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迷宮の釣屋《ルアー》

作者: 真田 蒼生

ほのかに光る(こけ)のようなものが張り付いている通路を止まることなく走り続ける。背後からは多数の生物の唸り声と、駆けるような足音が聞こえる。


「おっと」


嫌な予感がし、少しかがめば頭の上を大きめの石が通り過ぎていった。あぶないあぶない。


「そうそう、ちゃんとついて来いよ」


ほくそ笑みながら、手に持った端末を使用し、とある場所に連絡を入れる。そしてまた走り続け、やがて開けた場所へと出る。そこには各々がそれぞれ武器を持った3人組が待ち構えていた。


「まってたぜ」

「おうおまたせ、そっちの準備は?」

「万全だ!」

「そりゃよかった。じゃあ来るぞ!」


そういって、走るのをやめて振り向く。俺が走ってきた通路からは、様々な異形の生物ーー魔物がこちらへ向かって来ていた。


「さがって!--《ファイアーボール》!」


3人組の中の、ローブを身に付けた人物が、魔法を放つ。人の頭くらいの大きさの火の玉が数個、魔物たちへと飛んでいき、小規模な爆発を起こす。ただ走っていただけの奴らはそれをもろに受けた。


「うっしゃ、いくぞ!」


3人組のうちの剣と槍を持った二人とともに、剣を抜いて突っ込む。魔法を受けてひるんでいる奴らを片っ端から切り倒していくだけの簡単な作業だった。やがて俺を追いかけてきた魔物たちはすべて倒され、あとにはその魔物の死体だけがのこった。


「よーし、大量大量。じゃーはぎとろーぜー」

「おー」


各々が剥ぎ取り用のナイフを使い、魔物の素材をはぎ取っていく。あらかたはぎ終わったあとに、もう一度集まる。


「それじゃ、これが報酬分な」


そういって、はぎ取って集めた素材の一部を渡される。


「まいどあり、それじゃまたよろしくー」

「あぁ、また頼むぜ」


素材を受け取り、一足先に俺はその場を去っていく。


―――――


『迷宮』それが現れたのは、もう昔のことだ。山や海、いろいろなところで現れた『迷宮』の中には、金銀財宝だけでなく、当時の人類がしらないたくさんの記録があった。人類はその記録を持ち帰り、独自に研究した。そして、今まで空想上の物だった『魔法』を作り出し、それは人類の発展に大きく貢献した。それによって当時抱えていたエネルギー問題は解決し、人類は争うことなく平和に暮らしている。しかし迷宮は今も変わらず新たに現れ続けている。いったい迷宮とはどういう存在なのか。


―――――


「ーーこれを解明することを目的に各地に作られたのがここ、『迷宮探査学院』です。さて、ちょうど時間もいいですし、今日はここまでにしましょう」

「あーやっとおわったか」


授業終わりのチャイムが鳴り、軽く伸びをして席を立つ。


「さてと……いくか」


向かう場所は、戦場。


「よ、よし……なんとかカツサンドは死守できた」


学院の中庭にあるベンチに腰掛けながら、なんとか戦場(購買)で手に入れることが出来た戦利品を袋から出し、さっそく食べ始める。中庭から見えるグラウンドでは、マラソンをしているもの、剣の素振りをしているもの、各々昼休みを満喫している。


「おーおー、まじめなことで……まぁ、ポイントのためには頑張るよなぁ」


ポイントとは、この学院での共通通貨のようなものである。授業の出来や評価、迷宮で得た素材などを売却してえられる。物品の購入以外にも、所持したポイントによって学院での評価が変わったりする。だから学院生たちは授業が終わり次第、訓練をし、迷宮へと潜り、魔物や迷宮の財宝を探す。


「……まだしばらくは持つな」


端末を使用し、所持ポイントを確認する。ちなみにこの端末、学院生に支給される、通信もできる優れもので……まぁぶっちゃけスマフォだ。


「ん?」


ふと予感がし、とある方向を向く。


「あぶなーい!」

「うわっと!」


向いた方からはボールが飛んできていた。顔をそらし回避をする。


「あぶねぇな……」

「ごめん! えっと、大丈夫だった? 日野君」


おそらくボールを飛ばした本人だろう女子が尋ねてくる。ちなみに日野というのは俺の名前だ。日野ひの 恭介きょうすけ


「あぁ、大丈夫。なんとなく嫌な予感がしたからすぐ気づいたよ」

「予感って……あぁ、そっか」


顔見知りだったからか、俺の言葉にすぐ察しがついたらしい。


「相変わらず便利な能力だね」

「あぁ、よく世話になってる」


そのまま彼女はボールを回収し、もう一度謝罪をしてその場を去っていった。


「……役には立たないけどな」


その姿を見送りながら、ふとつぶやく。

迷宮が現れてからしばらくして、不思議な能力を持つ人類が出てきた。筋力が強くなる、足が速くなるなど、多彩な能力を持っていた。彼らは『能力持ち』とよばれ、迷宮探索に重宝されてきた。

そんな能力を俺も持っている。といっても、力が強いとか、そんなものじゃない。ただ、勘がいいだけ。これがよさそうだ、これはやばそうだ、などという予感が見事に的中するだけ。だから、さっきみたいに攻撃を回避するくらいしか、使い道がない。なんの役にもたたない、足手まといだ。


「……だから、あいつとも別れたんだ」

「あいつって、だれ?」

「っ!?」


つい口からもれた言葉に対していきなり追及され、ビクッとしながら声の聞こえた方を向く。


「ごめん、驚かせた?」

「……なんだ、志鶴か」


視線の先にいたのは見知った人物だったので、少し安心した。彼女は椿姫つばき 志鶴しづる。俺の幼馴染だ。


「べつに、なんでもねーよ」

「そう……隣、いい?」

「……どーぞ」


先ほどの疑問に回答し、昼食を再開する。志鶴も隣に座り、自分の弁当を取り出して昼食を食べ始める。


「……で」

「?」


黙々と食事を続けていてもあれなので、こちらから切り出す。


「なんのようだ?」

「なんのようとは?」

「俺に用があるからここに来たんだろうが」

「一緒にご飯食べたいからじゃダメ?」

「へーへ―そりゃ嬉しいね。……で?」

「……」


なぜにらむ。どうせ冗談だろうに。


「……まぁいい。じゃあ、本題に入る」

「はいどうぞ」

「恭介、またやったでしょ」

「……なんのことだ?」

「今、間があった」

「しらんな」


後ろめたいことがあるからか、露骨に目をそらしてしまう。それを見て、溜息をつきながら志鶴は続ける。


「おこぼれをもらうなんて、みっともない」

「おこぼれいうな。正当な報酬だ」


志鶴の話は、俺の小遣い稼ぎについて。俺はたまに、よそのパーティにお邪魔して、魔物を釣ってくる役をやっている。そして、倒した魔物の素材の一部を受け取ってポイントに変えている。みっともないからやめろと、志鶴にはしょっちゅう言われている。大きなお世話だ。


「恭介には、もっと相応しい場がある」

「ねぇよんなもん」

「ある」

「どこに」

「ここ」


そういって志鶴は、自分を指さす。


「私のいるパーティが、恭介にはふさわしい」

「……あのなぁ」

「なに?」


嫌みともとれるその言葉に、頭をがりがりと掻いてしまう。


「お前んとこのパーティのメンツははA1からA2ランクで、学院トップレベルだろうが」

「……それが?」

「俺、B2ランク」

「知ってる」

「あぁもう……」


突然だが、迷宮探査学院の学院生にはランクという、DからA、一応その上にSというランクがあり、そしてそれぞれが0から3の4段階に分かれている、全部で20の階級がある。志鶴が入っているパーティのやつらはそのうちのAランク。文句なしのトップレベルだ。対して俺はBランクの中間。まぁ中の上レベルか。それでも十分高めといえるレベルだ。このランクになるにも、俺はかなりの努力をした。まぁ、あれだけやって、ここ止まりって方が正しいか。


「実力が違い過ぎる。足手まといになるだけだ」

「そんなことない。恭介にはしっかりした実力がある」

「能力のこと言ってんのか? お前のと違ってただ勘がいいってだけだぞ」

「役に立つよ?」

「回避とかにな。避けるだけで、倒せやしないんだ」

「それで十分」

「はぁ?」


いうと志鶴は胸を張る。


「私が倒す。恭介が引き付けて、私が倒す。いいコンビ」

「……つまり俺は囮か」

「囮じゃない、動けない私を守ってくれるナイト」

「物は言いようだなおい……」


確かにこいつが攻撃を行う際は、能力の都合上動くことが出来ない。だから、その際に守る役目が必要となる。まぁそんな話はどうでもいい。


「無理だっつの、お前らレベルが相手する魔物を、俺が相手取るなんてできるわけない」

「そんなの、やってみなくちゃわからない」

「やらなくても決まりきってるっつの」

「そんなことない」


しつこいな。


「できるできないじゃない、やるかやらないか」

「どこかで聞いたことあるセリフだなおい」

「ということで、やってみるべき。てか、やる」

「は?」


……ということで。


「やってきました迷宮・守護者の間」

「? 誰に言ってるの?」


だれでもねーよ。現実逃避だバカ野郎。

守護者の間というのは、まぁ簡単に言うとボス部屋だ。迷宮は何層にも分かれており、それぞれの層に配置されている。かなり奥の方にあるのだが、魔物には、敵意を持たない相手は襲わないという不思議な性質があり、ここまで戦闘無しで向かうことが出来た。その性質のせいで、俺が小遣い稼ぎするときはとある道具を使わないといけなくなるが、まぁそれはどうでもいいな。


「……で、ほんとにやんのか?」

「やる」

「……あぁそうかい」


幼馴染としての経験上、こういう時は何を言っても引き下がらない。


「約束、守れよ」

「わかってる」


これから俺たちがすることは、俺たち二人だけでボスを倒すと言うこと。方法は、志鶴が言っていたように俺が引き付け、志鶴が決めるというもの。どう考えても無理だと伝えたが、彼女は引き下がらず、押しに負けた俺はとある条件を付けた。


「失敗したら、二度と恭介にかかわらない」

「そうそう、ほっといてくれ」

「成功したら、恭介は私の言うことを一つ聞く」

「そんなことを約束した覚えはない」

「いまする」


勝手な奴だ。


「……はぁー。行きたくねぇ」

「今更、しゃんとする」

「シャラップ。誰のせいでこうなったとーー」

「ーー早くいく」


そういって志鶴は守護者の前へを続く扉を開けた。

……扉の奥には、ナニカがいた。


「あれがボスか……」

「……そう」


扉の奥にいたものは、体長は5mは有に越しているだろう。それがこちらに気付いたのか、ギチギチという音を鳴らしながら、動き出す。音からして、木製。六本の腕に剣や槍など、それぞれ異なる武器を持っている。頭には、正面左右に三つの顔があり、そのすべての目で、此方を見ているような気がする。


「……恭介、くるよ」

「クソ、なんでこんな目に」


言いながらも、腰に下げた二振りの愛剣を抜く。利き腕に長め、逆側に短めの剣を構える。色々と努力していたころに身に付けた、二刀流だ。


「……で、何分稼げばいいんですかね?」

「……5分」

「はっ、ラーメンが作れるな畜生」

「…………」

「無視かよ」


すぐさま詠唱を始める志鶴。志鶴の能力は、魔法増大。その名のとおり、使う魔法の威力を何十倍にも膨れ上がらせることが出来る。しかしその分デメリットがあり、それは、増大させる威力に比例して、一定時間その場を動けなくなるというもの。


「あぁくそ、こいよ阿修羅観音。カップラーメン出来るまで持たしてやる」


半ばやけくそ気味に、俺はボスへと向かっていく。向かっていくといっても、無茶な特攻はしない。俺の役目は倒すことじゃなく、時間を稼ぐこと。回避に専念するどころか、むしろ回避しかしない。

自身の能力を頼りに、ボスの六つの腕から繰り出される攻撃を、難ありでーー難なくじゃねぇぞ勘違いするなーー避けていく。振り下ろしを顔面すれすれでよけ、薙ぎ払いを手に持った剣でガードする。衝撃によってガードした手がしびれる。


「……これで5分稼げとか……ムリゲーじゃね?」


そんな弱音が漏れる。あいつは何をもって俺がこいつ相手に時間を稼げると思ったのか……。てか、俺が手を抜くとは思わんのかね? ……そもそも何で俺、マジでこんなことやってんだろ。

そんなことを考えたからかしらないが……。


「がっ……」


ボスの繰り出される連撃をさばききれず、何とか剣でガードしたものの、踏ん張ることが出来ず壁まで吹き飛ばされてしまった。その反動で持っていた剣は手から離れ、俺自体は大の字に倒れこんでしまう。


「……のやろ……っ!」


そうつぶやいただけで、体に激痛が走る。これがアバラが逝ったってやつか……。漫画やアニメで軽く言ってるが、しゃれならんぞこれは。

……痛みで悶えている俺に戦意なしと判断したのか、ボスは俺から志鶴に視線を移す。ほら、やっぱりむりじゃねぇか。とっとと詠唱辞めて逃げろよ。襲われっぞ。


「……」


ボスの足音に気付いたのか、志鶴は薄目を開け、周囲を見渡す。そして、壁際で倒れている俺を見つける。……見てのとおりだよ。


「……」


そのまま志鶴は詠唱を辞め、身をひるがえして逃走する。……かと思いきや。


「……」


なんと再び志鶴は目を閉じ、詠唱を再開した。何をやってるんだあのバカは。どう考えても作戦失敗してんだろうが、逃げろや。

そのままボスは志鶴へと近づくが、志鶴の様子に変化はない。目を閉じたまま詠唱をしている。

何がしたいんだあいつは……まさか俺が復活してボスの足止めすると思ってんのか? 無理だっつの。もううごけねーよ。これが俺の限界なんだよ……。


「おい……っ!」


激痛に耐えながら立ち上がり、ボスを呼び止めようとする。

……なにやってんだおれは、倒れてろよ。もう限界だっつってんだろ。頑張る必要なんかねーだろ。


「おいそこのでくの坊!」


声を張り、さらにボスに呼びかける。しかし、俺を敵とみなしていないのか、ボスは気にせず志鶴の方へと進む。

努力なんざ散々しただろうが、散々努力して、この結果だろうが。俺は、あいつには追い付けねーんだよ。いくら努力したって、あいつの隣に立てるようにはならないんだよ……っ!


「くそが……」


一向にこちらに見向きしないボス。このままでは志鶴のもとへたどり着いてしまう。

……そこで、俺は一つの解決策を思いついた。あぁ、我ながらバカなだと思う。これをやれば、戦意の有無など関係がない。下手をしなくても死ぬ確率の方が高いだろう。……それでも、


「無駄な努力だったとしても、俺は、あいつの、志鶴の隣に立ちたかったんだ」


懐から、とあるものを取り出し、身に付ける。すると、ボスの動きが止まる。

魔物は基本、戦意を持つものしか相手にしない。なので、ゲームのように近くを通ったくらいじゃ、釣れたりしない。だから、俺は小遣い稼ぎの仕事をする際、一つの道具を使う。それがこれ。


「これにはお前も食いつくらしいな」


痛みに耐えながら立ち続ける俺の首元には、一つのネックレス。正式名称はわからない。しかし、これを身に付けた者は、なぜだかわからないが魔物に狙われるようになる。だから俺はこれを釣り具(ルアー)と呼んでいる。

見事それに釣られたボスは、俺の方へと進行方向を変える。そうだ、こっちにこい。


「最後まで足掻いてやるよ」


どんどん速度を上げて迫ってくるボス。目の前まで来れば、手に持った武器をでたらめに振り回す。俺はそれを避けて、避けて、避けて、避け続ける。能力を極限まで駆使しながら避け続ける。頬が切れようが、腕の感覚がなくなろうが関係ない、避けて避けて避けて避けた。

やがて……。


「恭介! 下がって!」

「……っ!」


後ろから志鶴の声が聞こえた。最後の力を振り絞って、後ろへ飛ぶ。ろくに受け身もとれずに、背中を打ち付けてしまう。


「彼の者に罪科の獄炎を!--《インフェルノ》!」


その言葉をキーワードに、志鶴が詠唱していた魔法が発動する。こぶし大の大きさの炎が無数に出現し、ボスのもとへと飛んでいく。ボスの体に炎が当たり、その点を中心に一気に燃え上がる。ボスが燃えている間にも、炎は殺到し、やがて、ボスは灰すら残さず焼失した。


「はっ、すっげぇ威力……」


やっぱ実力が違い過ぎるよなぁ。

こちらへ駆け寄ってきている志鶴をちらりと見た後、俺は意識を手放した。


―――――


「……知ってる天井だ」


努力していたころによくお世話になっていた、保健室の天井だ。ということはここは保健室のベッドか。


「目が覚めた?」

「……志鶴か」


声の掛けられた方を向けば、志鶴がいた。


「どれくらい寝てたんだ?」

「……4時間くらい?」

「そか」


ベッドから見える窓から外を見れば、もう暗い。相当遅い時間なのだろう。


「世話かけたな」

「ううん。言っておきたいことがあったから」

「?」


言っておきたいこととな? なんかあっただろうか……。


「約束、覚えてるよね?」

「……」


ぴしりと、体が固まってしまう。


「ボスは倒せた。ということは私の勝ち。ドゥーユーアンダスタン?」

「い、イエスアイドゥー……」


何をやらされるんだろうか。気が重い。


「……昔」

「ん?」


辺りを見渡しながら、志鶴が話し出す。


「恭介は、よくここに運ばれていた。無茶な魔物狩りをして、怪我をして」

「……まぁ、昔はヤンチャだったからな」


果たして一人で魔物を倒そうとするのはヤンチャといっていいのだろうか。まぁ、バカだったということにしておこう。


「その都度、私はここで、恭介が起きるの待ってた」


その節はお世話になりました。あの頃はいちいち見舞いに来てくれてよろこんでたな。懐かしい。


「なんで、もうやらなくなったの?」

「冷静になったんだよ」


いくら努力しても、才能にはかなわないってことを知ってな。


「……まぁいい」


いいんかい。ならなぜ追求したし。


「恭介は、ちゃんとした才能がある」

「囮のか?」


自嘲気味にそう言ってしまう。志鶴は首を振り、しっかりと俺の目を見て言う。


「努力出来る才能がある」

「……」

「方向性は間違えてたけど、あれだけ頑張れるってことはすごいことだと思う」

「……そりゃどうも」


気恥ずかしくなり、目をそらしてしまう。


「……話を戻す」

「……おう」

「恭介、私のパーティに入って」

「……拒否権は?」

「ない」

「だろうな」


結局俺は志鶴のパーティに入ることになるのだった。といってもやはり実力が違い、できることといえば……。


「結局囮なんだよなぁ」

「違う、ナイト」

「へいへい、ナイトナイト」

「じゃ、気を付けて」

「おう」


今日も俺は、迷宮で魔物釣りをする。また頑張るべきかね?

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