サイコロ
そこは争いの絶えない世界でした。
1人が、世界を平和にしようと声をあげました。
彼のもとには仲間が集まりました。
彼らは6人になりました。
6人は活動を始めました。
彼らと、彼らの敵との戦争は5回起こりました。
彼らの何名かは命を落としました。
全部の戦争が終わるころに、彼らは2人になっていました。
2人は悲しくなりました。
彼らは死んだ仲間の後を追おうとしました。
しかし、なんということでしょう。死んだはずの仲間が一人だけ帰ってきました。
彼らは3人になりました。
3人は考え直しました。
自分たちのやり方は間違いだった。なにか別の方法で、世界を平和にできないだろうか。
彼らが悩んでいると、とある子供が言いました。
「だったら歌えばいいんじゃない?」
彼らはその子供と一緒に歌いました。
彼らは4人になりました。
彼らの歌は世界中に広まりました。
それは平和を願う歌だったり、てんでバラバラなフレーズが飛び交う歌だったり、失った仲間を慈しむ歌だったりしました。
世界は、彼らの歌で平和になりました。
4人はずっと、楽し気に歌っていました。
それから何十年も経ちました。
4人のうち3人は、年老いて死んでいきました。
世界の人々は、もう彼らの歌を覚えてはいませんでした。
人々は、また争いを起こし始めました。
4人の仲間の中にいた子供は、もう立派な大人になっていました。
1人が、世界を平和にしようと声をあげました。