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英雄はもう一度世界を救う  作者: カンゴリン
第一章 転校生は驚きの人物!?
19/19

膝枕

投稿遅れてすみませんでした

 (ううん? なんだか柔らかい何かで寝ているような気がする・・・。)


 そう疑問に感じつつも再び微睡もうとすると、


 「龍、起きたの?」


 そんな声が聞こえた。


 (・・・えっ!!!)


 その言葉を聞いた俺は慌てて立ち上がり声の主を見る。


 「おはよう、龍」


 「しょ、昌子!?」


 声の主が昌子だと分かった瞬間、自分の現状を思い出す。


 (アテナを倒して確かそれから・・・ああ、気を失ったのか)


 状況から察するに気を失った俺を昌子が救出し、体の痛みが消えているところを見ると昌子が癒してくれたのだろう。


 (それは分かったけど、何で膝枕?)


 俺の記憶が正しければ昌子は幼なじみである俺を人一倍こき使っていたはずである。

 とてもじゃないがそんな昌子が俺なんかのために膝枕をしてくれるとは思わない。

 そう思い訊ねてみると、


 「私がしたかったから?」


 「なぜに疑問系?」


 やれやれと呆れながら首を横に振る。

 昌子本人は至って真面目なのだが少しばかり天然なために時々理解に苦しむような行動をする。

 今回もその一つだろう。


 そう判断し、昌子にお礼を言ってから立ち上がろうとすると、


 「まだ寝てなきゃ駄目だよ龍」


 がっしりと肩を掴まれて引き戻され、また膝枕をされてしまう。


 「えっ!」


 その突然の奇行に驚きながら昌子に問う。


 「急に何さ昌子?」


 「杏奈ちゃんがチャンスがきたって言ってたから。」


 その言葉を聞いた俺は、


 (あ、あの女! 勝負に負けた仕返しをこんな方法で返しやがった!)


 内心この状況を作り出した犯人を恨む。


 (大体、昌子は俺のことが嫌いなんだ。 最初からこんなことするわけないんだよ!)


 これでさっき疑問系だったのにも納得がいった。

 えっ、何で昌子が俺のこと嫌いか分かるかって?

 そんなの日頃の俺への態度見てりゃ誰だって分かるさ


 「杏奈覚悟しとけよ~」


 帰ったらどんな仕返ししてやろうか考えていると、


 「杏奈ちゃんがどうしたの?」


 どうやら心の声がでていたらしい。

 上を見上げてみると少し怒ったような顔をした昌子の顔があった。


 (それにしても相変わらず美人だよなあ昌子って)


 最近全く会っていなかったために全く関係ないそんなことを思っていると、


 いきなり顔を掴まれた。


 「な、何で!?」


 「杏奈ちゃんがどうしたの?」


 少し怒気が強まった声で先程と全く同じことを問われた。

 このままでいると俺の顔が大変なことになりそうだったので正直に答える。


 「いや、こんな状況を作った杏奈にどう復讐してやろうかなーって、痛テテテ!! 顔潰れる!!」


 正直に答えたら手の力が強まった。


 「龍は嫌なの?」


 「嫌じゃない、嫌じゃないから手放して!!」


 そう言うとやっと手を離してくれた。


 「ふう、顔がつぶれるところだった。」


 そう安堵しながら今度は俺が問う。


 「逆に聞くけど俺に膝枕なんてして昌子は嫌じゃないの?」


 そう聞くと昌子は首を傾げて、


 「さあ?」


 「うん、俺のアイアンクローの痛み返せ」


 「はい」


 昌子はそう言いながらまた俺の顔を掴んでくる。

 そうなると当然、


 「痛だだだ!! 違う、違うよ昌子!! 返せってのはその返せじゃない!!!」


 まあ、こうなる。


 痛みに耐えつつ必死に抗議すると手を離してくれた。


 (ふう、恐ろしくてうかうか冗談もいえない。)


 内心そんな冷や汗をかいていると、


 「じゃあどの返せ?」


 「いや、それはもういい」


 これ以上何か言っても俺に不利益しか及ばない気がするので話題を変える。


 「今どうなってるか分かる?」


 そう聞くと、


 「ついさっき麻友が負けたって」


 「そっか!」


 それは吉報だ。

 素直に援軍として行ってもらったが、翔大の性格からしてひとりで倒しただろう。


 (どうやったのかな~?)


 翔大のことだからなんとか上手いことやったのだろう。


 ーーうっかりして負けそうだったのは本人達だけの秘密である。


 「じゃあ、あと残ってるのは空だけ?」


 「うん」

 

 「そっかー」


 その事を聞いてしばらく考えてから、


 「昌子」


 「何?」


 「ちょっち協力してくれない?」


 「うん」


 昌子に協力を頼むとあっさりと承諾してくれた。


 「弓と矢を神聖力で作ってくれない?」


 「ちょっと待って・・・、できた」


 「ありがとう」


 お礼を言いながらそれをうけとる。


 「何に使うの?」


 そう聞いてくる昌子に俺は、


 「ちょっとした保険さ」


 そう言いつつ俺はここから見える空の城に弓を向ける。


 「あの辺かな?」


 「多分」


 どうやら昌子は俺が何をしようとしているかわかったらしい。

 腐っても幼馴染である。


 弓を構えて、


 「つがえて、うねろ」


 そして放つ。


 「【スクリューアロー】」


 その言葉とともに鋭く回転しながら矢が城に向けて放たれる。


 しばらくして、


 「当たった?」


 そう昌子が聞いてくるが俺は首を横に振る。


 「うんにゃ、避けられたみたい」


 「そう」


 だが、その数秒後


 「山上空 リタイア」


 その放送が聞こえてきた。


 その放送を聞いた俺達はしばらく固まり、


 「り、リタイア!? あの空が!?」


 慌てながら復帰した。


 (空がリタイアなんてありうるのか!?)


 どこまでも勝ちにこだわるあのバカが自ら負けるなんて絶対にありえない。


 今まで一緒に戦い、尚且つ殺し合うことすらあった俺はある程度空のことを知っているために余計戸惑っていると、


 「あっちで何があったんだろう?」


 昌子がそんな疑問を口にした。

 

 「確かにね・・・」


 俺も昌子に続いて同じことを考えていると、


 「尚、代表者が退場したのでこの勝負南東英雄育成学園の勝利となります。」



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