サクラは食中毒を起こさせるぐらい、料理が下手です。




