自覚
異世界編スタートです。
そういえば、あのメテエドという神の言っていたことは何1つ確かにすることができないのかもしれない。異世界と言っても、地球と何が違うというのだろう?例え、ゴブリンがぞろぞろと歩いていたとしても、今まで地球で見つかっていなかった新種の生き物であるだけかもしれず、そこが地球ではないと言い切れない。中世の雰囲気がある街で産まれたとしても、それが過去の地球であるかもしれないことを否定できるのだろうか?そもそも地球以外の星のことをよく知らないのに、地球と違う場所に産まれたからと言って異世界だと断定するのはナンセンスだ。
けれど、地球と違った物理法則、またはそれ以外の違った法則を持つ世界に産まれたとしたら、おそらく異世界チックに物事を捉えてしまうだろうし、異世界にいる気分を存分に楽しめることだろう。結局わかることはそれだけだ。俺は一体どこに産まれたのだろうか?
カイザー歴542年ソンチュール帝国の西部、テューダー子爵領で、俺はレインハルト・フォン・テューダーとして産まれた。テューダー家は1つの村と1つの小さな街からなる領地で成り立っていた。カイザー歴200年頃に参加した戦争で爵位を得て、度重なる戦役で名をあげて、現在の子爵に昇りつめたそうだ。
俺が最初に自分のことを認識したのは、おそらく1歳を過ぎた頃、第1時成長期が終わる頃だ。俺は冒頭で述べたようなことを、少し嚙めるものが入っているお粥のようなものを食べさせられながら、自分が「考えている」ということに気がついた。