幕間 2
「何もしない、ですと?今がどういう時か、わかっておられるのですか!」
「だがどうしようもないではないか!今年は冷夏で作物もろくに育たなかった。そして今まさに冬が来ている。依然、例年より気温は低いまま。下手をすると民衆の蜂起にもつながりかねん状態だ…。さらに王はお加減がよろしくないと聞く…。このままではいかんのは誰にでもわかっておる!だがどうしろというのか!」
「…原因を見つけだせばよいのでは?」
「何だ、貴様…確か、魔術やらなにやらうそぶいていた奴だな…!誰だ、こんなやつを引き込んだのは!」
「よいのですかな?そんなことを言って…。」
「何だと…。」
「魔術だの、なんだのとひとくくりにされては困りますな。私は別段、そういう根も葉もないものを研究しているわけではないのですよ。」
「ならば、何の用だというのか。」
「だから言ったではありませんか。この寒気の原因を調べていたのですよ。」
「そんなものがあるのか?」
「ええ。今はまだ何とも申せませんが、実はもうその一部を捕らえましてね…。」
「捕らえる?どういうことだ?」
「いやなに、伝説の一部でございますよ。」
「伝説、だと…。」
「ええ、伝説でございます。しかし、証拠がある。」
「何やらよく分からんが…その原因とやらを潰せばいいだけの話ではないのか?」
「ええ、まあ…。そうはなりますね。ところで、今日はその話をしに参ったのですよ。」
「どういうことだ?」
「つまり、この王国が直面している問題を武力を以て解決できるとしたら、どうなさいます…?」