彼はまだ地球にいた
初投稿作品です!
主人公である滝野 蓮の異世界での生き方を探す物語。難しい話にするつもりはありません。テンプレといったことに関する知識があまりないので、もしかすると違和感を感じるかもしれませんが、その違和感を楽しんで下さい。投稿は不定期になると思いますのでご了承下さい。
ドラゴンパスタというのは、ドラゴンをパスタにするという意味ではございません。意味は物語が進めば出てくるので、それまでお待ちください。
朝起きてパジャマのまま作業に取り掛かる。右腕の動きが緩慢だったのは、朝4時に起きてレポートを書くという作業は彼の予定になかったからだ。
大学生になった滝野 蓮は、高校生の時に彼が好んでしていたこと、部活動や少数の友人との交流、読書や彼の目標に値する勉学、といったことを変わらずやるつもりであった。しかし、父親の過労死や母親の発病がその日常を奪いさった。もちろん、父母のことを恨むことなく、蓮はバイトを2つ3つ抱えながら、父親の過労死に対する会社の補償金をやり繰りし家族を養っていた。
ただ一人の妹が彼の心を支えていたと言ってもいい。別段普通の女子中学生である妹、彩は兄に似て、自らの置かれた状況に不満を言わず、自棄にならず生活していた。その姿を見て蓮の心には使命のようなものが芽生えていた。
昨晩から彼は午前1時まで働き、午前2頃時に眠りについた。それから2時間ほど経った時、寒気がして目が覚めてしまい所在なさげに携帯のメールを確認すると、大学での数少ない友人からレポートの期日が今日までであることを知らされる。蓮は眠気を押し殺し、右手を走らせるのだった。そして時計の針が5時を回ったところで、蓮の意識からはレポートという言葉は消えてなくなっていた。
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もし、人生をやり直せるならそうするだろうか?
いや、俺はやり直さずそのままで行く。
如何なる人生も自分で選んだ人生ではないが、俺は迷わない。迷うということは人生を軽蔑することなのだから。