表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凍てつく王国  作者: 玖波 悠莉
前編
14/86

3-2

「…おはよう。」

「…おはようございます。」

扉の前で固まって返事をした2人をアリアは半眼で眺めるようにして見た。

「…朝から淑女の部屋の前で騒ぐのはどうかと思いますが。」

シグルーンはぎくしゃくとアリアの方へ向き直った。

「あ―うん。すまん。…なんか…昨日と雰囲気が違うぞ、ハインツ。」

後半は小声で傍らの男に言った。

「そうですね、聞いてたのと違いますね。」

彼もまた、小声で返す。

そんな彼らを紅い瞳でひと睨みすると、アリアは色のないため息をついた。

「…もういいですよ。で、そちらの方はどなたですか?」

シグルーンの傍らの長身の男を見上げて尋ねた。

「ああ、こいつはハインツ。遊撃隊の副隊長だ。」

「正式…表向きには、近衛兵隊隊長、という事になっています。アリアさん、でよろしいですか?」

彼は高身長を少し屈めるようにしてアリアに片手を差し出した。

背は高く、金髪。糸のように細い目のせいで笑っているのか、そうではないのか、表情が分からなかった。

「どうぞ、よろしく。」

アリアが差し出した手を握って、ハインツはそう言った。

「あ、はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」

「それから、こいつ、いつも目は開いてないがばっちり目が開いていたら要注意だ。その時は本気だ。」

横からシグルーンが少し愉快そうに付け足した。

「なんですか、それは。」

アリアから手を放したハインツが不服そうにシグルーンを見る。

「そのままだろ。お前の目が開いているとき、ロクな目にあった覚えがないぞ。」

「気のせいでしょう。」

シグルーンは逃げるようにハインツから目をそらし、アリアに視線を戻した。

「ま、そういうことだ。よろしく頼む。」

「はぁ…。まぁ、いいでしょう。」

ハインツが溜息をついた。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。この先、私事により更新頻度が下がりますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ