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えっ!?賠償金大金貨18枚?
嘘でしょ?
タイガ様とのイベントの為に、ゲームより派手にやっただけなのに?
ガラス温室のガラスだって、ゲームのイベントより5~6枚くらい多く割れちゃっただけだし……
ガラス1枚が大金貨1枚って高すぎる!
後で聞いたら、あれだけ大きなガラスは作るだけでかなりの金額がかかって、更に輸送するのが凄くたいへんな作業。
あのガラス温室は裏手にある家が建つ前に作らせた物なので、今から入れ直すとなると莫大な費用が掛かるんですって!
そんな事、ゲームにも設定資料にも書いて無かったわよ!!
賠償金額のあまりの多さと、チン侯爵家との契約を勝手に破棄した事に、地方視察から戻って来た神官長をしているタイガ様のお父様は激怒し、原因である私を神殿から追放したの。
ありえないでしょ!
「ごめんねサクラ……父上が家では飼えないって言うんだ。」
飼えないって…私は捨て犬か!?
「そんな!タイガ様…それでは私どうすれば良いのですか?
実家には帰れませんし……。 」
耳を伏せ、尻尾を垂らして上目遣いでタイガ様を見つめる。
今までコレで落ちなかった男は実家の元家族くらい。
「ごめんね…私が君を飼ってあげられたら良かったんだけど、もう無理なんだ。
春になったら、学園に行かないといけないし……
それにもう、私には君を飼う資格がないんだ。」
飼う資格って何?
「昨日、賠償金を負けてもらう事を条件に、チン侯爵家のスズランの婿養子になる事が決まったんだ。」
それって賠償金を負けてもらう為に、身売りしたって事!?
嘘でしょ?
「ち…因みに、おいくらに負けて頂けたのでしょうか?」
私は真っ青になりながら、タイガ様に残金が尋ねた。
「何と大金貨8枚も負けてくれたんだよ。
私も頑張ったんだけど、これ以上は無理だそうだ。
残り大金貨10枚分、頑張って借金返済するんだよサクラ………… 。」
えっ…大金貨10枚って日本円で1億円じゃないの!!
無理っ!無理よ!!
「後、悔しいけどサクラの面倒を見てくれるって言う、友人を紹介するよ。
騎士団長の息子のアラシは、この前紹介したから知ってるよね。」
その後、タイガ様は何かいろいろ喋っていたけど、よくわからなかった。
最後に自慢げに薄紫色の婚約チョーカーを見せてくれたわ……
アレってどう見ても首輪よね?
あんた犬じゃなくて犬獣人よね?
何このオチ?ドン引きよ!
(注:この風習は北海国だけの伝統です。)
しかもいきなり借金1億円って…そんなのシナリオに無かったわよ!
話しが違うじゃない!!
これからどうすれば良いの?
というか【ルート選択】したはずなのに、どうして?




